北近畿経済情報

北近畿各都市の経済ニュースを紹介。

新ガントリークレーン導入 2基体制に増強 舞鶴港

2009-11-24 | 舞鶴市

京都新聞(11月24日付)

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高さ60M ガントリークレーン到着 舞鶴国際ふ頭 26日に移設

来春開港予定の「舞鶴国際ふ頭」(舞鶴市下安久)に23日、コンテナ積み降ろし用のガントリークレーンが到着した。大阪南港から台船で運ばれてきた。26日に移設が完了する予定。

ガントリークレーンは高さ約60メートルで、大阪南港で使われていた。1時間あたり約40個のコンテナを船やトラックに積み降ろしできる。台船上に立てたまま、高知県の室戸岬、長崎県沖などを経由して約1,700キロの距離を運んできた。

台船は23日午前10時半ごろ、舞鶴国際ふ頭に接岸した。クレーンは岸壁に沿って移動できる長さ約280メートルのレール上に据えられる予定で、台船からレールまで橋をかけて移動させるという。

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不況やトステム綾部工場の閉鎖などによりコンテナ貨物の集荷が厳しい状況にある舞鶴港なだけに、新ふ頭には大きな期待が寄せられています。

京都府も今月初めには中国・大連市でセミナーを開くなど、コンテナ貨物集荷に地道な努力を重ねており、ベースカーゴ(大口荷主)の獲得につなげていくためにも、今一層、ポートセールスに注力して頂きたいです。


企業利用促進 打開策探る 営業重ね、新規開拓 舞鶴港

2009-11-07 | 舞鶴市

京都新聞(11月7日付)

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企業利用促進 打開策探る 営業重ね、新規層広げる 舞鶴国際ふ頭

舞鶴港で来春に利用開始が迫った舞鶴国際ふ頭(愛称「みずなぎ」)の利用企業を求め、舞鶴市の斉藤彰市長や京都府の山田啓二知事が今月初旬に中国に出向き、セールスの力を入れた。総工費約466億円を投じた大プロジェクトは産業振興や貿易活性化への期待を担う。景気低迷や大口顧客が事業所の閉鎖を打ち出すなど課題に直面するなか、地元港湾関係者は打開策を模索している。

「予定を上回る130人もの出席があり、精密機械大手の現地法人が利用に関心を示してくれた」。斉藤市長は帰国翌日に、こう話した。9月の韓国・釜山市に続いて11月2日から3日間、市の友好都市・大連市(中国)を山田知事らと訪問し、セミナーやフォーラムで国際ふ頭をアピールした。

国際ふ頭は、1995年から同市下安久沖を埋め立てて、甲子園球場の3倍半に相当する約13.7haの国際ターミナルとして建設が進む。水深14m、舞鶴港で最長の280mの岸壁を備え、これまで入港できなかった5万トン級の大型貨物船が接岸できる。

「中国、ロシアを視野に入れる企業の生産・物流拠点として売り込む材料がある」と見るのは、兵庫県三田市で大規模工業団地を造成中の大和ハウス工業(本社:大阪市)だ。2012年末に造成完了を目指す団地は、舞鶴港までの近さをセールスポイントにする。高速道で1時間の距離は「渋滞を考慮すると神戸港と変わらない」(同社広報企画室)という。

しかし、国際ふ頭の利用を取り巻く見通しは厳しい。

昨年度の舞鶴港全体のコンテナ取扱量(約3,500個)に対し、市総合計画では、国際ふ頭が開業する2010年度目標を、約3倍の1万1,000個を掲げる。市や府で作る京都舞鶴港振興会は一昨年から北近畿を中心に。延べ3,000社以上の営業活動をしたが反応は鈍い。「舞鶴が京都にあることすら知らない人もいる」という。

ロシアとの関税引き上げの影響で、昨年度の中古車の輸出額はその前年から9割減となった。さらに住宅設備メーカー・トステム綾部工場(綾部市)の閉鎖方針も追い打ちをかける。中国定期航路の全貨物のうち約4割を、同社の大連工場の資材が占めるとみられているからだ。市幹部は「閉鎖が決まっても利用の継続をお願いしたい」と願いを託す。

舞鶴市産業振興部の堤茂部次長は「起死回生策はない。地元な営業活動を重ね、新規開拓で利用層を広げていくしかない」と話している。

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舞鶴港はちょうど日本海側の真ん中に位置し、地理的にも非常にポテンシャルの高い港であるにも関わらず、利用が低迷しています。その大きな要因として背後圏に輸出入型の産業集積が進んでいないことが挙げられます。もちろん、現在、神戸港や敦賀港を利用している舞鶴港周辺の企業へのセールスも極めて大切です。それと同時に高速交通インフラも整備されつつある舞鶴港近辺へ比較的面積の広い工業団地を造成し、輸出入型の企業誘致を行うのが貨物確保の最善策ではないでしょうか。

現在、景気低迷で企業の投資意欲の減退に加え、労働者派遣の規制強化、円高などで企業の海外移転も顕著となっており、企業誘致が厳しい先行きですが、中国やロシアと対岸で接する舞鶴港のポテンシャルを考えれば、この誘致合戦にも打ち勝てると思います。


三田に大型工業団地 大和ハウス、舞鶴港の利便性アピール

2009-10-30 | 舞鶴市

日本経済新聞(10月30日付)

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内陸部に大型工業団地 兵庫・三田 舞鶴港に近く利便性アピール

大和ハウス工業が兵庫県三田市で50万㎡の土地を取得し、大規模な工業団地を開発することが明らかになった。大阪市などの大都市や舞鶴港への交通利便性をアピールし、区画整理から工場建設まで一貫して手がける。近畿圏は工場建設が減っているが、用地を取得しやすい内陸部で企業誘致の動きが広がる可能性が出てきた。

大和ハウスは独立行政法人の都市再生機構(UR)から土地を約15億円で購入し、区画整理をしたうえで企業の生産や物流拠点として2010年末にも発売する。緑地部分や道路を除いた販売面積は42万平方メートルとなる見込み。同社として過去最大の工業団地造成だ。

取得地はURが開発し06年に完売した「北摂三田テクノパーク」の隣接地。当初は「第2テクノパーク」としてURが開発する計画だったが、工場など商業建設事業の強化を目指す大和ハウスが丸ごと買った。テクノパークには三菱マテリアルなどが進出しており、「第2」が加わると、工業団地として兵庫県内で2番目の規模となる。

舞鶴若狭自動車道の三田西インターチェンジまで600mほどと近く、自動車で大阪、神戸市内まで1時間かからない。国際埠頭として整備が進む舞鶴港にも1時間弱で着く。周辺にはニュータウンがあり、労働力も確保しやすいため、舞鶴港に定期航路がある中国やロシア向けの生産・物流拠点として売り込む。

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舞鶴港に集荷活動(ポートセールス)にとっては千載一遇に好機となりそうです。今後も一層の国際航路の拡充が求められます。


舞鶴港を活用した観光・物流を 韓国業者へアピール

2009-10-28 | 舞鶴市

京都新聞(10月28日付)

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舞鶴港の観光・物流をアピール 韓国の旅行業者らが訪問

韓国の旅行業者や新聞、雑誌記者ら計5人が27日、京都府舞鶴市を訪れ、観光地を巡ったり、舞鶴港について説明を受けたりした。

日韓をつなぐフェリーの利用者を増やす目的で、府や舞鶴市、観光団体でつくる「関西クルーズ振興協議会」が初めて招き、26日に大阪港に到着した。

一行は27日、五老ケ岳公園や赤れんが博物館を巡った後、舞鶴市喜多の舞鶴21ビルで舞鶴港振興会の職員から話を聞いた。

振興会職員は「日本海の中心にあり、物流や観光面で大きな可能性がある」と舞鶴港をアピール。韓国の参加者は「市内の交通アクセスがわかりにくい」と指摘したり、「活性化するには宿泊や食事の場所の整備が必要」と意見を述べたりした。一行は宮津市や京丹後市などを巡り、30日に帰国する。

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「釜山直行便」開設へ 輸出の利便性アップ 舞鶴港が航路改編

2009-10-16 | 舞鶴市
興亜海運(本社:韓国・ソウル市)によると、10月27日の舞鶴寄港便より、これまでの韓国航路が改編され、舞鶴港を最終寄港地として韓国・釜山港に向かう定期コンテナ航路が開設される。これにより舞鶴港と釜山港は、これまでの最短である1日間で結ばれることとなり、輸出面の利便性が大幅に改善される。

既存の韓国航路は釜山港を出港、舞鶴港をファーストポート(初回寄港地)とし、その後、富山伏木港、金沢港、敦賀港を経由し、釜山港に戻っており、輸出には4日間を要していた。現在、舞鶴港周辺の輸出貨物の多くが阪神港などを利用しており、利用促進のためにも運航スケジュールを改編し“釜山直行便”を誕生させる事となった。

今回の航路改編により、輸入に関しては最短1日から2日に伸びるものの、輸出に関しては所要日数が4日から1日に大幅に短縮される。利用拡大の起爆剤と期待されるとともに、同航路を活用した中国・東南アジア・北米・欧州などへのトランシップ・サービスの利用促進にも期待される。

トステム綾部工場閉鎖 舞鶴港の先行きにも影

2009-10-15 | 舞鶴市

京都新聞(10月15日付)

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舞鶴港の先行きに影 トステム綾部工場閉鎖 関連貨物、中国航路の4割

住宅設備メーカーのトステム(本社:東京都)が発表した綾部工場(綾部市)の閉鎖方針は、同社を主要顧客とする舞鶴港(舞鶴市)の先行きにも影を落している。

港関係者によると、舞鶴港の中国航路で取り扱う貨物のうち約4割がトステム関連だったと見られている。

京都府や舞鶴市などで構成する京都舞鶴港振興会の入江一郎専務理事は「良くないニュースであることは事実」と肩を落とし、「地元が工場の存続をお願いしている以上、現時点では何も言えない」と言葉少なに話した。

舞鶴市産業振興部の堤茂次長は「工場が閉鎖されたとしても、トステムには引き続き利用の継続をお願いしていく」と話す。来春の供給開始に向け建設中の舞鶴国際埠頭の利用も期待されていただけに、「今後は幅広く営業活動を続けていく」(堤次長)としている。

京都府の山田啓二知事は14日の記者会見で「トステムは舞鶴港をよく使っていただけに痛手であることは事実。地域の影響が大きくならないよう、舞鶴市などと力を合わせたい」としている。

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舞鶴港の中国航路は2007年の航路開設以降、京都府北部や若狭西部の企業誘致が促進されるなど、地域になくてはならない極めて重要な航路であり、同航路維持は至上命題といえます。

トステムは大連に大きな事業所を有しており、この輸入港としての舞鶴港の活用に期待したいですが…。ひたすらお願いしていくしかないようです。


【続報】舞鶴新ふ頭に3社進出 国内の物流拠点に

2009-09-16 | 舞鶴市

毎日新聞(9月16日付)舞鶴支局版

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舞鶴国際ふ頭 風力発電部品の供給拠点に 府公募全区画で企業決定

京都府は15日、舞鶴市の京都舞鶴港舞鶴国際ふ頭(愛称・みずなぎふ頭)の港湾関連用地で、立地を公募していた5区画(計約5ヘクタール)すべてに進出企業が決まったと発表した。風力発電で国内3位のクリーンエナジーファクトリー(本社・北海道根室市)など3社で、海外から輸入する風力発電の部品を保管し全国へ供給する拠点となる予定で、府北部の活性化が期待される。

他の2社は、ク社と事業協力している日本サルベージサービス(同・南区)と、港湾運送・海運業などの飯野港運(同・舞鶴市)。2区画をク社が2億5,764万円で購入、残りは3社が1区画ずつ年間計1,406万円で借り受ける。

ク社は国内に約100基の発電用風車を設置しており、欧州や韓国・中国から輸入する部品の保管場所とする。長期的には国内に数百基を増設する計画で、全国への部品の供給拠点とする意向だ。他の2社もクレーン業務や荷役業務でク社と連携する予定で、来年夏までの稼働開始が目標という。

この日は3社の代表者と山田啓二知事、斎藤彰・舞鶴市長が府庁内で共同記者会見。ク社の鎌田宏之社長は「舞鶴は日本の真ん中に位置し、高速道路網もあっていい立地」などと進出理由を説明。山田知事は「厳しい経済状況で心配していたが、5区画とも決まり予想以上の結果。港の活用に加え、クリーンエネルギー関連業の集積も期待できる」と歓迎。斎藤市長は「地域経済をけん引していただければ」と期待を語った。

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日本経済新聞(9月16日付)近畿経済版

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舞鶴新ふ頭、風力発電など3社進出

来春、舞鶴港(京都府舞鶴市)で運用が始まる新ふ頭「舞鶴国際ふ頭」に風力発電のクリーンエナジーファクトリー(北海道根室市、鎌田宏之社長)など3社が進出することが15日、決まった。クリーンエナジーは海外から輸入した発電用風車を一時的に保管する物流施設をふ頭内に建設。風車が故障した際の部品も備え、保守拠点としても活用する。

ほかに同社の資材のクレーン作業を担う日本サルベージサービス(京都市、大崎康弘社長)と海運・通関業の飯野港運(舞鶴市、西田一夫社長)が拠点を設ける。

現在、国内で約100基の発電用風車を運営しているクリーンエナジーは今後、事業規模を数倍に拡大する計画。大規模な風車を海外から輸入できる港湾設備に加え、「九州北部や関東地方にも陸路で5~6時間あれば部品を届けられる好立地」(鎌田社長)として、物流コスト削減や発電所の稼働率向上につなげる。

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物流企業など3社が進出 舞鶴港振興に弾み 舞鶴国際ふ頭

2009-09-15 | 舞鶴市

京都新聞(9月15日付)電子版

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舞鶴国際ふ頭に3社が進出 用地全区画が決定

京都府が来春の完成を目指して舞鶴市で整備を進める京都舞鶴港舞鶴国際ふ頭の港湾関連用地に、風力発電のクリーンエナジーファクトリー(本社:北海道)など3社が進出することが15日、決まった。公募していた全区画が埋まり、自然エネルギーを中心にした府北部の貿易、産業振興につながりそうだ。

進出するのは、クリーン社のほか、クレーン施設業の日本サルベージサービス(本社:京都市南区)、港湾運送業の飯野港運(本社:舞鶴市)。同ふ頭の用地約5ヘクタールのうち、クリーン社が約3.1ha、日本サルベージ社が約1.3ヘクタール、飯野港運が約0.6haを利用する。

クリーン社は、国内で約100基の風車を設置し、風力発電シェアは3位。風力発電設備の大規模物流拠点を整備する。風力発電市場の拡大を見据え、欧州やアジアから輸入する部品の集積地として活用する。

日本サルベージはふ頭の移動式クレーン賃貸業に取り組む。飯野港運は港湾のオペレーションセンターを設け、通関業務を担う。

京都府庁で山田啓二府知事らと記者会見したクリーン社の鎌田宏之社長は「舞鶴は日本の真ん中に位置し、物流の好立地。日本の新エネルギーの成長拠点として活用したい」と話した。

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厳しい経済状況のなか、全ての区画へ進出企業が決まり、一安心です。

また今回進出が決まったクリーンエナジーファクトリー社はヨーロッパやアジアから発電設備を輸入する事を計画しているとの事で、舞鶴港の中国航路とともに、韓国航路を利用したトランシップ・サービスの利用拡大も見込まれ、舞鶴港の振興にも大きな弾みとなりました。


カンネツ、舞鶴に新工場建設 10月10月に稼動へ

2009-09-13 | 舞鶴市

日刊工業新聞(9月2日付)

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カンネツ、舞鶴に工場新設 10年10月に稼動へ

京都府舞鶴市の平工業団地(総面積9.6ヘクタール)内に、冷却装置メーカのカンネツ(大阪市北区、荒木稔社長)の植物工場の進出が決まった。2日に舞鶴市役所内で正式契約する。

工場の敷地面積は5,000㎡で投資額は約2億円、9月中に着工して2010年10月をめどにトマトや葉野菜、果樹類の栽培設備の研究開発、プラント生産を始める計画。舞鶴市は「景気後退が言われる中、植物工場という未来型産業の進出は大変ありがたい」(産業振興・雇用対策課)とし、支援に力を入れていく。

舞鶴市は近畿北部の中心都市で、平工業団地は同市北部に位置している。同工業団地の進出企業は日本特殊産業(自動車用ガラスの面取り加工)、エナミ精機(家電向け金型製造機)に次いで3社目。カンネツの進出には、05年度に施行した「舞鶴市働く場の創出企業立地促進条例」を適用、従業員1人につき100万円と全国トップクラスの奨励金を出す。

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景況感小幅改善するも依然厳しく 舞鶴経済

2009-08-18 | 舞鶴市

毎日新聞(8月18日付)舞鶴支局版

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景況感が小幅改善 中小企業4~6月 舞鶴商議所

舞鶴商工会議所は、舞鶴市内の中小企業を対象にした今年4~6月期の景況調査結果を発表した。企業の景況感を表す業況判断指数(DI)はマイナス64.8で、統計をとり始めてから過去最悪だった前期(今年1~3月期)の同65.3から0.5ポイントながら改善した。

中小企業(8業種)146社に調査し、110社が回答した。DIは「増加」「好転」の企業割合から、「減少」「悪化」の企業割合を差し引いた値。

売上額DIはマイナス67.3で、前期より6ポイントも悪化したが、来期の見通しDIは同64.8と、今期から2.5ポイント改善した。逆に、採算(経常利益)DIはマイナス35.2で、前期(同35.5)から0.1ポイント改善し、見通しDIはマイナス58.3で今期から23.1ポイント悪化。

また材料仕入単価DIは低下し、見通しでは上昇。雇用DIは過剰が若干増加した。

経営上の問題点は「需要の停滞」が67.6%を占め、前期同様最多だった。

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小幅の回復を見せたものの、舞鶴経済は依然として厳しい状態を表していると思います。また舞鶴は官公庁が集中し、造船など比較的堅調な産業があるためまだ良いですが、北近畿全域を見回してみると、福知山・綾部は雇用が極めて不振な状態にあり、丹後地方や兵庫県北部も厳しい状況が続いているようです。