旅つづり日々つづり2

旅のような日常と、日常のような旅の記録と記憶。

夕焼けこやけで日が暮れて

2019年07月02日 22時15分53秒 | 淡路島のこと
このまま全てのものが湿って、きのこが歩き出すんじゃないかという天気が続いている。
雨は降ったりやんだり。ちょっとでもやむと子どもたちはトランポリンにダイブ。そしてびしょびしょ。
(いつ学習するんだろう?)

ちょうど夕食の時間にこの世のものとは思えない夕焼けが刻一刻と表情を変えながら
今日一日の終わりを告げていた。「すごいなあ」「これはすごい」と目が離せなくなり箸も止まる。
「外に見に行く?」「いくいく!」子どもたちは瞬時に飛び出していった。私も青を抱っこして
外に出る。

それはそれは美しい夕焼けだった。この同じ時間九州では豪雨で不安な思いをしている人も
いるんだなーと思うと自然の前では本当に無力であることを改めて感じるしかなかった。

福と星は「きれいやなー」「太陽が沈むからあんな色になるんかな?」「雲が流れてる」
「風が吹いてるから色が混ざるんかな」とあれこれ感じたことを言葉にしてさらにその先に
興味を向けていた。
つばさは「わー!」と上を見上げているだけ。
青は私にしがみついて離れようとしない。夕焼けを一度みたきり顔をあげようとしない。
「こわいの?」と聞くと「うん」と言う。
何がこわいのかは青にもわかっていないけれど、圧倒的に美しいものを見た時に“畏れ”の
ようなものを感じている青の反応がとても原始的でとても興味深かった。
「わかるよ、青。」「その反応は正しいよ」と背中をなでているうちにあっという間に日は暮れてしまい
家に入って夕食の続きを食べた。

すっかり夜になってしまうと青は何事もなかったかのようにケロッとしている。
幼い子どもといると時々こういうことが起こる。私たちが忘れていること、鈍感になっていることを
思い出させてくれる。

美しいものに出会った時の反応は感動だけではないはず。
その心の動きをできるだけ大事にもっていられるように、自然と向き合うときはできるだけ静かにそっと
子どもたちに寄り添っていたいな、と思った。