虹の国へ-日々を楽しんだり嘆いたりしちゃったりして-

平成21年度3次隊青年海外協力隊として
南アフリカ共和国での活動記録

第2号報告書より-赴任後6ヶ月頃-

2010-10-25 23:30:04 | 南ア-報告書-
今回は、赴任後6ヶ月ごろを目途に提出した、第2号報告書です。

いま思えば、もう少し、補足説明したいなと思うところもありますが、
やはりそのまま載せます。

長い文章になりますので、時間があるときにお読みください。

≪要約≫

 活動を始めて半年が経ち、南アでの現場のいいところも、改善すべきところも、身をもって体験しはじめたところです。この半年間、私の活動は、現場を見て歩くこと、そして感じたことをメモすることに終始しています。まず現地の先生方に出会い、彼らが何を思い、考え、授業をしているのか、そして、私に望むことが何なのかを世間話をしながら一緒に考えています。そのため、まだ活動が本格化した実感がないのが現状で、これからのための準備段階だととらえて日々活動しています。日本での学校現場での指導経験をふまえ、現地の先生方のために必要な基礎的な授業方法の共有をはかっていきたいと思っています。
 なお、活動計画については、配属先とも十分な議論をしたうえで、計画を立てることができたので、十分な見通しをもって、今後の活動を行えるのではないかと思っています。南アに現在是移籍する唯一の学校巡回隊員として、算数科の指導のみならず、折り紙や習字などの日本特有の文化を紹介していきたいと思います。

≪活動計画の説明≫

 要望書段階からの大きな変更はありません。まず1年間は、任地内の25校の公立小学校の巡回指導をしながら、現地教員の授業改善に向けて実地調査を行う。その中で、現地教員から日頃の授業で苦労することを聞いてまわり、それをレポートしてまとめてサーキットマネージャーに提出する。そして、それをもとに今後の活動の方向性について、議論をします。そのうえで、2年目は、サーキット内の5つのクラスター(地域) ごとに彼らの授業を改善するためのワークショップを行うことになっています。その際、1年目に記録した内容を基に、サーキットマネージャーのみならず、同サーキットを管轄するCIやティーチャーズセンターの方々などの意見に耳を傾けながら、ワークショップを行っていく予定です。また、学校巡回での活動が要請である以上、日本紹介を含めた、さまざまなイベント活動を受け入れていきたいと考えています。特に、今年5月にすでに一度行った、南アの協力隊員共同イベントを私の活動期間中(おそらく来年度)にもう一度行うこと、そして、折り紙を使用した「折り紙ワークショップ」を教師向け、子ども向けに行っていきたいと思います。

≪活動計画策定に向けた配属先との意見交換≫

 まずはじめに、南ア全体で公務員のストライキがあったため、サーキットマネージャーと意見交換をするのが、困難な時期がありました(現在は問題ありません)。また、活動先と配属先が離れていること、そしてサーキットマネージャーを頻繁に会議等で外出するため、なかなかじっくりと話す時間がとれていません。会うたびに、できる限り報告をするようにしていますが、お互いにもう少しまとまった時間をとって話をできればと思うこともしばしばあります。
 配属先からは、各クラスターごとに拠点校を置くことで、前任者のときにはなかったサーキット内全体を定期的に巡回するシステムを確立することを求められています。各クラスター内の拠点校以外の学校は、該当地区の拠点校に連絡をすることで、私と容易にやり取りができるようになると思っています。
 ワークショップの開催は当初の予定通り、来年度より始めるとしていますが、現時点で、具体的な話には至っていません。

≪配属先の動向≫

 これも要請書段階から大きく変わっていません。しかし、前任者の頃とは異なり、カウンターパートであるサーキットマネージャーが別の方になったために、前任者がお世話になっていたティーチャーズセンターや他のサーキットオフィスにまだ顔を出していません。顔を出してほしいという要請を個人的に受けることはありますが、現時点で、サーキット内の活動をしっかりと行うという、サーキットマネージャーの意向が感じられます。したがって、私もその意向を汲み取った上で、サーキット内のできるだけたくさんの学校に、顔を出すことに専念しているのが現状です。おそらく今後、ワークショップを行っていくうえで、必要に応じて、他のサーキットや地区に招かれることもあると考えられますが、やはりまず配属先の学校の先生方をしっかりと指導していきたいと思っています。

≪受入国の人々との交流≫

 カルチャーショックを受けています。また、週末を中心に任地内を散歩して、近所の子どもたちや年配の方と話をする機会も少なくありません。しかし、現地の方は、特に黒人の方は、旅行をあまりする習慣がないため、買い物以外で一緒に外出することはほとんどありません。そのため、現時点で、それほどうまく交流できているのかは疑問です。しかし、時間とともに少しずつ交流していけたらと思っています。
 また日本については、私が3代目であるため、同地区内の学校では、先生を中心に比較的知られているとは思いますが、日本人に対する評価は、人それぞれです。日本人は、G8の一つだとおっしゃる方もいれば、日本と他のアジア諸国とを混同している方もしばしば見られます。しかし、サッカーW杯後は、日本が躍進したこともあり、いい意味で少し知名度が上がったように感じています。

≪その他特記事項≫

 南ア人たちと生活をしていて、最近気になっていることは、話し言葉を活字でかけない人が少なからずいることです。これはおそらくこの国(もしくは地域)の人たちが、古くから話し言葉での継承の文化で育ってきたからではないかと思います。例えば、学校の低学年から中学年の授業で、現地語で数を数えるときも、15を現地語で書くために、1から順番に声に出して数えないと言えない子や、また言えたとしても書けない子がたくさんいます。
 また、図や表を読み取れない大人がかなりいるということも驚きました。表からの簡単な読み取りも、この国の学校の先生たちにとって苦手にしているようです。したがって、先生方が理解していないことを子どもたちに教えなければならないという非常に難しい状態で授業が行われているように思います。これらは、日本人であれば、ほとんどの人が比較的簡単にクリアできているところなので、思わぬところに落とし穴があることに驚きました。



なお、この第2号報告書には、
添付書類として、
『二年間のボランティアとしての活動計画』を提出しています。

ちなみに日本語版と現地語(南アは英語)版で書いています。

今回の記事を読めば、だいたいの内容が分かるため、
特にリンクははりません。ご了承ください。

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