神戸新聞(5月28日付)より
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夜間小児救急、丹波地域で対応可能に 柏原病院が増員
県立柏原病院は6月1日、小児科の常勤医が1人増えて5人になるのを受け、入院が必要な夜間、土日の重症患者の受け入れ日を、現在の週3日から週6日に増やす。医師不足対策として、約2年前から丹波地域外の病院とともに輪番制を敷いてきたが、兵庫医大篠山病院と合わせて、丹波地域内で入院患者を収容できる態勢が復活する。
丹波地域では過去、夜間の子どもの重症患者は、県立柏原病院と柏原赤十字病院、兵庫医大篠山病院で受けてきた。だが、医師不足で2006年8月、地域外の病院も含めた輪番制が設けられた。現在は柏原病院が週3日、篠山病院が週1日で、残る週3日は小野市や神戸市北区の病院へかかる仕組みになっていた。
柏原病院の小児科医は2人まで減ったが、「県立柏原病院の小児科を守る会」が医師の負担を減らす運動を開始。共感した小児科医が自ら勤務を申し出るなどし、今年四月に四人に増加。6月には男性医師が新たに着任することが決まった。
小児科医は5人態勢になり、丹波市の支援で非常勤医も勤務。篠山病院とあわせ、月-金の平日午後五時から午前九時までと、土、日の週七日、丹波地域で診療時間外の重症患者を受け入れ可能になった。柏原病院の酒井國安院長は「医師が増えただけでなく、救急医療を利用する市民の意識が変わったことで実現した」と話している。だが、柏原病院には脳外科医や麻酔科医がおらず、可能な緊急手術は限られている。
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素晴らしいですね!
県北部に限らず、いたる地域で医療崩壊が続いている中、県立柏原病院の復活は大いに評価できます。そして医師確保に一番貢献したのは、紛れもなく市民の意識の変化でしょう。
現在、いわゆる「コンビニ受診」などにより医師の肉体的、精神的負担は大きくなってきており、また長時間労働により医療過誤などが起きるリスクが高まってきている現状があります。
今回の「県立柏原病院の小児科を守る会」の取組みは医師の負担を減らすだけでなく、「医師への感謝の気持ちを持つ」という医師の「やる気」を起こさせる意味でも大きいと思います。この考えが全国的に広がれば、過酷な労働環境にある医師達も少しは救われるのではないでしょうか。