花追い放浪記

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チャボアワモリショウマ

2024-06-20 | 花散策

チャボアワモリショウマ(Astilbe japonica f. pygmaea)は、2011年に発表された、アワモリショウマの新品種で、園芸用として流通しているアワモリショウマの矮小品で、その草丈は20cm未満とされる

 

各所に収蔵されているアワモリショウマの標本の計測の結果、その草丈は、9~85cmであり、その中の矮小品のみを区別する事はできないと考えられる

しかし、チャボアワモリショウマは、草丈だけではなく小葉、花、特に花弁も小さいなど、他のアワモリショウマの個体とは大きさが異なる

また、栽培を続けても小形である性質は変わらないことから、遺伝的には固定しているものと考えることができよう(Akiyama 2011)

 

 

先日、アワモリショウマの矮小個体が多く自生する沢を発見したので、その後の状況を確認してみた

論文によると

収蔵されている標本 151点を検討したところ、アワモリショウマの開花時から果実時の草丈は 34.1 ± 16.1 cm(最小 9 cm,最大 85 cm)であった(Akiyama 2011)

との事であるが、この自生地では、草丈10cm未満の個体が多くみられる

(比較のレンズキャップは直径55mm)

 

最小のものは、下図のごとく草丈3~4cm程度(花茎を除くと2cm程)

 

今回、計測器を忘れてしまい、正確な大きさを測定する事が出来なかったが、葉や花弁もあきらかに小さい

現在、花期はほぼ終了し、果実期になろうとしているが、この時期においても、矮小な個体が多く見れらる事から、これらはチャボアワモリショウマの可能性があると考えている

来年は、より詳細な形態分析を行いたいと考えている

また、可能であれば採取し、栽培を継続した場合の大きさの変化も確認してみたいと思っている

 

同沢には、大型の個体も多く自生しており、環境に適応した一部個体が矮小化したと考えられるが、その性質が固定されているのかは、現時点では判断できない

矮小個体を、大型の個体が自生する環境に移植して、その後大型化するのかを観察するのも一つの方法だろう

専門家の方にもご意見をうかがってみようと思います

 

その他撮影した植物

 

センボンギク

タニガワコンギクはセンボンギクに含められ、ホソバコンギクはノコンギクに含められた

 

コマツナギ

なんかしらんが、岩上を這いまわっていた

 

オオバギボウシ

 

クモランの花はもうそろそろか?

 

ミゾホオズキ

 

マタタビ

 

ハナイカダ

終わり('ω')ノ