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きのこ関係です。ときどき植物。

マスタケ (広葉樹タイプ)

2006-06-29 | きのこ 白バック
このマスタケ、裏は黄色いです。
断面の上部をよく見てください。
少し汚れた色をしているのは、厚膜胞子をつくっているからです。
厚膜胞子と聞いて、ぴんときた方もいらっしゃいるのではないでしょうか。
そうです。ヒラフスベです。
太田さんによると、ヒラフスベが完全に子実層をつくった状態とのことです。

原色日本新菌類図鑑 P142 ヒラフスベ
 本種は初め腹菌類ホコリタケ科の菌と考えられ Calvatia versispora Lloyd と命名されたが、子実体の内部に形成される胞子は無性的に形成された厚膜の分性胞子で、腹菌類の担子胞子とは本質的に異なる。このような胞子はアイカワタケでもときとして形成されるだけでなく、子実体を構成する菌糸はアイカワタケ属の特徴をそなえ、しかも。ヒラフスベでも上記のように不完全ながら管孔を形成し、これが近縁であることを裏付けする。このことはヒラフスベが特異な菌であることを意味するだけでなく、このような傾向を示す菌が所属するアイカワタケ属の特異性を示すものである。Corner (1984) はアイカワタケ属 Laetiporus が広義のサルノコシカケ科 Polyporaceae s. lat. の中で、アイカワタケ科 Laetiporaceae なる一科を設けてもよいほどの菌であると記しているが、一理ある。
 ヨーロッパにもアイカワタケの変型で厚膜胞子をつくるものがあり、Ceriomyces aurantiacus (Pat.) Sacc. の学名を用いる人があるというが、比較的珍しい菌であり、単なる異常型とされているようである。日本のヒラフスベと比較検討する必要がある。


興味深いコメントです。
ヒラフスベが、Calvatia つまり、ノウタケ属として記載されたとは知りませんでした。
今関さんのみた、分性胞子の形成されたアイカワタケとは、ヒラフスベタイプだったのでしょうか。それとも別のもの?




2005年10月30日 新潟県

マスタケ (針葉樹タイプ)