霧ヶ峰自然保護センター 自然情報ブログ

自然情報・登山情報・イベント情報・霧ヶ峰パークボランティアの活動など霧ヶ峰の今を伝えます。

猪独活

2006年10月31日 | Weblog
シシウドは皆さんご存知ですか?

霧ヶ峰においては、7~9月傘のように白い花を咲かせ、
とっても良い香りを漂わせます。
その香りに誘われ、虫たちが多く集まっる姿をよく見かけました。

実はこのシシウドには、薬効があり、昔から使用されてきたようです。

シシウドの名前の由来は、全体がウドに似ていて、ウドより大きく
猪(しし)が食べる大きさということで名づけられたといいます。
その他にも、実がとっても苦いので猪も食べないようなウド等、
由来は、多くあるようです。

学名はアンゲリカといい、ギリシャ語のアンゲリコスやラテン語の
アンゲルスであって、天使のことを表します。
それは、シシウド属の植物には非常に薬効が著しいものが多くあるので、
その効き目を天使の力にたとえたものだと言われています。

ヨーロッパ産のアンゲリカとは、信仰と深い結びつきがあり、
このアンゲリカについては、ひとりの天使が伝染病のペストに効くと
予見したことから始まったとされています。
それは、悪魔や魔女たちの魔法や呪文(じゅもん)を封じることができる特別な、
魔よけ植物としてや、または、伝染病に冒(おか)されることを防ぐことができる
植物として考えられ、伝えられてきたようです。
また、実際にヨーロッパでは、古くからほとんどの慢性病や災難などの治療薬
として用いられていたそうです。

シシウド【猪独活】
セリ科の大形多年草。山地の草原に自生。茎の高さ約2メートル、葉はウドに似る。
夏、淡緑白色の小花を多数散形花序につける。果実は成熟すれば暗紫色を帯びる。
根は乾して風邪・浮腫の薬に用いる。


写真は、あえてありません。

2006年10月30日 | Weblog
 写真が無いには分けがあります。
今日のテーマは「ロードキル」です。

「ロードキル」聞きなれない言葉かもしれません。

動物(昆虫までも含める場合もある)が道路上で車に轢かれる現象をいいます。
昨日(10月29日)にも、ロードキルによってアナグマ 雌が轢かれていました。

霧ヶ峰は暗くなると、そこは動物の世界です。今の時期は、シカをはじめ多くの
動物が冬の到来を前に活発に活動しています。

スペードが出しやすい霧ヶ峰の道。しかし、そこに生息している動物、そして
自分の為にも、適性な速度でも走行をお願いします。

冬の支度

2006年10月29日 | Weblog
私たちが冬の到来を気温的なものや気候的まものから
よく感じますが、霧ヶ峰の動植物の活動からも
それを感じることができます。

霧ヶ峰の6月を彩るレンゲツツジのつぼみが、
ゆっくり生えてきました。このつぼみの中で来春を
まだかまだかと待ちます。
霧ヶ峰の厳しい冬をあけると、このつぼみから芽が出てきます。

このような冬支度をはじめる姿を見ると「がんばれよ」
なんて応援をしたくなります。

みなさんの周りにも、そんな冬支度を感じることができる
ものがあるかもしれません。ぜひ、探してみてください。



霧ヶ峰の歌人たち

2006年10月28日 | Weblog
ここ霧ヶ峰には、毎年多くの観光客が訪れます。
霧ヶ峰に魅了され、訪れる人々はあとをたちません。

その中には、文化人と言われる詩人や作家なども多く
訪れ、霧ヶ峰の自然の中で、作品を作っています。

今日はふっと一枚の写真をとりました。
人はこの写真に写った山と青空を見てどんなことを
思うのでしょうか?人の価値観やその時の
心境で見え方が変化すると思います。

霧ヶ峰のなだらかな丘と深く鮮明な青空は、
人の心の中で、どんな映像となって映るのでしょうか?

人々を魅了させる霧ヶ峰のヒントがここに隠されているのではないかと
思います。

前回のドングリについた植物の答えは・・・
「虫こぶ」でした。
虫こぶは,タマバチなど虫こぶ形成者から出される刺激に,
植物が組織分化の途中で反応して,細胞が異常に増殖や
肥大したりすることなどによって作られます。

ミズナラに虫こぶをつくるタマバチとしては,ナラメイガタマバチ
などが知られ、ナラメイガタマバチの成虫は,ミズナラなど
の冬芽に産卵し,幼虫は虫こぶの中で育ちます。

いったいこれは?

2006年10月27日 | Weblog
先日、霧ヶ峰自然保護センターの近くにある
ミズナラのドングリ林にこんなもの(画像)が落ちていました。

ドングリの帽子の部分からフキノトウのような植物が生えています。
いったいこれは、何でしょうか?
*ヒントは、「虫」です。

よ~く考えて見て下さい。
答えは明日のブログに掲載したいと思います。

今日の霧ヶ峰は、曇のち晴れでした。
気温も約7℃と一段と寒くなってまいりました。
済んだ空気の中でゆっくり、歩くには
うってつけの時期です。

霧ヶ峰のいわし

2006年10月26日 | Weblog
霧ヶ峰を象徴する物といえば、「草原」「湿原」「霧」「貴重な植物」
など、多くを上げることができます。
その中で、ふっと上を見上げたときに見える「雲」について
お話しをしたいと思います。

晴れた日に霧ヶ峰の高原を散策していると、高原と青空が、
くっついてみえたり、とっても空が近く感じます。

雲の形が何に見えるか想像しながら、散策することも
楽しいです。
秋の雲を象徴するのが、「いわし雲」です。
本命は「巻積雲」と言い、上層雲に分類されています。
この巻積雲は地上から約5000m~13000mの間に出来ます。

巻積雲は上記にあげたように「いわし雲」や「うろこ雲」
なんて呼ばれています。

秋を代表する雲たちに、夕日があたり赤くなると
こんがり焼けた焼き魚を思い出します。
みなさんもぜひ、歩きながら雲の形を想像してみて下さい。


霧ヶ峰の紅葉⑥

2006年10月24日 | Weblog
昨日の強風により、自然保護センター近くにある木々たちの葉が
ほとんど散ってしまいました。

木々たちの枝が、ものさびしげに揺れています。
風も冷たく今日の平均気温は約8℃と低く、冬の足踏みが
今にも聞こえてきそうです。

そんな中、画面の左側にある道を挟んだ杉林から
カケスがどんぐりを運ぶために行ったり来たり
忙しそうに冬支度をはじめています。

カケスたちには一歩早い師走(12月)が訪れているようです。

今日の一句
カケスたち ドングリはこぶ ふゆじたく

霧の世界

2006年10月23日 | Weblog
今日の霧ヶ峰は、午後から霧が多く発生しました。

霧ヶ峰では、霧が多い年で298日も観測されたそうです。
本当に霧が多いのです。

みなさんは、「霧」と聞いてどんなイメージをしますか?
水、冷、森、白など、多くのことを連想すると思います。

連想した言葉の中に「水」と連想した方も多いはず。
植物にとってこの「霧」(水)がとっても大切な要素に
なります。霧ヶ峰の植生が豊かなのは
この「霧」が一役かっているようです。

霧が広がる神秘的な世界を、歩くのも良いものです。



霧ヶ峰の雑木処理

2006年10月21日 | Weblog
踊場湿原周辺で、雑木処理が行われました。

現在、霧ヶ峰にて、高原が森林化する現象が起こっています。

昔、霧ヶ峰は、森林を切り開き、馬や牛に与える草や
畑の肥料にする草を採る採草地として、利用されていました。

そして、戦後になると、草の需要が減り、この地域では
採草地として利用されなり、木々が増え始め、森林化が進みました。

人間の手によってできた高原には、霧ヶ峰の特殊な環境も手伝い、
独自の生態系が生まれています。
この高原や湿原が無くては、生きていくことができない動植物も
多く存在します。

雑木処理は、霧ヶ峰の高原景観を守るだけでなく
小さな植物達の育つ環境を整え、生態系を守ることにも
つながります。

霧ヶ峰の自然と人間がどのように付き合っていけばよいか、
考える一つの活動でした。


秋の風に吹かれて。

2006年10月19日 | Weblog
霧ヶ峰の草原や林の中を、散策していると
多くのものに出逢います。

きれいなものや、丸いもの、鳥やきのこ、
鳥のさえずり、ススキが風に揺れる景観など
霧ヶ峰では、多種多様なものが顔をのぞかしています。

その中で今日は、多くの匂いと出逢うことができました。
夕日が沈む草原の香り、お花の匂い、キツネのオシッコの匂い、
ミズナラの林の匂い、シカの匂い、土の香り、この香りは
風にのってどこへ行くのでしょうか。

みなさんも一度、散策時にどんな匂いがしたか、数えてみては
いかがでしょうか?