☆ ロングランで成功する
グローバル化するエンターテイメント市場で、日本のエンターテイメントビジネスは新たな手法を探っている。
世界的なエンターテイメントとして地位を築いたカナダ生まれのサーカス集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」と日本で手を組んだのは、ディズニーリゾートのオリエンタルランドゥだ。
園内に100億円をかけ常設劇場を作り、初めてのショービジネス参入へ力を入れている。
シルク・ドゥ・ソレイユが世界で発揮できる強みは技術と台詞のないパフォーマンスだからだ。
シルク・ドゥ・ソレイユは、巡回公演での反応をみながら常設施設の計画を進めている。ドバイも予定に入っているという。
シルク・ドゥ・ソレイユにとって常設劇場は重要になってきており、それは安定した収益をもたらすからである。
オリエンタルランドにしても、長期興行によって先々の団体予約も確保できる等、常設劇場の存在は大きい。
長期興行(ロングラン)は、エンターテイメントビジネスでの成功になるが、専用の劇場によってそれがもたらされることになる。
六本木の真ん中にもロングランを続ける専用劇場がある。
そこで行われているのは、アメリカのパフォーマンス集団「ブルーマン」の公演だ。この1年で20万人を動員している。
ブルーマンの公演は、様々な液体などが飛び散り、終わる毎に水で洗い流さなければならない。
それまでの一般劇場での公演と違って、排水溝付きの舞台となる常設劇場では制約のないパフォーマンスが可能で人気を呼んだ。
ブルーマンを日本に呼んだのは「エイベックス」で、約6億円をかけ常設の専用劇場を建設した。今年度売上は24億円を見込む。
東急電鉄は2012年、渋谷駅前に国内最大級の劇場を建設を予定するなど、常設劇場によってロングラン公演が可能になったことで、ステージエンターテイメント市場は拡大している。