きらくなたてものや

楽しむ、楽しい、いえづくり、まちづくり

人を良くするのは

2006年10月30日 | 今日のできごと
昨日の夜、山梨の帰り道から身体がミソギを欲する予感がしていたのですが、案の定、朝起きることができず。
ということで、今日は身体と相談しつつ、一日家で作業することにしました。

穀物と野菜を中心とした規則正しい三度の食事と十分な睡眠。
元気を取り戻すにはこれが一番ですね。
おかげさまで、今は元気です。

ところで昨日、日々畑で肉体労働をしているM田くんが、面白いことを言っておりました。
「肉好きですけど、肉たくさん食った次の日は力出ないですね。野菜ばっか食ってるときのほうが力出ます」

やはり食生活は、私たちの体調や生き様を左右します。

そういえば最近、食生活がいささか乱れておりました。

※写真は、昨日のみずがきランドの夕暮れ。

木箱作りを楽しんだ

2006年10月29日 | NPO・趣味・課外活動
「森林元気化計画」の一環で、みずがきランドにて木箱作りのワークショップを行いました。
今回のワークショップは、この前の山仕事塾で出た廃材、あるいは私が関わっている建築現場の廃材をたくさんかき集め、それらを使って参加者が自由に「木箱」を作ろう、という企画です。

急に実施することになったので少人数での興行でしたが、皆で力を合わせてというよりは、自分の世界に入って作業する内容だったし、また道具をゆとりを持って使うことができたので、かえってよかったのではないかと思います。

私も木箱作りに参加しましたが、これははまりますね。
あっという間に時間が過ぎていきました。
2~3時間あればできるというのもなかなかよいです。
これが一日がかり、あるいは数日がかりの大作になると躊躇してしまいそうですが、2~3時間ならば休みの日に手を出すことができます。

また、単純な木箱作りの中に、ノコギリ、ゲンノウ、ノミ、カンナと、大工道具の使い方の基本が凝縮されていて、それらの道具を使いこなす訓練になります。

さらには自分で作ったものを自分で使えるのだから、なお熱が入りますね。

ということでこの企画、なかなか楽しいので今後もしかけていきたいと思います。


午前中、地元の方のご指導のもと、大工道具の使い方の基本を学びました。
こうして実際に道具を動かしてみると、職人の凄さを肌で感じることができます。
とくにカンナはそうですね。

写真の左側には、廃材の山が。

秋陽の光

2006年10月28日 | 今日のできごと
我が家の子ども室に、秋の陽の光が柔らかくこぼれて来ます。
私の仕事場を振り向くと、ちょうど目に飛び込んでくる光景。

―伝統的な構法を柔らかく表現―

これが我が家を設計するときに考えていたことの一つ。
とくに子ども部屋の柔らかい雰囲気が気に入っています。

この家も、今月末で住み始めてからおよそ6年が経とうとしてます。
早いような、もうずうっと住んでいる気がするような。

貫伏

2006年10月27日 | 横浜な邸
月曜日と金曜日はN邸の現場へ。

現在、2階の床が7割がた貼られ、1階の床も下地がぼちぼちと始まっている状況で、概ね空間の様子が分かるようになってきています。

これからは仕上のための下地作業が本格化。

現在、外の壁は左官屋さんの手でラス網が張られ、
中の壁は同じく左官屋さんの手で貫伏・むら直しが行われています。

貫伏せ・むら直しに使われる土を触ってみると、荒壁土に砂とワラがたくさん混じっているので、かなりザラッとした触感です。

終炎

2006年10月26日 | えこびれっじ
足かけ約7ヵ月続いたエコヴィレッジの焼杉作業も、本日をもっておしまいとなりました。
「おしまいの日」が3日続きましたが、今日で本当におしまいとなりそうです。
あまりに長かった期間のためか、未だ実感がわきません。


ところで今日はスギで「焼き柱」を作ってみました。
これがとてもいい!のです。

今度柿渋塗りの変わりに、どこかの設計で使おうかな。



【終炎(しゅうえん)】
→辞書には載っていませんでした。

空見

2006年10月25日 | えこびれっじ
ここのところ連日集合住宅の現場へ。

現場に居ると、夕暮れを迎えるのが早いですね。
それとともに、秋が深まるのを感じます。

夕暮れ時は、屋上広場予定地へ。
ここから眺める夕暮れの空、好きだなあ。
今日は弦月が薄らと浮かんでいます。
この空を眺めながら、暫し休息。

夕暮れ時だけではありません。
春夏秋冬。朝昼夜。
ここは様々な季節、時間の空を楽しむことができます。
「空見台」ですね。

屋上広場を作って、正解。



【空見(そらみ)】
→ぼんやりと心を留めないで見ること
出典:大辞林 第二版

音だけ聞いていると、歌い出しそう。

玄玄

2006年10月24日 | えこびれっじ
雨の中、迷路のような現場を巡回。
最上階に上がると、なんと焼杉板が露になっていました。

雨に濡れながら、焼杉板を目の前に、しばらく立ち尽くす私。
今までは足場が視界を遮っていたので、こうして焼杉板が貼られた壁全体を遠目に見るのは初めてです。

柔らかく玄奥な黒壁。

みんなで作った板だから、余計に美しく感じます。


【玄玄(げんげん)】
→きわめて奥深いこと。深くはかり知れないさま。
出典:大辞林 第二版

※ここで意味するところは、某ムスコのアダナではありません。

巾二寸三分でも職人魂

2006年10月23日 | 横浜な邸
N邸の外壁の足元の水切り。
ガルバニウム鋼板で作っております。

外壁が長いので、どこかで重ねて継ぐ必要があります。

重ねるということは、どちらかが上でどちらかが下になるわけですが、例えば左を上に重ねた場合、左側からみるとその継ぎ手はほとんど気になりません。
一方、同じ部分を右側から見ると、薄い金属の板ではありますがその小口が見えるため、
「あ、継いでいるな」ということが分かります。

そこで板金屋の鈴木さん。
よく見るであろう方向から見たとき継ぎ手が気にならないように重ねる向きを決めていただいています。
鈴木さんから提案があったとき、「なるほどな」と思いました。

こうした職人さんの気遣いと心がけ、とてもうれしいですね。
巾二寸三分の話ではありますが、こうした積み重ねが、よい家へとつながるのです。

瓦紀行その弐~06木の建築塾(第二回)~

2006年10月21日 | 今日のできごと
小林保さんの家を後にした木の建築塾の一行は、藤岡にある共和建材の五十嵐さんのところに行きました。
五十嵐さんは、この場でもたびたび紹介させていただいていますが、昔ながらの「達磨窯」で一人燻し瓦を焼いている方です。
世間の大半の瓦が、釉薬を塗られガス窯の中で、同じ商品、どれも均一に生産される中で、この「達磨窯」で瓦を焼いている方は、日本全国見渡しても、ここを含めてもう2ヵ所しかありません。

私はその希少性だけではなく、自然にできる瓦の色むらと風合い、驚くほどの調湿効果とそれがもたらす耐久性、そして五十嵐さんの人柄に惹かれて、この瓦を使い続けさせていただいております。
「木の建築塾」を通じて、またここに来ることができてうれしい!

さて五十嵐さんの案内で、粘土に始まり瓦ができるまでの過程を一通り説明していただきました。


一枚一枚、手でこしらえる瓦の生板。
天日乾燥するときの土の収縮を読んで、瓦の生板を手でたたいて少し反らせます。
瓦をたたく手は、神のみぞ知る世界です。
家一軒で最低でも千枚以上は瓦を使いますが、これを一枚一枚やるのだから、驚きです。



後ろが瓦の生板。
手前が、天日乾燥させた板。
だいぶ収縮しますね。
また、生板の反りが天日乾燥によってほぼ真っ直ぐになっている様子がうかがえます。





これが達磨窯。
正面から見ると、達磨が座禅を組んでいるように見えるから、その名がついています。
これ自体、形の美しい芸術品ですね。
これに天日乾燥させた瓦を約千枚入れ、窯の両脇から薪をくべて、約千度の温度で瓦を焼きます。
1回につき薪を4t車に載る約半分の量使います。
その量を、何日間もかけて朝早くから熱い熱い窯の近くで一人でくべるのだから、本当に頭が下がります。



窯の中の様子。
天日乾燥した瓦を、窯の中に5段重ねて置きます。
その数約千。
窯の中の位置によって、微妙な色むらができるのです。

・・・・・

ここに来るたびに感嘆。
そして本日、五十嵐さんから思いがけない贈り物。

できることならばこの瓦でまちを覆いつくしたいと思うほど、提案し続け、使い続けていきたい瓦です。

望ム!後継者!