北近畿経済情報

北近畿各都市の経済ニュースを紹介。

応札ゼロ 保留地売れず赤字膨らむ 福知山石原土地区画整理事業

2009-11-25 | 福知山市

毎日新聞(11月25日付)舞鶴支局版

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福知山・石原土地区画整理事業 応札ゼロ 売却目指した21区画

京都府福知山市石原の石原土地区画整理事業で、市が今秋、一般競争入札で売却をめざした保留地21区画(計5,119㎡、最低価格約3億4,740万円)への応札が1件もなかったことが分かった。昨年度までの売り出し分を含む売れ残り保留地は計58区画(計1万3,532㎡、計約8億4,837万円)に達した。財政健全化に基づく資金不足比率が早期健全化基準を超えないよう、市は今年度、区画整理事業の特別会計から2億円を繰り替えたばかり。このまま売れ残れば事業の赤字は膨らむ一方で、市は価格の大幅な引き下げなど新たな対応に迫られそうだ。

JR石原駅周辺の区画事業で、93年に着手した。整備事業は昨年度までにほぼ完了し、事業費に充てるため、宅地などの減歩で生み出された保留地の売却が昨年度から本格化している。

市都市整備課によると、全体の事業費は75億2,000万円。地価の下落傾向が続く中、08年3月の計画変更で、保留地の売却収入見込みを約30億円から約24億円へと6億円も下げた。しかし今年9月現在、今後売り出す土地を含む保留地計3万9,000㎡のうち、売れたのは約8,800㎡(約5億4,400万円)にとどまっている。

「少しでも高値で売ろう」と市は10月5~19日、21区画の一般競争入札の申し込みを受け付けた。石原駅から徒歩10分圏の住宅地域の119~577㎡の土地で、最低入札価格(1㎡)は5万8,300円から7万6,200円に設定した。しかし、1件も申し込みがなかった。

今後について市は「当面は随意契約による先着順の売却を目指したい。販売方法の問題なのか価格の問題なのかなどよく検討し、対策を考えたい」としている。

市の昨年度決算によると、財政健全化法に基づく石原土地区画整理事業特別会計の資金不足比率は17.7%で、早期健全化基準の20%以内には収まっている。しかし、福知山駅関連の駅南と駅周辺の両土地区画整理事業も保留地売却も進まないなど苦戦が進んでおり、市は今年、3区画整理事業の特別会計に計約10億円を基金から繰り入れるなどしている。

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スーパー誘致 出店募集へ 駅北にぎわい創出 福知山

2009-11-20 | 福知山市

毎日新聞(11月20日付)舞鶴支局版

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スーパー誘致へ 出店者を募集 福知山市

京都府福知山市は、福知山駅北側のにぎわい創出を目指し、駅北東のホームセンター「コーナン」出店予定地東隣の土地4,578㎡の利用事業者を募集すると発表した。生鮮食品を扱うスーパーなどを誘致したい考えで、12月3日に説明会を開催する。来年3月には事業者を決めたい意向。

コーナン出店地も市が事業者募集した。最初の土地売却方式では全く募集がなく、賃貸方式に変更後、コーナンの出店が決まった。当初、生鮮スーパーを併設予定だったが、不況や市の過疎化などを理由に施設規模が縮小されたため、近接地へのスーパー誘致を求める声が寄せられていた。コーナンは来春のオープン予定。

土地は市土地開発公社の所有地。20年間の事業用定期借地で土地を貸し出す。

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フレスポ福知山オープン 国道沿いに新商業施設

2009-11-09 | 福知山市

毎日新聞(11月7日付)舞鶴支局版

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新商業施設「フレスポ福知山」12日オープン

新しい商業施設「フレスポ福知山」が12日、福知山市篠尾にグランドオープンする。大和ハウスグループの大和リース(本社:大阪市中央区)が開発を手がけた。年間来場者200万人、年30億円の売り上げを見込んでいる。

福知山駅北西約700mの国道9号沿い1万4,385㎡の敷地に鉄筋平屋2棟と2階建て1棟(計延べ8,596㎡)を建設。240台分の駐車場も整備した。

地元のスーパー「さとう」の「フレッシュバザール・フレスポ福知山店」など11店が出店する。「無添くら寿司福知山店」が9日、スーパーが10日にそれぞれ先行オープンする。敷地には市ガス製造工場跡地が含まれており、今年2月、基礎杭放置が発覚。市による杭撤去で着工がずれ込み、当初予定の9月末から約1ヶ月半遅れのオープンとなる。

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保留地の入札ゼロ 福知山駅周辺区画整理 市、赤字拡大懸念

2009-10-22 | 福知山市

毎日新聞(10月22日付)舞鶴支局版

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市保留地 入札ゼロ 福知山駅周辺土地区画整理事業 市、赤字拡大懸念

福知山駅周辺の高架事業に伴う福知山市の駅周辺土地区画整理事業で、駅南東側の市保留地1区画(1,387㎡)に入札者がなかったことが21日分かった。にぎわい創出を目指す市が、最低価格約1億5,018万円(1㎡10万8,300円)で一般競争入札の参加者を募集していた。地価が下がる中、事業の赤字が懸念され、今年度の事業特別会計に約2億円を基金から繰り入れたばかり。保留地が売れなければ、事業の赤字が膨らみ、一般会計などからの補てんが増えるため、市は随意契約での売却を目指す。

保留地全体約9,000㎡の中では大区画で、今月2月までの申し込み期間に応募がなく、最低価格での随時契約に切り替え。5日から土地の購入者の募集をしている。

一方、同時期に一般競争入札での売却を目指した駅北西側の保留地1区画(約817㎡)には1社だけが応募。入札は成立せず、最低価格の約9,106万円(1㎡11万1,400円)で随意契約し、売却した。

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福知山の営業所を閉鎖 京都支店に統合 ゼンリン 

2009-10-08 | 福知山市
住宅地図最大手のゼンリン(本社:福岡県北九州市)がこの程、福知山市にある北京都サービスセンター(同市昭和新町44)を閉鎖している事が判明した。景気低迷に加え、過疎化が進む中、福知山に所在する支店・営業所が次々と閉鎖・統合されており、同市の地域拠点性が揺らいでいる。

ゼンリンは1948年創業の住宅地図最大手メーカー。北京都サービスセンターは京都府北部の営業拠点として、北京都営業所として開設された。その後、サービスセンターに格下げされたものの、北近畿地区で唯一となる拠点だった。

今年に入り経営効率化のため、全国でも最小で不採算営業所であった同サービスセンターの閉鎖が決まり、京都支店(京都市中京区)に統合された。

今年に入りアフラックやオリエントコーポレーション、武富士、東洋シヤッターなどが東証一部に上場する大手企業が相次いで福知山に所在する営業拠点を閉鎖・統廃合しており、同市の地域における拠点性が低下している。

一方、綾部市には福知山などにあった営業所が移転する動きがあり、また舞鶴市も海事系企業が支店などの立地を進めており、北近畿の各都市の都市間競争も激化している。

福知山女子高、来春募集停止 少子化影響 跡地利用は未定

2009-06-23 | 福知山市

京都新聞(6月23日付)

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「福女」、半世紀の歴史に幕 11年に統合、生徒ら「寂しい」

「福女(ふくじょ)」の愛称で市民らに親しまれてきた京都府福知山市の福知山女子高が2011年春に系列の福知山成美高に統合され、半世紀余りの歴史に幕を閉じることになった。22日に統合を発表した運営母体の学校法人成美学苑は「少子化の中、成美の教育を充実するための積極的統合」と説明したが、生徒や卒業生、市民らは一様に寂しさをにじませた。

福知山女子高は1957年創立。「真・善・美」を教育方針とし、これまで看護や保育、福祉など多方面に8,100人を越える卒業生を輩出してきた。

しかし、公立高3校、私立高4校が集まる福知山市で、少子化が進む中、どのように生徒を確保するかが課題となっていた。共学志向の高まりもあり、成美学苑は「生き残り」をかけて系列2校の統合を検討してきた。

福知山女子高の足立威校長は、記者会見で「学校がなくなるのは残念だが、女子高の教育理念を成美高に引き継いでもらい、より良い学校にしてほしい」と述べた。

福知山女子高の3年生は「実感はないけど、母校がなくなるのは寂しい。クラブ活動で『福女』の名が残せるように頑張りたい」と話した。卒業生(21)は「びっくりした。卒業生として帰るところがなくなるのは寂しい。在校生には『福女』の名を誇りに頑張ってほしい」と語った。

福知山市の松山正治市長は「輝かしい歴史と伝統を誇る府内有数の名門女子高だけに残念。特色ある学校として再出発されることに強く期待する」との談話を発表した。

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来春には1年生の募集を停止。11年春に3年生(現1年生)を成美高に編入し、成美高生として卒業させるようです。

両丹日日新聞によると、ピーク時の64年には439人の学生数を誇りましたが、今春は定員100人に対して入学者は59人と少子化のなか苦戦を強いられていたようで、今後も続くであろう少子化に対応したのでしょう。

「教育の街」として北近畿各地から学生を集め発展してきた福知山市にとっては大きな打撃となることは確かで、跡地利用を含め、今後の地域活性化に期待したい所です。

 


バス運賃200円に統一 来月から 福知山市バス

2009-06-05 | 福知山市

京都新聞(6月5日付)

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市バス運賃一律200円 福知山 来月から、利用拡大図る

京都府福知山市は4日、三和、夜久野、大江の各町域で運行している市バスの運賃(140~720円)を7月から200円均一にすると発表した。新たに「高齢者(65歳以上)優遇定期乗車券」と「運転免許自主返納者優遇定期乗車券」も導入し、利用者の拡大を図る。

福知山市は、合併前の旧3町の町営バスの路線や運賃体系を引き継ぎ、9路線で市バスを運行している。2006年度は約4,500万円、07年度は約6,000万円の収入不足が発生し、府の補助金で運行を確保してきたが、運賃改定や新定期券発行で利用者を増やし、経営改善につなげるとしている。

市は「運賃改定で一般の定期購入者も含め利用者の多くは運賃が安くなる」と説明。高齢者向けの新たな2種類の定期券は1カ月2,000円とし、通常の定期券より安くする。市は、運賃改定や新たな定期券発行で乗客3割増を目指すという。

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法人市民税還付、大幅増加へ 経済の落ち込み厳しく 福知山

2009-06-03 | 福知山市

毎日新聞(6月3日付)舞鶴支局版

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法人税還付 2億4,000万円 不況で例年の4倍 福知山

福知山市に昨秋予定納税された法人市民税を企業に返還する還付金が、例年の4倍の約2億4,000万円に達する見通しになった。予定納税は、前年度納税額の半額を税額が確定する前の年度途中に納める制度で、還付金大幅増は不況による企業の業績悪化が原因。今年度当初予算に還付金5,900万円を計上していたが、当初予測を上回る形で急速な業績悪化が進んだ。市税務課は「これほどの還付は過去に例がないと思う」としている。

市は9日開会の市議会に提案する一般会計補正予算案に、不足額1億8,000万円を盛り込む。

市税務課によると、例年は当初予算に2,000万円を組み、不足分は9月に補正し、平均で6,000万円程度還付している。

市は不況に突入していた昨年11月、納税額上位49社を対象にアンケートし、例年より多くの額を当初予算で組んだ。しかし、4月以降、1社で数千万円単位の大口還付の申し出が複数あり、再びアンケートを取り、還付見込みを算出した。

08年度予算の法人市民税は約19億円。予定納税は4億7,600万円あり、この半分が還付される見込みだ。一方、今年度予算の法人市民税は27.4%減の約14億円を見込んでいる。

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別紙の記事では「半分でももらいすぎていたという状況」(両丹日日新聞)ということで、福知山経済の落ち込みが大きい事が改めて浮き彫りになったように感じます。このままでは大幅な減収は避けられず、財政規律の観点からも、無駄な支出の抑制が求められます。


「コーナン」が規模縮小 スーパー誘致できず… 福知山

2009-05-29 | 福知山市

毎日新聞(5月29日付)舞鶴支局版

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「コーナン」が規模縮小 スーパー誘致できず… 福知山駅前大規模街区

京都府福知山市は28日、福知山駅北東側の大規模街区(にぎわい拠点、1.46ha)に進出する「コーナン商事」(本社:大阪府堺市)の大型店の規模が縮小される、と発表した。

3階建てが1階建て平屋になり、当初計画された食品スーパーとの複合施設から、地場野菜などを売る物産館などを併設したホームセンター単独店になる。オープンも当初予定の今年末から来年4月に延期される。

コーナン側が2月に「最近の経済状況から食品スーパーが誘致できない」と申し出、協議を進めていた。

延べ床面積でも4割に大幅縮小。売り場面積は約9,170㎡から約7,357㎡に、駐車台数は649台から375台に減る。

この大規模街区は当初、土地売却方式で事業者を募集したが、全く応募がなく、賃貸方式に変更。昨夏、コーナンに進出が決まった。

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福知山では人口減少・過疎化とともに、都市圏・商圏の縮小や今まで好調だった長田野工業団地での人員整理などで購買意欲がかなり低下しており、スーパー誘致を断念せざる得なかったそうです。

近年は駅南ばかり発展し、駅北の地盤低下も著しいだけに、今回のコーナンには期待していただけに、規模縮小は残念なニュースとなりました。


出荷額・就業者数ともに大幅減 過去最大 長田野工業団地

2009-05-28 | 福知山市

京都新聞(5月28日付)

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出荷額303億円の大幅減 完成以来、最大下げ幅 長田野工業団地08年度

京都府福知山市の長田野工業団地の2008年度製造出荷額は2,404億円で、過去最高を記録した07年度に比べて303億円(11%)減少したことが27日、分かった。昨年秋から世界同時不況の影響で1974年の工業団地完成以来、最大の下げ幅になった。団地内の就業者数も前年同期に比べ1割以上減っているという。

この日、福知山市で開かれた立地企業15業種40社でつくる長田野工業センターの通常総会で報告された。出荷額の減少についてセンターは、昨年秋から始まった世界同時不況を原因とし「長田野工業団地立地企業内の自動車、半導体、家電など輸出関連業種を直撃した」と分析している。

パート・派遣社員を含めた団地内の総就業者数は、今年4月現在で5,335人で、前年同期比で809人(13%)減少したという。

センターの田晴重理理事長は「厳しい事態だが、会員相互の連携を強めて対処したい」と総会であいさつし、雇用確保や工業団地の活性化などに向けて立地企業の協力を求めた。

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京都府北部の工業を牽引してきた長田野工業団地でも出荷額、就業者数とも大幅減という厳しい報告で、経済全体の先行きが非常に懸念されます。

ただ5月中旬から低燃費車関連の企業が活力を取り戻しつつあり、福知山市ではGSユアサが工場増設、舞鶴市でも日本板硝子の生産回復など明るい話題も徐々にではありますが出てきていますので、今が頑張り時なのかも知れません。