旅つづり日々つづり2

旅のような日常と、日常のような旅の記録と記憶。

福の思い

2016年06月29日 12時31分21秒 | 日々のこと
福之介がひらがなを書けるようになった。
書き順はむちゃくちゃだし、鏡文字だらけだし、大きさも、書く順序も
バラバラだけれど、それでも「文字」をどんどん自分のものにしている。

私は何も訂正しないし、何も教えていない。ふくが「どうやってかくの?」と
質問した時だけ簡単に答えるようにしている。

ふくが文字を習得していく過程をみていると本当に感動する。
字が書けるようになることに対してではない。ふくは誰かに何かを伝えたいのだ。
ふくにとっての文字は「あいうえお」ではない。自分の名前を何回も何回も
繰り返し書いたり、友達に手紙を書くことが、大きな喜びなのだ。文字で何かが
伝わることが嬉しくて仕方ないのだ。

けいさつが“けえさつ”になっていようが ふくの“く”がひっくり返っていようが
きりんのよこに“きりね”と書いていようが、どれもハナマル。
ものすごい筆圧で真剣に書いている姿を見ていると、「間違ってるよ、バツだよ」なんて
とてもじゃないけれど言えないし、言う必要もない。
そんなことは小学校に行ったら先生がプロのテクニックで教えてくれる。鏡文字なんて
自分で気づきさえすれば一回で直る。しゃべり言葉と書き言葉が異なるのに気づいた時、
それは素晴らしい発見になるだろう。

ふくが紙いっぱいに書いた「手紙」は脅迫文にみえないこともないけれど(笑)
そこにはふくが誰かに何かを伝えたい思いがあふれている。
学びの先にあるものが、いつでも「誰かに何かを伝えたい」という情熱でありますように。

そんなことを思いながら、かあちゃんはふくの手紙を大切にファイルに入れてるよ。