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霧ヶ峰自然保護センター 自然情報ブログ

自然情報・登山情報・イベント情報・霧ヶ峰パークボランティアの活動など霧ヶ峰の今を伝えます。

最初のパークボランティア行事

2020年06月05日 | Weblog
新型コロナウィルス感染症の影響もあって、4月から中止されていた
霧ヶ峰パークボランティアの行事は、本日の「杭打ち」から始まりました。


冬の間に傷んで折れてしまった自然研究路(園地)の木杭を、新しい木杭と交換します。

今日は、日差しが強く汗を掻きながらの作業でしたが、霧ヶ峰の草原を
渡ってくる風は心地よく作業もはかどりました。

しかし、久々の作業にパークボランティアの皆さんも、センター職員も
鈍った体には、ちょっぴりきつかったですね。


2時間ちょっとの作業で、交換された木杭と張り直したロープで

気持ちよく散策できるようになりました。
参加された皆さん、お疲れ様でした。

園地でレンゲツツジの花が見られるようになるには、もう少し掛かりますが
杭の脇の地面には、たくさんのスズランの葉っぱが出てきています。

更に、よ~く探してみてください。

咲き始めていますよ。

スミレの仲間も沢山咲いてきています。


踊場湿原のレンゲツツジ

2020年06月01日 | Weblog
踊場湿原のレンゲツツジが開花しました。例年よりも少し早い開花です。


〈踊場湿原南斜面のレンゲツツジ〉

つぼみが膨らんできたと思ってからあっという間でした。
暖かい日が続けばここ5日ほどで見ごろになるでしょう。
レンゲツツジはこの後、富士見台や八島ヶ原湿原に続き、車山湿原で見られるようになります。

さて、この踊場湿原は、霧ヶ峰の中ではあまり知られていないのですが、
その分静かな散策が楽しめる場所です。歩くと一周70分ほどかかります。

〈南側斜面よりアシクラの池方面〉

大きな看板の前に車を停め、南側の遊歩道を歩きます。

〈少しわかりにくいですが、白い看板が目印です〉

今日は少し蒸すようなしっとりとした空気を感じました。
レンゲツツジが咲く梅雨前の時期は、こんな空気の日が多い気がします。

現在咲いているのは南側斜面の、頂上の辺りのいくつかの株ですが、
今にも咲きそうな蕾や、少し硬そうな蕾などいろんな形の蕾に出会えます。


ぷっくらしていて、イチゴみたいなおいしそうな色をしているものも。


イチゴと言えば、キイチゴの仲間の花も咲いていました。


1mちょっとの低木で、草原の中で白い花が目立っています。
何色のイチゴをつけるのか気になり、また来てみたくなりました。

帰り道、あまり聞き覚えの無い鳥の鳴き声が耳に入りました。
レンズを向けると、霧ヶ峰でよく見られる夏鳥のノビタキでした。

〈白樺の木にとまるノビタキ、写真左側〉

いつもの鳴き方と違ってビックリ、いったい何と言っていたのでしょうか。
野鳥にはそれぞれ、特徴的な鳴き声はいくつかありますが、
実際にはいろいろと使い分けているのでしょうね。

八島ヶ原湿原自然情報

2020年05月31日 | Weblog
新緑が色濃くなってきました。ズミ、エゾノコリンゴ、シラカバ、カラマツ…
八島ヶ原湿原で辺りを見渡すといろんな木々の緑が目に入ってきます。




そんな八島ヶ原湿原を歩いていると、ふと、ふわぁ~といい香りがしてきました。
匂ってみても同じ香りは感じられず、何かわかりませんでしたが、花の香りかなと
感じました。

花の香りかと思ったのは、辺りでいろいろな花が開花していたからです。


木道の下の地面には、キジムシロやサクラスミレなどが至る所で咲いていました。


花の内側がツヤツヤな見た目が特徴、アカギキンポウゲも開花していました。


頭上にはエゾノコリンゴの花。
薄紅色のつぼみと白い花、葉の緑、空の青が色鮮やかだなぁと見ていると、
枝の間に所狭しと幼虫が集まり、すごい勢いで頭を振って動いていました。

虫たちの姿もよく目に付くようになってきました。


ナナホシテントウは葉を伝って上から下へ、上から下へと動き回っています。


かと思えば葉の上にじっと止まっているミヤマセセリチョウもいました。

花が咲く季節は、虫たちにとっても活発に活動する時期です。
私がいい香りだと感じた花の香りは、人のためにあるわけではなく、
何か特定の虫を呼び寄せるための匂いなのでしょうね。

ミソサザイとコガラ

2020年05月21日 | Weblog
今朝の霧ヶ峰はあたり一面霧で包まれていました。

木についた水滴がキラキラと輝いていて綺麗です。


ポツ…ポツ…、と水滴が落ちる音を聞いていると
その場でじっと音を聞いていたくなります。
ですが、空気はひんやりと肌寒く、じっとしていられないほどです。
遠くではカッコウやヒバリの鳴き声も聞こえてきます。
こんな時でも鳥たちは元気に活動しているようです。

沢沿いでミソサザイを見つけました。

〈ミソサザイ、写真中央岩の上にいます〉

体が10センチほどで焦げ茶色、尾をピッと立てています。そして瞬間移動!?と思うくらい
俊敏に動き回るので、すぐに姿を見失ってしまいます。
そんなミソサザイをよくよくみると葉っぱをくわえています。




ミソサザイは葉っぱや枝、苔などを使って巣を作ります。
沢沿いを見渡すと、岩のくぼみなどがいくつかあるので、そのくぼみを
利用して巣を作っているのかもしれません。
これから迎え入れるヒナのため、せっせと巣作りに励んでいるのでしょう。

木の上ではコガラが2羽いました。おたがいにくちばしを
くっつけあっていて「?」と思ったら、虫を与えていました。




幼鳥にエサをやっているところだったようです。
幼鳥は親が来るのを待っているだけでなく、自分でも木々を移動しながら
虫を探してつついていました。


親鳥たちは巣作りや子育てに忙しい時期ですね。
立ち止まって、鳥たちの様子を眺めていると面白い行動が見られるかもしれません。

最後に、霧ヶ峰自然保護センターでは、先月からフェイスブックを
始めました。フェイスブックを開き、「霧ヶ峰自然保護センター」で検索してみてくださいね。

春の花が咲きだしています

2020年05月17日 | Weblog
里では新緑が鮮やかな季節になりましたが、霧ヶ峰ではようやく木々が芽吹いてきました。
カラマツの芽吹きは青々と色鮮やかです。


〈カラマツの芽吹き〉

樹叢(じゅそう)の中では、小さな花々が咲いていました。
ヒメイチゲは花の直径が1センチほどの小さな花です。
見つけると、「わぁ!」と声をあげたくなるほどの可愛らしい花ですね。

〈ヒメイチゲ〉

コミヤマカタバミも咲いていました。
花の大きさは直径2センチほどです。

〈コミヤマカタバミ〉

他にも白い花を見つけました。低木のアラゲヒョウタンボクは
花の丈が2~3センチほどの大きさです。

〈アラゲヒョウタンボク〉

写真を撮影した樹叢は、センターからゴマ石山を通り、沢渡(さわたり)へ向かう途中にあります。
林と苔むした地面が広がっていて、鳥や小動物のすみかにもなっています。

〈センターから沢渡間の樹叢〉

この日はカラ類やアカハラなどの鳥が、たえずさえずっていました。
静かな場所ですが、鳥たちの鳴き声はにぎやかです。

この場所を歩く際は、道を間違えやすいのでロープを見失わないよう注意してください。


さて、沢渡では、フデリンドウが咲いていました。

〈フデリンドウ〉

薄青色が可憐な花です。
花の丈は2センチほどで、閉じてしまうとどこにあるかわからないくらいの大きさです。
つぼみがフデの穂先を思わせることが、名前の由来といわれています。


春の花は小さいので、踏みつけないよう気を付けつつ、
どこに咲いているか探しながら歩いてみてくださいね。

車山肩電気柵設置

2020年05月11日 | Weblog
今日は車山肩の電気柵設置作業があり、センター職員も
作業に参加してきました。

電気柵は、ニッコウキスゲをはじめとした植物を二ホンジカ
による食害から守るため、10年ほど前から毎年設置しています。

作業には、牧野組合の方、行政関係者など40人程が参加しました。


シカが侵入しないよう、地面に打ち込んだ黄色のポールに
ワイヤーを4段張ります。
下は40センチほどで、上は飛び越えて入らないよう160cmほど
の高さにしてあります。

今日は富士山や御嶽山などが見渡せ、清々しい風が吹き抜けていました。


電気柵には電気が流れていますが、電圧は8000ボルトほどです。


シカや人が触ってもケガをするほどではありませんが、触ると
危ないので触れないよう気を付けてください。


ただし小鳥にとっては例外のようです。
ノビタキはワイヤーや杭の上にとまってにぎやかに囀っていました。


また今年は、車山肩駐車場から少し下ったビーナスライン沿いにも新たに電気柵を設置しました。


ニッコウキスゲなどの花が咲くようになるには、少し時間がかかるでしょうが、
花々が見られるのを楽しみにしたいですね。




展示物を作っています

2020年05月05日 | Weblog
センターは臨時休館中ですが、この日差しを有効活用して、
剥製と畳の日干しをしました。

〈テラスで剥製を日干し〉

日に当たると毛がふわふわになって、動物たちも喜んでいるかな?
二ホンジカ、キツネ、タヌキ、イタチ、トビ、キジなど
センターでたくさん剥製を展示しています。
剥製は怖い、という印象を持つこともあるかもしれませんが
センターにある展示は表情が豊かで評判がいいです。

〈イタチの剥製〉

鳥の剥製も多数あるのですが、小型の鳥の剥製を所蔵しておらず、
霧ヶ峰でよく見られる野鳥たちのサイズ感を知ってもらおうと、
本を参考に、羊毛フェルトで鳥を作りました。

〈ノビタキ、ホオアカ、コヨシキリ、コゲラなど実物大で再現〉


〈モズ。木の上にとまっていることが多い〉


〈コゲラ。木の周りをコツコツたたきながらエサになる虫を探す〉

本物の風合い、というわけにはなかなかいきませんが、イメージを掴んでもらえると嬉しいです。

さらに、ノビタキが生息する草原を再現しようと、
ススキを園芸用のスポンジにさして、ススキ野原を表現。





〈ノビタキオス・左上とメス右下〉

センターが再度開館する頃には完成させたいです。

最後に、先日制作した霧ヶ峰のぬりえです。


〈画像をダウンロードして使用してください〉

おうちで霧ヶ峰の広々とした風景を想像しながら塗ってみてくださいね。
センターには他にもぬりえがたくさんあり、子どもたちに大好評です。
開館したら是非もらいに来てください。

八島湿原自然情報

2020年04月29日 | Weblog
昨日、八島湿原を囲んでいる、
シカの侵入を防ぐための柵の点検を行いました。


〈各場所に設置されている人が出入りするためのゲート〉

この柵は、日本最古とも言われる高層湿原である八島ヶ原湿原を
シカの踏み荒らしから守るため、今から10年ほど前に
行政関係者やボランティアによって設置されたものです。


〈八島湿原外周約4キロにわたり設置されている防鹿柵〉

点検は毎月ボランティアの方と行っているのですが、
新型コロナウィルス感染拡大を防ぐため、ボランティア
活動を休止しているので、この日は職員のみで行いました。

点検後木道を歩いていると、何か落ちています。
よく見ると、ヒミズです。


ヒミズはネズミほどの大きさで、姿はモグラに似ています。


モグラほど地中奥深くまで潜って進みはしないようですが、
鋭利な爪を持っています。写真に載っていないのですが、
尾はふわっと毛が広がっています。

春先になるとなぜか木道で見かけることが多いのですが、
どうしたものか鳥やキツネなどに食べられることなく
そのままになっていることが多いです。
美味しくないのでしょうか…。

この日は「いろいろ」な鳥を見かけました。
アオジ、は名前に青と入っていますが、実際には
黄色が目立ちます。


〈アオジ・オス〉

そのあとすぐに、青い鳥が羽ばたくのを発見。
ルリビタキです。


〈ルリビタキ・オス〉

青い鳥というとこの鳥を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
似た色のコルリやオオルリと違い、おなかの辺りに黄色が入っているのが特徴です。
林にいることが多いので、八島ヶ原湿原の木道で見かけることは
あまりないのですが、ラッキーでした。

美しいブルーは見ただけで嬉しく、幸せが訪れる、
と言われる理由が分かる気がしますね。

雪の中のノビタキ

2020年04月19日 | Weblog
昨日は里は雨でしたが、霧ヶ峰では朝のうちみぞれが降っていました。
気温は氷点下を下回らないくらいでしたが、次第に雪に変わってきました。


人気もなくひっそりとした霧ヶ峰でいきものたちはどうしているかというと…。


職員A
「あ!木の下を見てみて!」


職員B
「なんですか?あ!ノビタキ!!雨宿りならぬ雪宿りですね。」


職員A
「この時期は雪が降ってもあまり積もらないし、こんな状況でノビタキを
 見るのははじめてだよ。センターの前の木の下は、雪が積もってない部分
 があるから逃げてきたのかな」


職員B
「羽が濡れてくしゃくしゃになってかわいそう。寒そうですね。」


職員A
「この時期は草原で営巣しているペアもいるかもしれないし、卵が心配だね…。」


ノビタキは草原を好むので林のあたりではほとんど見かけませんが、
湿った重たい雪ともなると林に逃げ込むこともあるようです。
ノビタキはオスとメスが来ていて(写真はすべてオス)、
ほかにアカゲラも同じタイミングで現れました。


枯れた木の中の虫を食べているようで、コツコツと木を叩いています。



人気がなくひっそりとしたこの日、思わぬ出会いに驚きました。
突然の雪に鳥達も驚いたかもしれません。
自然の中で生き抜くのは大変なことですね。

翌日は晴れて、ウグイスやヒバリのさえずりがにぎやかです。
ペアで飛んでいる鳥達をよく見かけるようになりましたが、
これから子育ての時期になりますね。



積雪20センチ!

2020年04月14日 | Weblog
雪が降った昨日の天気から一転、朝から晴れて
青と白のコントラストが広がりました。



霧ヶ峰へ向かう道の途中、木々が真っ白になっていました。
道路は凍結箇所もあり、冬に逆戻りのようでした。




センター前の園地を歩くと、ひざ下まで積雪がある場所も。
全体的にみると20センチほどの積雪です。


レンゲツツジの木も綿帽子を被り、日に照らされて
キラキラ輝いていました。


雪が積もってもこの時期は日差しは強く、木々の上の雪は
早々と溶けています。


地面には風紋(シュカブラ)ができていました。
雪と風で作られるオブジェですね。


遊歩道にも広がっていました。
昨日は風も強かったので、このようになったのでしょうね。


春の日差しで雪が解け、つかの間の雪景色になることでしょう。

今日は夏鳥の姿は確認できませんでしたが、
この時期になると夏鳥が姿を現し、さえずりがどこからともなく聞こえてきます。
先日はノビタキ、ホオアカ、ヒバリに出会いました。


〈ノビタキ・オス〉


〈ノビタキ・メス 4月8日に撮影)

春から秋にかけて、霧ヶ峰では頻繁に見かける野鳥ですが、
久しぶりの再会に嬉しくなります。

さて、霧ヶ峰でいち早く咲く植物の一つがザゼンソウです。
先日車山湿原を散策した時に、遊歩道脇でザゼンソウを発見!


草の間にさりげなく姿を見せていたのが印象的でした。

季節は次第に春の姿に変わっていきますね。