☆ 売る側の価値ではなく、消費者の価値を活用する
生活防衛意識で大きく変わったのが、うち食の増加だ。
一般の人が料理レシピを投稿・検索するサイト「クックパッド」は、毎月450万人がアクセスする。
その運営会社にはキッチンを併設したオフィスがあり、スタッフ自ら日々投稿されるレシピで料理を作って試し、クオリティーの向上に努めている。
最近、食品メーカーからの販促依頼が増えているという。
例えば、ある食品の調理の仕方を450万人に聞けば、“力のあるメニュー”が出てくる。そのメニューを商品に明示するなど販促に使えるわけだ。
さらにサイトで公募した要望から商品開発にまでいたった納豆“大絶賛 納豆”が、9月「ミツカン」から販売される。
販促依頼は食品メーカーにとどまらず、電機メーカーからも来る。
松下電器は、9月発売予定の新型スチームオーブンレンジ“ビストロ”をクックパッドの会員クチコミ効果を利用する。
上下で別々の調理ができる優れモノを、クックパッドの会員に事前モニターしてもらい、その結果をサイトでレポートする企画。
会員の数も多く、レベルも高いので、いい意見がもらえると期待されている。実際、昨年タイアップした電気圧力鍋は約10倍売上を伸ばした。
売り手側が、価格や商品の価値で消費者にうったえる時代から、消費者にとっての価値を伝えていかなくてはいけない時代になったようだ。