福井新聞(8月27日付)より
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小浜線電化から5年 07年度乗客数、開業時に届かず
電化開業から5年目となるJR小浜線の2007年度利用状況がまとまった。乗客数は約177万4,000人で、06年度より0.7%の微増。前年度比で2年連続で増加した。だが、開業初年度の03年度に比べると約5万3,000人減っており、人口減少が進む中で、車移動からの転換、観光客の取り込みが課題となっている。
県総合交通課によると、07年度の乗客数は177万3,827人。06年度を1万1,845人上回った。
内訳は普通切符、通勤定期がそれぞれ約2割、通学定期が約6割だった。連続テレビ小説「ちりとてちん」と新快速の敦賀乗り入れの相乗効果で県外観光客の利用増が期待されたが、普通切符は約6,600人減った。
小浜市鉄道新線・公共交通課は、その理由を「関西圏からの観光客は、近江今津駅(滋賀県)まで新快速で出掛け、そこから路線バスに乗り換え小浜市内を訪れる人が多かった」と分析。1―2時間に1本のダイヤ編成も敬遠されたようだ。
その一方で、定期は通学が約1万2,000人、通勤が約6,500人増えた。特に通勤定期利用者は年々伸びており、03年度との比較では5万人近く増えている。沿線住民が通勤手段をマイカーから小浜線に切り替える運動を強化しているのが要因とみられる。
中でも若狭町は06年度から、町職員の小浜線での出退勤を促しており、全職員の約3分の1に当たる127人が通勤定期を購入(今年4月1日現在)している。
「町職員自らがマイレール意識を浸透させる旗振り役となる」(同町総務課)ことで、町内の上中、三方両駅で乗車する07年度の通勤定期利用者は03年度より3―5倍増加した。
県総合交通課の伊勢信三嶺南地域鉄道整備室長は「ガソリン価格の高騰や地球温暖化を背景に、公共交通に追い風が吹いている」と指摘。乗客数を持続的に増加させるために「沿線市町と連携し小浜線利用のメリットを地道に呼び掛けたい。敦賀を訪れた観光客らが、小浜線に乗り継いで嶺南地方全体を周遊しやすくなる仕組みも構築していきたい」と話している。
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若狭は小浜線を地域の生命線として、イベント列車や利用補助など様々な利用促進活動を行っていますが、過疎化が進む地域だけに苦戦が続いているようです。
現在、小浜線を走る優等列車は京都駅から舞鶴経由で入線する特急「まいづる」の1往復だけで、小浜以東は普通列車のみの運行となっており、福井市や金沢、名古屋方面へは自動車利用がメインになっています。
県都・福井までの優等列車があれば、出張などビジネス利用も期待できる上、嶺北と嶺南との交流促進にも繋がり良いと思うのですが…。とにかく小浜線は地域に不可欠な交通インフラとして頑張ってもらいたいですね。