☆ 極限のコスト削減
タイ、バンコクでバイクは4人に一人が持つ庶民の足だ。
そのバイクのタイで70%のシェアをHONDAが占める。
タイでも世界不況の影響で販売台数が下がっているが、今年1月に発売された「Wave110i」の販売は好調という。
省エネ性能でガソリンが節約できるうえ、排ガス規制に対応した環境性能はうりである。
アジアでも環境意識の高まりで、欧州と同等の排ガス規制が導入されてきており、それに対応させるための新たな技術をアジア向け商品にも投入していくことが重要という。
HONDAは、自動車各社が赤字決算となるなか、新興市場向け二輪車が下支えし黒字を確保する見通しだ。
新興国市場がますます重要になる中、日本メーカーはその市場に合わせて低価格商品を出しても勝負にならない。
その市場の範囲内でハイエンドモデルを狙っていく必要があると専門家はいう。
新興国向け商品を製造する現地HONDAの研究拠点では、徹底した材料の削減や、環境対策部品も小型する開発によって、大幅にコストを下げることができた。
さらに、「Wave110i」では部品の現地調達率が99.8%となって、競争力を高めているという。
バーツ安傾向の中、輸入部品の価格高騰のリスクを避けることができているからだ。
日本での物作りを必要最低限残し、新たな管理手法・設備を海外に発信できるようにしていくことが重要という。