虹の国へ-日々を楽しんだり嘆いたりしちゃったりして-

平成21年度3次隊青年海外協力隊として
南アフリカ共和国での活動記録

先生たちの制服

2010-10-27 22:49:28 | 南ア-学校-
今週は、またSchoemansdal地区の小学校。

いつもの学校になりつつありますが。

今日のテーマは、『先生たちの制服』。

ほとんどの先生たちが同じような服を着ています。

この学校、
先生たちも子どもたちと同じように、
曜日ごとになんとなく同じ服装をしています。

月曜日は、これ。



そして、水曜日は、これ。



赤を基調とした服です。

これっておもしろいですね。

日本じゃ、そんなこと聞いたことありません。

わけを聞くと、
「今日着る服をいちいち考えるのがめんどうだから」
「お気に入りの服は、特別な機会以外に着たくないから」
だそうです。

日本でも先生の服を統一したら、おもしろいかも。

座標を使って位置をあらわす-Grade6-

2010-10-26 23:35:01 | 南ア-算数-

今日は、座標の話。

この学校は、よく来るのですが、
意外にもGrade6で授業をするのは、初めて。

ほとんどの子どもたちは
私のことを知っていますが、
何の先生かはよく知らない様子。

まあそんなクラスです。

さて、話を元に戻します。

今日のトピックは、『座標』。

今日の授業の目標は、
①座標平面から座標を読み取ること

②与えられた座標を座標平面上で表すこと

です。

今日の板書は、これ。



授業では、教室の生徒の並び方を座標平面に見立てて、
X軸、Y軸の2つの数字で、全ての人の位置が表せることを中心に教えました。

X軸は、教室の横(写真で言う手前から右奥へ)
Y軸は、教室の縦(写真で言う手前から右奥へ)
にしました。

その上で、子どもたちに、
①(3,2)の座席の子の名前は何?

②(5,3)の座席の子は立ってください。

③ ○○さんの座席は、どうやって表す?

などと質問して、子どもたちを使って授業をしました。



これには、今回の担当のクラスの先生は、大喜び。
(日本では、普通のことでしょうが。)

終わった後に、なぜか絶賛されました。

ただ、その後の練習問題で、
出した問題が彼らの苦手なことを露呈しました。

私の授業のいたらぬところが、はっきりとでましたので、紹介します。

次の写真を見てください。



座標軸はあっているのですが、肝心の目盛りがばらばら。

私もそれなりに説明したつもりでしたが、
多くの子どもたちが書いたものは、これに似たものでした。

しっかりと説明するのは、難しいですね。

現地の先生的には、これで満足らしいのですが、
私としては、残念ですね。

まあ明日またフォローしますね。


たくさんの10が2回そして1

2010-10-26 15:48:49 | 南ア-算数-
今日は、SiSwati(南アの現地語の一つ)の数字の話。

一言でいえば、ややこしい。

日本語のように単純ではない。

たとえば、『21』を紹介しよう。

日本語では、「二十一(にじゅういち)」。

英語では、「twenty-one」。

いずれも「2(20)のあとに1」と
まさに音や表記、さらに位どりまでが一致している。

しかし、南アの私の活動先のスワジ族の言語、
SiSwatiでは、そんなわけにはいかない。

SiSwatiで『21』は、
「Emashumi lamabili na kunye」。

「エマシューミ ラマビーリ ナ グーニェ」。

まるで何かの呪文のよう。

直訳すると、
「たくさんの10が2回そして1」。

この記事のタイトルです。

フランス語ほどではないけれど、
正直、面倒くさい。

一旦覚えてしまえばそうでもないが、
やはり、面倒くさい。

と思うのは、スワジ族も同じ。

というわけなのか、
彼らは普段、数は英語で話しています。

しかし、
南アの小学校低学年では、
1年生から3年生まで、SiSwatiと英語の両方で、
数を教えています。

その後、4年生以降は、英語でのみ数を教えています。

彼らの数の感覚は、
SiSwatiで手に入れるのか、英語で手に入れているのか。

いまだに謎です…。

第2号報告書より-赴任後6ヶ月頃-

2010-10-25 23:30:04 | 南ア-報告書-
今回は、赴任後6ヶ月ごろを目途に提出した、第2号報告書です。

いま思えば、もう少し、補足説明したいなと思うところもありますが、
やはりそのまま載せます。

長い文章になりますので、時間があるときにお読みください。

≪要約≫

 活動を始めて半年が経ち、南アでの現場のいいところも、改善すべきところも、身をもって体験しはじめたところです。この半年間、私の活動は、現場を見て歩くこと、そして感じたことをメモすることに終始しています。まず現地の先生方に出会い、彼らが何を思い、考え、授業をしているのか、そして、私に望むことが何なのかを世間話をしながら一緒に考えています。そのため、まだ活動が本格化した実感がないのが現状で、これからのための準備段階だととらえて日々活動しています。日本での学校現場での指導経験をふまえ、現地の先生方のために必要な基礎的な授業方法の共有をはかっていきたいと思っています。
 なお、活動計画については、配属先とも十分な議論をしたうえで、計画を立てることができたので、十分な見通しをもって、今後の活動を行えるのではないかと思っています。南アに現在是移籍する唯一の学校巡回隊員として、算数科の指導のみならず、折り紙や習字などの日本特有の文化を紹介していきたいと思います。

≪活動計画の説明≫

 要望書段階からの大きな変更はありません。まず1年間は、任地内の25校の公立小学校の巡回指導をしながら、現地教員の授業改善に向けて実地調査を行う。その中で、現地教員から日頃の授業で苦労することを聞いてまわり、それをレポートしてまとめてサーキットマネージャーに提出する。そして、それをもとに今後の活動の方向性について、議論をします。そのうえで、2年目は、サーキット内の5つのクラスター(地域) ごとに彼らの授業を改善するためのワークショップを行うことになっています。その際、1年目に記録した内容を基に、サーキットマネージャーのみならず、同サーキットを管轄するCIやティーチャーズセンターの方々などの意見に耳を傾けながら、ワークショップを行っていく予定です。また、学校巡回での活動が要請である以上、日本紹介を含めた、さまざまなイベント活動を受け入れていきたいと考えています。特に、今年5月にすでに一度行った、南アの協力隊員共同イベントを私の活動期間中(おそらく来年度)にもう一度行うこと、そして、折り紙を使用した「折り紙ワークショップ」を教師向け、子ども向けに行っていきたいと思います。

≪活動計画策定に向けた配属先との意見交換≫

 まずはじめに、南ア全体で公務員のストライキがあったため、サーキットマネージャーと意見交換をするのが、困難な時期がありました(現在は問題ありません)。また、活動先と配属先が離れていること、そしてサーキットマネージャーを頻繁に会議等で外出するため、なかなかじっくりと話す時間がとれていません。会うたびに、できる限り報告をするようにしていますが、お互いにもう少しまとまった時間をとって話をできればと思うこともしばしばあります。
 配属先からは、各クラスターごとに拠点校を置くことで、前任者のときにはなかったサーキット内全体を定期的に巡回するシステムを確立することを求められています。各クラスター内の拠点校以外の学校は、該当地区の拠点校に連絡をすることで、私と容易にやり取りができるようになると思っています。
 ワークショップの開催は当初の予定通り、来年度より始めるとしていますが、現時点で、具体的な話には至っていません。

≪配属先の動向≫

 これも要請書段階から大きく変わっていません。しかし、前任者の頃とは異なり、カウンターパートであるサーキットマネージャーが別の方になったために、前任者がお世話になっていたティーチャーズセンターや他のサーキットオフィスにまだ顔を出していません。顔を出してほしいという要請を個人的に受けることはありますが、現時点で、サーキット内の活動をしっかりと行うという、サーキットマネージャーの意向が感じられます。したがって、私もその意向を汲み取った上で、サーキット内のできるだけたくさんの学校に、顔を出すことに専念しているのが現状です。おそらく今後、ワークショップを行っていくうえで、必要に応じて、他のサーキットや地区に招かれることもあると考えられますが、やはりまず配属先の学校の先生方をしっかりと指導していきたいと思っています。

≪受入国の人々との交流≫

 カルチャーショックを受けています。また、週末を中心に任地内を散歩して、近所の子どもたちや年配の方と話をする機会も少なくありません。しかし、現地の方は、特に黒人の方は、旅行をあまりする習慣がないため、買い物以外で一緒に外出することはほとんどありません。そのため、現時点で、それほどうまく交流できているのかは疑問です。しかし、時間とともに少しずつ交流していけたらと思っています。
 また日本については、私が3代目であるため、同地区内の学校では、先生を中心に比較的知られているとは思いますが、日本人に対する評価は、人それぞれです。日本人は、G8の一つだとおっしゃる方もいれば、日本と他のアジア諸国とを混同している方もしばしば見られます。しかし、サッカーW杯後は、日本が躍進したこともあり、いい意味で少し知名度が上がったように感じています。

≪その他特記事項≫

 南ア人たちと生活をしていて、最近気になっていることは、話し言葉を活字でかけない人が少なからずいることです。これはおそらくこの国(もしくは地域)の人たちが、古くから話し言葉での継承の文化で育ってきたからではないかと思います。例えば、学校の低学年から中学年の授業で、現地語で数を数えるときも、15を現地語で書くために、1から順番に声に出して数えないと言えない子や、また言えたとしても書けない子がたくさんいます。
 また、図や表を読み取れない大人がかなりいるということも驚きました。表からの簡単な読み取りも、この国の学校の先生たちにとって苦手にしているようです。したがって、先生方が理解していないことを子どもたちに教えなければならないという非常に難しい状態で授業が行われているように思います。これらは、日本人であれば、ほとんどの人が比較的簡単にクリアできているところなので、思わぬところに落とし穴があることに驚きました。



なお、この第2号報告書には、
添付書類として、
『二年間のボランティアとしての活動計画』を提出しています。

ちなみに日本語版と現地語(南アは英語)版で書いています。

今回の記事を読めば、だいたいの内容が分かるため、
特にリンクははりません。ご了承ください。

第1号報告書より-赴任後3ヶ月頃-

2010-10-25 20:48:18 | 南ア-報告書-
今回は、赴任後3ヶ月後の第1号報告書です。

任地に着いてまもなくの状態で書いた報告書なので、
今思うといろいろと変えたい表現はありますが、
あえてそのままで載せますね。
(言葉足らずの箇所や誤字脱字があるかもしれません。ご了承ください。)

≪要約≫

 私が配属先は、南アの北東部にあるMpumalanga州の中のEhlanzeni地域内にあるMalelaneCircuitOfficeである。
 このCircuitには、代々複数のボランティアが在籍していて、南アの青年海外協力隊事業のなかでは、比較的歴史のある事業だと言える。この地域を含むMpumalanga州は現在、理数科教育強化プロジェクトを実施中であり、Primary段階からの基礎学力(特に算数科)の向上に取り組んでおり、私の要請もその一部と考えられる。
 私に対する要請は、配属されるCircuit内のPrimaryを巡回して、数学科の教職員に対して、指導助言を行い、そして教職員向けのワークショップを開催して、現地教員の指導力の向上をはかることである。
 私は現在、私のカウンターパートと言えるCircuitManager(この地区の学校をとりまとめる責任者)と今後の活動計画を作成中である。現在は、Circuit内の5つのクラスターを順番に巡回して、実際に教師と顔を合わせている段階であり、南アにおける数学教育の現状と課題を把握している段階である。各学校のGrade4~6(Interphase)と7(Seniorphase)の算数科の授業を参観させていただいているところである。
 今後の活動計画については、現在CircuitManagerと相談している最中であるが、巡回型のこの要請は、人脈が第一と言え、さまざまな人とのつながりなしでは、いかなる成果もなしえないので、地に足ついた活動をするためにも現場を多く見ることを重視する必要があるようだ。
 最後に、南アは、豊富な資源と整備された道路網があり、その上にさまざまな民族の方々が生活する未来に対して大きな希望をもてる国だと感じています。そのなかで私が何をできるのかを精一杯考えていく所存です。

≪活動地域及び配属先の概要≫

 私の活動地域は、南アの北東部のMpumalanga州の中のEhlanzeni地域内のMalelaneCircuitである。EhlanzeniRegionには、3つのCircuitがあり、その一つがMalelaneCircuitになる。
 このCircuitには、私の住むKamhlushwa地区をはじめとする5つのクラスター(地域)があり、それを取りまとめているのが、私の配属先であるMalelaneCircuitである。このCircuitには現在25校の公立小学校、約10数校のSecondarySchool、10校弱、IndependentSchool(私立学校)があり、それらの学校を総括する役割を担っている。配属先が所属するMpumalanga州は現在、理数科教育強化プロジェクトを行っており、PrimarySchool段階からの特に算数科を中心とした基礎学力の向上を掲げている。これはもちろんMalelaneCircuitでも同様で、同地区の各学校では、算数科を中心とした授業編成がなされている。

≪ボランティアの所属する部局の概要≫

 Malelane Circuitは、地区内の公立および私立の小学校と中・高等学校をまとめて管理する、日本で言うところの教育委員会のような組織である。
 このCircuitでは、主に基本的な業務として、各会議(Principle MeetingやClark Meeting)の主宰、Department(教育省)と各学校をつなぐ、各学校のPrinciple(校長)をまと
めるなどの役割がある。ちなみにEducator(教員)は、Teachers Centreに所属していると聞いている。
 私のカウンターパートにあたる人が、Circuit Managerになるのではないかと思われる。彼は、このCircuitの責任者で、基本的に彼の言うことが絶対で、彼を中心に回っている。ただ、彼は着任後、まだ9カ月ほどしか経っていないので、彼は、まだJICAボランティアがどのように活動していったらいいのかが、いまいちピンとこないようで、私もできる限り彼と会話する時間を取り、活動状況を決めているのが現状である(前任者のときとは違う方です)。


≪配属先のニーズ≫

 配属先からは、MalelaneCircuit内の該当小学校のIntermediatePhase(Grade4~6)とSeniorPhase(Grade7)の算数科教諭に対して、指導および助言を行うことを求められている。
 具体的には、該当授業を参観して、授業後に指導助言を行ったり、実際にTT(チームティーティング)の形式をとり、担当教諭の前で、子どもたちに直接集団指導を行ったりすることである。そのため、日本での指導方法や南アとのカリキュラムの違い、学校運営システムなどにかなり精通していることが望ましいと思われる。実際、現地教員から日本の教育システムなどに対して、度々聞かれることがあるからだ。
 また、前任者と同様、赴任1年後を目安に、教職員向けの算数科ワークショップを行うことが求められている。現時点では、前任者とCircuitManagerが違うため、詳細は不明。ただ、前任者同様、地区内の5つのクラスターごと(各クラスターは約5校程度)に開催する予定である。また要請に応じて、他のCircuitでも行うことも想定される。

≪活動計画準備状況≫

 赴任後早々よりCircuit内の各学校の校長をはじめとする教職員の方々にお会いすることができた。任地に到着後2ヶ月しか経っていないが、全5つのクラスターのうち、3つの地域のPrimarySchoolを学校訪問することができた。次のターム以降に他のクラスターにも顔を出して、現地の教職員とともに、南アにおける数学教育の現状と課題の把握に努めていきたい。
 活動計画については、現時点でCircuitManagerと今後の予定についてじっくり話す機会がとれていないので、作成については、もう少し時間がかかりそうである。ただ、先ほども述べたが、CircuitManagerとは、今年いっぱいは学校巡回を中心として、南アの現状把握とそれに対する課題の発見に専念すること、また前任者同様1年後を目処に、教職員向けのワークショップを行うことをすでに申し合わせている。

≪受入国の印象≫

 南アフリカ共和国は、日本にいたときは、世界有数の危険な国だとマスコミ等で聞いていたが、話で聞くのと実際来てみるのとでは大きく異なることが分かった。
 初めに、治安面。たしかに日本の報道のとおり、危険で近寄りがたい場所はあるので注意が必要だが、それが決してすべてではない。防犯対策のために日頃から周囲を気にしながら歩いたり、目があったら挨拶をするなどの努力を怠らなければ、危険な目に遭う可能性はぐんと下がるだろう。
 次に、交通面。この国は、アパルトヘイト時代から主要な道路網が整備されて、首都から任地ま での間、ほぼすべてが舗装道路である。これには、とても驚いた。しかし公共交通網は、あまり整備されていないのが現状である。コンビといわれる乗合タクシは、ときに不便で利用しがたい。また、ときに長時間待つ必要がある。ただこれも他の途上国に比べるとはるかにいいのではないかと思う。
 最後に諸々に問題はあるが、全体としては、将来にとても希望のもてる国であるという印象である。豊富な資源と雄大な自然、そしてあたたかい人々は、この国の宝だと言える。