福岡の猫カフェ NEKOCAFE Keurig

福岡初の猫カフェ「Keurig」(キューリグ)のオフィシャルブログ!

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レオンはわかってる。

2017-04-05 20:04:06 | 大名店

お世話になっております。代表の野村でございます。

今年も2月3月は沢山の子が里親さんに行きました。

切り替わりの時期なのでしょうか、毎年2月3月はとてもたくさんの子等が貰われていきます。

大名店のチャルメラ、

モフモフ、

白滝、

キウイ、

アメリ、

ミル姐、

わかめ、

浅葱、萌黄。

天神店も沢山決まりました。

1月のチュンチュン、

メルちゃんから始まり、

ゆきみ、

ヨーグル、

福ちゃん、

ボサボサ、イワシ、ウラン

 

 たくさんの人の手を介して保護され、入店し、そして里親さんに行く猫達ですが、

その度私たちは、良かった良かったと肩をなでおろします。幸せになるんだよ~と。

でもその間、当の本人たちは、そんなに実は簡単に気持ちが切り替えられていない子も少なくありません。

そんな現場をこの9年何度も目撃しました。

今回のボサボサこと、元の名「レオン」もそのうちの一匹です。

 

ボサボサは直方の猫飼育不可マンションの敷地内で発見され、見事な長毛の子猫を見てもなんとも思わない管理人さんに

速攻で保健所に持ち込まれる直前、住民の井上さんに助けられました。

管理組合と大揉めしながら、なんとか医療処置と室内飼育をやり過ごした井上さんご一家。

可哀想なレオンを見て、この子を引き受けてしまったら大変なことになる、と分かっていながらそのまま見捨てるわけにはいきませんでした。

ナーバスになってご家族皆さんで大喧嘩になってしまったこともあったとの事ですが、

当の本人は、とても井上家が気に入ったらしくこのご様子。

井上家で一番偉いのはコイツ(笑)、とご主人もおっしゃっていました。

そんなレオンについつい情が移り、飼育や引っ越しをお考えにならなくは無かったそうです。

でも実際は高校生のお子さんもおらっしゃるという事もあり、あまりにも現実的でなかったのでしょう。寂しい思いを抑えながら、これがレオンの為だ、とキューリグに置いていかれました。

 

キューリグでのレオンはあまり感情の起伏が無く、いつものんびり、お客さんへも愛想が良く、昼寝したり、居心地が悪そうなそぶりを全く見せませんでした。

そしてボサボサの容姿も手伝ってか、すぐに良い里親さんが決まり、もう会えなくなる旨を保護主さんにお伝えると、すぐに天神店に会いに来てくださいました。

ところが、奥様がおっしゃいました。いろんな人に可愛がってもらってるけど、私の事の忘れてしまっているみたい。前みたいに喜ばない。と。

 

これは私も何度となく目撃したことです。お客様には愛想が良いのに、明らかに保護主さんにだけ猛烈に冷たい。

でもがっかりした保護主さんが帰られえる際は、そのうしろ姿をずっと目で追って、帰られた後も窓の外をいつまでもいつまでも眺めている、

そんな猫の姿を何匹もみました。

 

 考えてみたら、猫にとってここに連れてこられる理由が分からないわけです。

「どうして置いていくの?僕はパパママが大好きだったけど、パパママはそれ程でもなかったんだね。」と。

置いて行かれたのは自分のせいと思っているのか、愛していた故に裏切られた腹立たしさもあるのでしょう。

レオンもきっと寂しかったのでしょうね。

そんな猫の心理に気が付いてからは、保護主様に会いに来て頂くのを控えて貰っています。猫が環境に慣れるまでの間です。

猫はナイーブですがプライドも高いのですね。

 

また、こんなこともありました。子猫の時に看護婦さんたちに保護されて一歳になるくらいにキューリグに受け入れられた子は、

以来ずーっと引きこもっていましたが、数週間経ったある日、女性数人組のお客様が入口に来られた時、大慌てで出てきてガラス越しに鳴き喚き始めました。

驚いて見ていると、途中、あれ?という顔になり、またしょんぼりして引きこもりに帰りました。

きっとこのお客様たちが、世話をしてくれていた大好きな看護婦さんたちに見えたのでしょう。

心の底からまた迎えに来てもらえると信じて待っていたのです。

 

本当に、猫はなんて情が深くて、賢く、愛する人を信じる心が強いのだろうと驚かされます。

 

「猫はすぐ忘れる」「猫は家に付く」という俗説は全くの逆であると私は痛切に感じます。

大好きな人に置いて行かれて、怒りと悲しさでシカトしているのです。すぐ忘れるのであれば出来ない反応です。

また、猫は「人に付く」と思います。

先日アポロの里親さんが急な理由で部屋探しをしなければならなくなり、一か月半アポロを預かりましたが、

里親さんと晴れて新居に一緒に眠れる日が来た夜は、のどをゴロゴロならして里親さんに体当たりしている動画を頂きました。

飼い主さんが居る場所ならどこでも天国の様に幸せなのです。場所は関係ない、という事がよくわかります。

 

そんな猫の情の深さや賢さは、レオンも例外ではなかった様で、保護主さまもこれにはとってもショックだった様です。

でも、仕方なかった事も、時期きっと分かって来ると思います。

嫌いで自分をキューリグに置いて行ったのであれば、またパパママが会いに来てくれるわけも無いのですから。

 

そして最後に、レオンの里親様のオウチでの様子を動画や画像で転送した時に井上様から頂いたラインをご紹介いたします。

だらだらに涙を流す「おもちちゃん」のスタンプとともに、下記のメッセージを頂きました。

 

「よかったです。うれしいです。最終日にレオンに会いに行き私もムリヤリ心の整理をつけたつもりでしたが、

この写真とビデオを見てやはりこれで正しかったのだと思いました。

野村さんをはじめお世話いただいたキューリグのみなさんと新しい里親さんに心から感謝いたします。ありがとうございました。

たった2ヶ月半一緒にいただけですが私たち家族がレオンを忘れることはありません。これから仲良し三匹の幸せを日々祈っていきます。」

 

井上様ご一家の気持ちもすっかり晴れるほど、新しい里親様でのオウチの3匹は、とても幸せにしています。

里親様、沢山の愛情を3匹に注いでくださって本当にありがとうございます。とても幸せそうです。