今年一番に入ってきた、筑豊の多頭飼い崩壊から引き取った子猫の7匹組のうち、2匹がすでに里親さんのオウチで幸せな毎日を送っていましたが、
そのうち1匹、「ちょろ吉」が、8月10日腹膜炎「FIP」と診断され、8月13日18:20息を引き取りました。
里親さんのおうちでは「レオ」と名づけられ、男の子らしく元気な子だったのですが
生後約5か月で逝ってしまいました。

「真ん中がレオ。右はどすんちゃん➡マオちゃんに改名。左はメバチ子」

「レオ、ワルオと寝んね」
里親さんのお二人はお盆前のお仕事が追い込みの時期だったにも関わらず、
朝も夜中も病院に走り、輸液、投薬、酸素吸入とできる限りの最高の医療処置をしてくださったのですが
FTPの猛威の前に、筑豊の多頭飼い崩壊から引き取ったこの男の子は抵抗することもできず
診断からわずか三日で逝ってしまいました。
とても可愛がってくださっていた里親さんには本当に良くして頂いて感謝していますし、お気持ちもお察しいたします。
私は、長い間、腹膜炎で逝ってしまった子たちについて沈黙を守ってきました。
腹膜炎がいまだにどんな病気であって、感染の原因や治療法も見つかっていないからです。
最愛のメインクーン、マフが逝ってしまった時も、本当は立っていられない程悲しくて体がだるかったのですが

「今日はグレーのふさふさの子、居ないんですね~」とお客様に言われても「今日は自宅でゆっくりさせてます」と
笑顔でお返事していました。
それもこれもすべて、根も葉もない風評被害からお店を守るためでした。
お客様皆さんがウイルスに対して知識がお有りであったり、調べようとしたりするとは限らないので、
「あそこのお店はウイルスだらけだ。行ったら飼い猫にうつってしまう。」という噂が流れては
お店を続けられず、猫らを守れなくなってしまうと思ったからです。
でももう、マフの命日も、7月22日で8年目を迎えました。
もう黙っていなくていいかな、と思うようになりました。
そして同じような経験をした飼い主さんたちと悲しみを分かち合いたいとも思っています。
今のところ、腹膜炎の原因はコロナウイルスというどんなネコでも持っている、ヘルペスみたいなウイルスで、
そのウイルスに対して抗体を持たないDNAで生まれてきてしまった猫は発症する、という研究結果になっているようです。
しかしその治療法は見つかっておらず、衰弱して死んでしまうのは止められません。
死を迎えるまでの間、なるべくその子が苦しまないようにしてあげる対処療法しかありません。
今まで見送ってきた子の治療も、先生方は本当に良くしてくださいました。
最愛の猫が弱っていくのをただ見ているだけしかできなかった飼い主さんの悲しみは本当に痛いほど良く分かります。
私も十数匹ほどFIPで悔しい思いをしていますが、そんなFIPが治療できるようになる日が来たら、
悲しんでいた飼い主さん達と喜びを分かち合いたいです。
毎年、FIPや不治の病で逝ってしまう子たちは何匹かいます。
その度、亡骸をお花でいっぱいに飾り、猫スタッフや人間スタッフみんなにお別れをさせて、
愛情ペットセレモニーの田中さんに火葬してもらい、そして自宅事務所に戻ってきます。

私の場合、その子たちの遺骨は、事務所の16匹にオシッコをかけられない様にガラスケースに入っています。
それ以外、まだ小さな子猫うちに亡くなってしまった子たちは、自宅事務所の植木鉢で眠っています。

今ではその植木鉢で、草花が元気に育っています。
一度バロンがベランダに脱走した時、植木鉢をひっくり返してしまい、土がこぼれましたが、わずか半年で骨のかけらも見つからないほど
綺麗に土に還っていました。
わたしは、ガラスケースの子たちも植木鉢の子たちもこのままにしておきたいです。
土に還してあげないと可哀想というお叱りを受けるかもしれませんが、私自身が納得がいく土地が見つからず
縁も所縁もないところにこの子たちを置いていくのが、なんだか納得がいきません。
きっと、私の納得のいく土地が見つかった時、この子らを土に還してあげるか、願わくば、私と一緒にお墓に入ってほしいです。
あるお客様からこんなお話を伺いました。
「人が三途の川を渡り切るときに、岸の向こうに、今まで自分看取った動物達はみんな迎えに来てくれている」というのです。
もし本当にそうなら、死んでも楽しみだな~、マフ達に会えるんだな~と思います。
だから病気で死んでしまう子を見送るときは、「もういいよ!頑張ったね!行ってらっしゃい。先に行って待っててね。」と言います。
あまり苦しむときは、神様に早く迎えに来て!と御願いします。
亡くなってしまう子は、しばらく会えなくなるだけ、そう思うことにしています。
その子の寿命にたまたま縁あって立ち会うことになり、その子に愛情を沢山注ぐことによって、その子に喜んであの世に逝ってもらう、
そんな務めを果たすつもりで毎回見送っています。
ほかの子らの支えがあるから亡くなった数日後も元気で居られるのかもしれませんが、そう思っていると次の子らも幸せにしてあげよう、
と力が湧いてきます。
今いる子たちにも、逝ってしまった子たちにも、毎日私が元気で居られることを感謝しています。
レオの里親さんにも心穏やかな日がはやく訪れるように、願うばかりです。
※今回のブログ掲載にあたっての了解を、レオとマオの里親様には頂いております。森本さん、ありがとうございます。