きらくなたてものや

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葛布に覆われた座敷

2010年06月24日 | 八王子や邸
八王子や邸の座敷。

壁二面のほとんどが
先ほど紹介した葛布
覆われているので、
葛布の間、といった
感じです。

この間の葛布は、
やや目の細かい、
生成りの色のものです。

あたたかくて柔らかい
色合いの中塗土の壁と
いい相性です。

なお天袋の襖は、
少しチリの入った
土佐和紙です。








三種の葛布

2010年06月24日 | 八王子や邸
八王子や邸の襖は、
建主さんがお持ちだった
三種の手漉きの葛布を
貼っています。

前も申し上げたとおり、
葛布は今、機械で漉いていて、
手漉きの葛布はもう
ほとんど手に入らないとのこと。

機械漉きの葛布も
悪くはないのですが、

手漉きのものと比べると、
やはり味わいの深さは
手漉きのものには
かないません。

葛はその辺の里山に
たくさん生えていますが、
漉いてくださる人が
いなくなってしまったという
ことですね。

こんなに味わい深く、
またたいへん長持ちだというのに、
実にもったいないことです。

こうした手工芸品が
生き残れる世の中で
あってほしいと思います。






天秤梁に掛かる灯

2010年06月24日 | 八王子や邸
八王子や邸
寝室の照明器具は、

碍子を介して
天秤梁の先端に
電気を配線し、

そこから
吊り下がっています。

天秤梁に
穴を開けるのが
忍びなかったということも
ありますが、

敢えて配線を
見せることにより、

梁に掛かる感じが
強調され、

器具の付け根の
何かと残念に
見えがちな存在感が
打ち消されるので、

かえって灯りが
引き立つように思います。