☆ メーカーに拘らなくなったクルマの乗り換え
国内販売が伸びない中、WBSはクルマの乗り換え事情の現状を「東京モーターショー」の招待日、来場者に聞いた。
好きなメーカーや、憧れの車種はあっても、実際購入となると、そのときの時代や、生活環境に合った車種を選ぶというように、メーカーには拘らないのが今流のようだ。
かつては同じメーカーを乗り継ぐ人が多かったがそれは過去の話ともいえる。
番組で出会った30代のサラリーマンに詳しく話を聞くことができた。
その人の話によると、現在までトヨタ、ホンダ、トヨタと3代乗り換えてきたが、次はプジョーやフォルクスワーゲンも検討しているという。
また、一方でどうしても買い換えたいという差し迫った欲求はさほどないようだ。
日本メーカーに比べて高級外国メーカーは同じメーカーを選ぶ乗り継ぎ率は2倍、約8割にも達する。それでも、BMWでは500万円以下の車種の価格競争が激しく、囲い込みは難しくなってきているという。
また、メルセデス・ベンツでは若者の取り込みに必死で、今年新型モデルとなったC200では、一般向け車種「エレガンス」と、若者向けに「アヴァンギャルド」という、よりスポーティーな車種も導入した。
日本車はモデルチェンジの度にまったく別のデザインになるので、愛着を持って同じ車種を乗り継ぐことがあまりない。
それに比べ特にヨーロッパ車は、アイデンティティーや押しが強く、エンブレムを見ずとも車種が分かるものが多い。その個性が好きになり乗り継ぐケースが多くなるのだろう。
最近、セリカのように無くなる人気ブランドも多いのが疑問に感じます。
メーカーとしては、数字を見てそのブランドの寿命は終わったという結論なのでしょうが、買う買わないは別としても、人気ブランドはモデルチェンジの度に新型がどうなのか気になったものです。
ところが今は、次から次へと新しいブランドやその派生ブランドが登場しては消えていくようになり、そのようなブランドはモデルチェンジも気にならないし、無くなっても気づかないという状況になっているのではないでしょうか。
結局、数字を追うあまり、私たちからクルマに対するワクワク感を奪う結果になっていると思います。
コロナ対ブルーバード、カローラ対サニーといった、嘗てメーカーに肩入れしているかのようなライバル意識を復活させることも検討したほうがいいのではないでしょうか。