きつけ塾 いちき

「きもの」の袖に手を通す時に、「ときめき」を感じる日本の女性たち。
この「胸の高まり」は、いったい何なのでしょうか。

技を盗む職人たち…再び掲載!

2019-05-24 22:51:57 | 舞踊の着付け

ある名工がこんなことを。
名人といわれる職人さんが言っていた言葉が、印象に残りました。 「その道で上手くなるにはどんなことが必要か」、そんな設問だったと思います。 その職人さんは言います。 「この仕事が楽しくて大好きですね。お休みの日なんかいりません。毎日やり続けることですね。それと…わずかな違いもわかるほどの目を養うことですかね。」

同じものを見ているのに…
私も職人さんの仕事を見るのが好きです。 どの仕事でも名人はいます。 そんな職人さんの手先を見ていると、ほれぼれするほど無駄のない動きをします。
たとえば大工さんの、仕上げのカンナがけなどは、向こうが透けるほどのカンナ屑がでて、ヒノキの表面が鏡のようになります。 石工の職人さんが、岩のような石材に数本の鉄杭を打ち込むと、見事にまっすぐ割れていきます。 木材も石材も「目」があるそうで、その道のプロだけがわかるものでしょう。 同じものを見ているのに、プロの職人にはわかるのです。



ある程度は教えるが…
しかし、どの名人も初めがあってここまできました。 技術を上げるには、どの職種でも、現場で学んでいくことを通してのみ、得られます。 自分が十年かけて得られるものを、十年、二十年のベテランから学ぶのです。
歌舞伎座の着付けの名人いわく、「ある程度は教えても、肝心のところは教えない」。 だから、名人が隠している技を盗むしかないのです。 どうして盗むのかって…。 盗みたいものがあれば、見えてくるのですよ。 技を盗むためには、本当に欲しいものがあると、盗める力が備わってくるという事でしょうか。
「わかりました。これは○○○ということですよね?」といっても、盗まれた先輩は返事もしてくれませんよきっと。

技術を盗ませていただいた先輩に感謝しています。
私も舞踊の舞台裏で、ある衣裳方の着付けの名人に着付けを見せてもらいました。 普通はありえないことです。 一日中、立ったままでメモも取らず、目で技術を盗む。 言葉でなど絶対教えてくれません。「盗んでみな…」です。 もちろん質問などは出来ず、目の前で展開される着付けの表わざ・裏ワザを学びました。 いまはこの名人もリタイヤされて、お会いすることもなくなりました。

松竹衣裳の岸田先生からも多くのことを…
松竹衣裳の岸田先生から教えてもらったことも大きな出会いでした。
亡くなられる一週間前まで、お電話でご指導頂いていました。 若いときに、名女優・山田五十鈴のお付の衣裳方でしたが、山田先生のあとを追うように亡くなられました。
歌舞伎衣裳着付けの図書館がまたひとつなくなりました。
もっと早く多くのことを学んでいればと思うと残念でなりません。
技術はやっぱり盗むものだと思います。与えられたものはあまり力にならない気がします。
欲しい技術は、盗みたいほどの情熱があってこそ身に付くのではないでしょうか。

          

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嬉野伝統芸能保存会の発会式/5月25日(土)

2019-05-24 21:29:53 | 舞踊の着付け

嬉野温泉の芸者衆が、11演目の舞踊で発会式をお祝い
嬉野市の、長い歴史の中で培われてきた「伝統的な芸能文化」。
この文化を発展的に継承するために、このたび、「嬉野伝統芸能保存会」を発足させることになりました。
その発会式が下記の通り行なわれます。

とき  ◆ 2019年5月25日(土) 12時~
ところ ◆ 和多屋別荘 (843-0301佐賀県嬉野市嬉野町下宿乙738   0954-42-0210)
入場料金◆  5,000円(お食事付)

「きつけ塾いちき」は、芸者衆の着付けを承っています。
この芸者衆の日本舞踊のなかで、特に裾引きの着付けを承りました。
当日は、お越し頂いた皆さまに、粋な芸者衆の踊りを楽しんで頂けるよう、衣裳方一同、全力を傾けてまいります。

会場 『和多屋別荘』


          

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浅草で、「日本舞踊の着付け、浅草西会館講座」開催!

2019-05-24 12:51:50 | 舞踊の着付け

はしょりや、裾引きの着付けに、つの出し・立て矢・片流しなど…お稽古。
5月23日(木)に、東京都台東区浅草の浅草西会館で、「日本舞踊の着付け、浅草西会館講座」が行なわれました。
参加者は、着付け教室の先生や、芸者さん、和装花嫁の着付け師などが参加されました。

当日の講座では、「つの出しの変化」や「腰元の着付け」、「前割れ後見の着付け」、「はしょり着付けに片流し」など、実践に役立つ舞踊の着付けを学びました。
日本舞踊の着付けは、幅と奥行きの広い世界ですが、時代考証を学びながら、楽しんで学ぶことがことさら大切です。



          

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