ブラックフェイス3で面白い論点がでている。
ブラックフェイス、ちび黒サンボ、Emobile猿などなどの多くの問題に関連する問題なので、できれば、読者の方々にも考えていただき、幅広い意見をうかがいたい。
更新、ただ、調べてみると、上記のjapに関するイギリスでの用法について、イギリス人の言葉はどうなんでしょうか?
イギリスの辞書でもアメリカの辞書でも、Britはたんに、informal 、Japはoffensive, pejorativeと分類されていますから、イギリスでもそういう意味で使われているんじゃないですかね?
ですから、上記、案外妥当なんじゃないか、というところは、妥当な論点を含むかもしれない、と変更します。
ブラックフェイス、ちび黒サンボ、Emobile猿などなどの多くの問題に関連する問題なので、できれば、読者の方々にも考えていただき、幅広い意見をうかがいたい。
Unknown (Yasu)
2009-02-08 06:05:32
・・・・・・
ブラックフェイスは少なくともアメリカでは人種差別の一種として歴史事実が確立しています。他国の人が顔を黒塗りしてしまうのは、ブラックフェイスの歴史的事実を否定するものではなく、単なる無知です。つまり、歴史的事実に対する知識の差はあるが、認識について議論の余地がある訳ではない。この場合は、苦情が出たからやめるのではなく、歴史的事実の知識の欠如が責められるべきで、即やめるべきでしょう。
たとえば、アフリカ系アメリカ人をニガーと呼ぶことは、彼らを差別した歴史を持たない日本でも許されていない。歴史事実の認識が共有されているからです。しかし、ジャパンタイムズを読むと、イギリス人の中には日本人をジャップと呼ぶのをかまわないと主張するものがいる。これは、日系アメリカ人に対する差別の歴史的事実を無視しようとする行為であり、苦情の有無にかかわらずやるべきではない。
差別問題は共時的事実だけでなく、歴史的事実も併せて考えることが必要だと思います。歴史的事実を無視するのなら、あるいは「俺たちの国はこの人達を差別した歴史的事実がないから関係ない」と主張するのなら、共時的事実を考慮する根拠も失われてしまうと思います。
Unknown (Yasu)
2009-02-08 06:19:05
連投すみません。
ちなみに、「つり目」については、歴史的事実の認識が確立していない。だから場合によっては侮辱にもなるだろうし、リオのカーニバルで整形したときの例のように尊敬の念を表明することにもなる。(ブラックフェイスのコメント欄参照ーー空)
日本人の場合は、ブラックフェイスで尊敬の念を表明しようとしたのかも知れないが、歴史的事実を考慮すると、無知である、あるいは認識が甘いと非難されても仕方がない。
以上のように考えます。
Unknown (空)
2009-02-08 07:23:02
yasuさま
面白い論点がでているのでちょっとコメントさせていただきます。
>>イギリス人の中には日本人をジャップと呼ぶのをかまわないと主張するものがいる
ぼくはこれ、案外妥当なんじゃないかな、と思っています。歴史や現在の状況など精査してみないとわかりませんが、仮にイギリス人が差別感情や意味合いなく、Britsと同じくらいな感じで、Japsという言葉を使っているなら、これは構わない。
アメリカ以外の国の人がアメリカで居住する場合、アメリカの特殊事情に配慮をする負担はあるが、アメリカ以外の国に住んでいる限り、アメリカの歴史や社会の特殊事情を知る負担というのは、原則的に、なく、かえって、アメリカ人がイギリスに居住する場合、アメリカのような特殊事情はないんだ、ということを知る負担を負う、と考えます。
つまり
1)、外国から来た人は、当事国の(特殊)事情を知る負担を負う。
∴
あ)イギリス人はアメリカでJapという言葉が差別用語である、ことを知るべきである。
い)アメリカ人はイギリスでJapという言葉は差別用語でない、ことを知るべきである。
2)各国は他国の特殊事情に配慮して、自国の慣習などを変更する負担を原則負わない。
∴
う)アメリカでジャプが差別用語だからといって、イギリスでJapを差別用語と認定することはできない。
3)但し、国際的な場面では、どちらの慣習を優先させるかは、議論が残る。常にアメリカのーーーどこの国でもそうですけどーーー特殊な歴史に起因する特殊なプラクティスが優先すべきだとはかぎらない、
と考えます。
更新、ただ、調べてみると、上記のjapに関するイギリスでの用法について、イギリス人の言葉はどうなんでしょうか?
Jap
• noun & adjective informal, offensive short for JAPANESE.
oxford
Jap ABBR I pej inf Japanese: the ~s les Japs II adj japonais(e)
ABBR I pej inf Japanese: the ~s les Japs II adj
cambridge
jp
NOUN: Offensive Slang Used as a disparaging term for a person of Japanese birth or descent.
American heritage
Brit
• noun informal a British person
Oxford
brt
NOUN: Informal A British person.
American Heritag
Brit Show phonetics
noun [C] INFORMAL
a British person:
You could tell by their clothes that they were Brits.
Cambridge
イギリスの辞書でもアメリカの辞書でも、Britはたんに、informal 、Japはoffensive, pejorativeと分類されていますから、イギリスでもそういう意味で使われているんじゃないですかね?
ですから、上記、案外妥当なんじゃないか、というところは、妥当な論点を含むかもしれない、と変更します。
アメリカの歴史(どの国の歴史でも)は世界の歴史の一部でもある訳で、これから学ぶ必要はない、とは言い切れないのではないでしょうか、というふうに私は考えてしまいます。
まあ、たまたまジャパンタイムズで出された例がアメリカ関連のものであったからアメリカの歴史に偏ったコメントになってしまいましたけれど、黒人差別にしても日系アメリカ人差別にしても歴史的に大きい意味のある事件に対する認識を全世界で共有する、というのは大切だと思いますけどねえ。だからこそ、英国の辞書も用法を変えたんじゃないですか。もちろん、他の国の差別事件(ユダヤ人迫害等)も同様に大事だと思います。
空さんはどうして黒人差別にしても日系アメリカ人差別にしても「特殊な歴史」で他の国の人達は知る必要がないとお思いになるのですか。特殊でない歴史というのは例えばどういうものでしょうか。
私は空さんや他の読者の方たちと比べると圧倒的に知識量が劣っているのでこの場で教えていただけるとありがたいと思います。
よろしくお願いします。
町で知らん人から、Jap って声かけられたら、恐喝でもされるんじゃないかと思って足早に無視して通りすぎる。
知ってる人なら、 外人 が何か用? って言い返しましょうか。外人が差別だーって言われたら、私にとっては同じぐらいの、くだけた表現です。ぐらいで。
まぁ、こんなの、ひとりひとり受け止めかたは違うので、私ならこう思う以上のことはいえません。
行為の様相に関して、
非常におおざっぱですが、、
A)する、しない義務がある。
B)どちらでもよい、しても、しなくてもよい。
C)するのが望ましい、すれば称賛される、
という具合に区別されると思います。
ぼくは、他国の特殊事情に関しては、B)ないしC)だと思うのです。
で、仮に、国際交流が盛んになったり、移民が多くなってきているという事情を配慮しても、特定国家の特殊事情を優先させる必然性は原則的にない。それが、上記投稿3)の意味です。
そして、逆に、ある特定他国の特殊事情を知る義務の理由、および、それに基づいて、自国の慣習を変更すべき理由はなんなのか、という疑問があります。
と、申しますのも、一つには、世界には多くの異なる慣習やタブーがあり、これをすべて知るという負担はないのではないか、という素朴な直観があります。
そして、それぞれの文化や国家のタブーというのは、それぞれ、地域的、歴史的にはそれなりの意味をもっているとして、それを他国の人が、自国において、知る義務、あるいは、そのタブーに従わなければいけない義務はないのではないか、例えば、ブラックフェイスを扮装してはいけない、という義務はアメリカの特殊な歴史と特殊な事情を前提に発生してきた義務でり、そのような特殊な歴史と特殊な事情を欠く他国に必然的に義務が発生することにはならない、というのが理由です。
英語の記事で関連する記事がありますので、また、それについても投稿したいとは思っておりますが、私も無知を自認しておりますし、結論よりも推論の過程に興味があるほうですので、どうか、皆様の活発な意見を承りたい、と思います。
そうじゃなくて、黒人差別の歴史はどこの国の人であれ、知らないでは済まされないであろうと思った訳です。「ブラックフェイス」や「ニガー」はそれを象徴する事項として知っておくべきだという意味で、「ブラックフェイスの歴史」や「ニガーの歴史」なんか私も知りません。
矢島美容室なんかは、まさに、その特定の国の、特定の人種を対象に、特定の事情を顧みずにその人種が歴史的に被ってきた不幸の象徴を再現するという手段を使って成立している訳で、演じているみなさんも、その辺は知っていた方がいいのではないかな、と思いました。ただ単に黒く顔を塗った訳ではないですよね、この人達は。
それに、一般論として、すべての国の特殊事情を知る義務の理由はないかも知れないが、他国人のまねをする場合、その国は決まっているんだから、公に発表する場合はせめて知っておくべきではないかと思うんですけどね。
ジャップも、イギリス人なら知らない訳がないだろう、ということで英国の辞書も私とおなじ解釈をしているのだと思います。第二次世界大戦中の日系アメリカ人に対する差別行為は特殊な歴史ではなく、世界史的に重要な事件だと思います。この辺は、よくわからないので訂正していただけるとありがたいです。
あとお聞きしたいのは、世界中の人達が知っておいた方がいい歴史的差別と知らなくていい歴史的差別の見分け方と例を教えてください。
私はジャップとニガーは、背景に歴史的大事件である差別があるので、ガイジンとは差別的意味合いに大きな差があるのかと思っていました。
イギリスの辞書については、どういう意味で、offensive,pejorativeにしたのかはちょっとわからないとこでしょうね。おっしゃるようにアメリカの事情を配慮したのか、あるいは、イギリスでもそのような意識で使われているのか、どうか・・・
>あとお聞きしたいのは、世界中の人達が知っておい>た方がいい歴史的差別と知らなくていい歴史的差別>の見分け方と例を教えてください。
難しいご質問で私の力量に欠けますが、現時点の私の意見を申し上げますと、
差別に関しては、差別防止、という観点からは、それが理不尽であることさえ知っていれば、とりあえずは、それで、いいのではないか、
と思います。差別に関しては、例えば、私の意見は
「白人」
http://blog.goo.ne.jp/kentanakachan/e/bdcd8bf7433ca4a4a4c3aba8ea71dfd4
その他で記しました。
以前ピーターフランクル氏がテレビでしゃべっていたことの見たことがあります。現状の日本を憂える番組だったと思いますが、
彼はユダヤ系ハンガリー人で
http://ja.wikipedia.org/wiki/ピーター・フランクル
欧州にいたときは、ユダヤ系ということで差別をうけていたが、来日したとき、日本人たちは、自分に興味をもってくれて、記憶が正しければ、その当時、日本は天国だった、とさえ言っていたように思います。
外国人扱いということはあったのでしょうが、日本人はユダヤ人が大量虐殺されたことは知っていても、戦後でも、なぜ、どのように差別されているかについて大概は知らない。知らない故に、他の外国人と同様、少なくとも他の外国人と差別なく、好奇心をもって接したのだと思います。
それでいいのではないか、と思うのです。
Eモバイルの猿が問題になったことがありました。
日本人は一般に猿から黒人を黒人から猿を連想することはありません。そして、猿のとらえ方も欧米人とは多少異なる。侮蔑的につかわれることもあれば、同類的にあるいは、友人的に把握されることもある。
知ってしまうとかえって差別を誘発する場合さえある。
欧米で昔から、そして今でも黒人が侮蔑的な意味で猿と比定されることを知り、かつ、そのように比定することを否定するのは余分ではないか、と思うのです。むしろ、これなどは知らないほうが良いのではないか、とも思う。知ってしまえば、何かのきっかけで悪用したくなる。むしろ、日本人も黒人の方も、日本では猿と黒人を連合させることなく、また、そうした、ある地域の歴史にとらわれることなく、あるときは日本人が猿、あるときは黒人が猿、それでいいのではないか、と思うのです。nigger以外にも蔑称は様々ある。それを紹介して、それを使ってはいけません、という必要はないし、悪用される可能性を考えると有害な場合もある、と思うのです。
ここらへん、いろいろおもしろい?問題が沢山ありそうですね。
できれば皆様とご一緒に考えていければ、と思っております。
、
日本人はユダヤ人の迫害状況を知らないからユダヤ人に差別しなかった、ということですが、ではユダヤ人の迫害状況を知っていた日本人はピーターフランクル氏を差別したのでしょうか。
Eモバイルの猿についてですけれど、私も「猿から黒人」というのはすぐにはピンと来ませんでした。しかし、一国の大統領候補(当時)を動物に見立てるという行為自体ちょっと行き過ぎのように思えました。それに、「ある地域の歴史にとらわれることなく」とお書きになっていますが、これまさに当事国ですよ。しかも本人の人種が選挙でおおいに話題になっていた。CM制作会社はあまりにも軽率であったと私は感じました。
日本人でみんなに尊敬されていて人気のある人が、外国のCMで猿に見立てられたら多分私はいい気持ちがしないと思います。
「知ってしまうこと」の危険性もあるかもしれませんが、知らないから差別してしまうことも結構多いと思います。学校での外国人いじめなんかはその例ではないでしょうか。あと差別問題なんかも多くの人が知らないと思いますが、知っていた方がいいのではないか、と考えます。
なんか、私のことを日本人を貶めようとしている反日のように思っている方がいらっしゃるような気がするのですが、私がこのブログを訪問しているのはWaiWaiや有道先生に断固反対しているからですよ。
>私のことを日本人を貶めようとしている反日のように思っている方がいらっしゃるような気がするのですが・・
これは心配無用だと思います。
それに、、当ブログは親日でも反日でも左翼でも右翼でも、反有道派でも親有道派でも歓迎です。
>日本人はユダヤ人の迫害状況を知らないからユダヤ人に差別しなかった、ということですが、ではユダヤ人の迫害状況を知っていた日本人はピーターフランクル氏を差別したのでしょうか。
→差別される理由、差別のされ方を知っていたら差別するとは限りませんが、それを知る必要がない場合が多いし、知って有害な場合な場合がある、という意味です。
と申しますのも、現地で差別される理由というのは、不合理なものや、あるいは、迷信のようなものや、あるいは、こちらには理解しにくいものが、多く、現地の人々にそれは迷信である、と説明するために、その理由を知ることは有用だったり、ある程度の専門家が研究対象とする意味では、有用かもしれませんが、一般には不要であろう、ということです。
(この点
http://blog.goo.ne.jp/kentanakachan/e/ec3a1d562b21ddeb73323c77e7fba785
なども参照。)
逆に、差別する理由が中途半端に説得力をもつようにみえるものだと、それを信じてしまうものもいる。
また、差別用語にしても、悪用の危険に配慮して、辞書によってはアクセスに関して年齢制限をしている。
wog
http://encarta.msn.com/encnet/features/dictionary/DictionaryResults.aspx?refid=561511683
これも、知る権利などに配慮しつつも、悪用の危険に配慮したもので、適切だと思います。
差別のされ方についても、ここで言うのも何ですか、黒人の人をnigger と呼称する、黒人の人にバナナを投げつける、などということは、知らないほうがいいし、知る必要はないんではないか、と思います。
問題については、寝た子を起こすな論と同和教育論必要説があるようで、私の読んだ本では、確かに寝た子を起こすなということも、一理あるが、出身の子供が差別を受ける可能性がまだ、ある以上、出身の子供がショックを受けないように、予め教えておいた方がいい、というのがありました。
これも一理あります。
しかし、私は一般の反差別論ーーー理不尽な分類、理不尽な一般化や妄想的な一般化の理不尽な根拠による理不尽な直接間接の不当な扱いは理不尽であり、許されないーーーとして教えて、その対象として、女性や、海外では黒人などがあり、そうした理不尽な処遇をしている人もまだ、あり、そうした人に返って否定的な眼差しを送るべき、といった程度でよい、と思うのです。
例えば、ジブシーがどんな顔つきの人々で、どんな理由で、どのように差別されているのかぼくらはあまり知らない。しかし、それらの人を差別している人は愚かなのだ、という程度で十分なのではないか、と思います。
Eモバイル猿については、おっしゃる理由は一理ありますが、これは黒人は猿、猿は黒人という連想が欧米で存在する、という知識を前提としたものではなく、一国の大統領を猿に見立てるのはいかがなものか、という別の問題ではないか、と思います。
それに関しては微妙なところで、
アメリカではブッシュは猿と見立てられた、
日本では福田は猿に見立てられた、
それで特に問題はなかったが、しかし、
他国の人が他国の大統領を猿に見立ててるのはいかがなものか、
という問題は起きるとは思いますが、これは当時問題になっていた問題とは別問題ではないか、と思うのです。
活発な意見交換が当事者にも読者にも有意義だ、と思います。ありがとうございます。
感謝
全然お役に立てず、いつも教えていただいてばっかりで心苦しく思っています。
私は「黒人の人にバナナを投げつける」という行為があることを知りませんでした。無知ですね。恥ずかしいと思います。
私にはユダヤ人の友人がいて、差別の話を良く聞いているのですが、その割には実態を把握している訳ではないなあ、と思いました。
いろいろと勉強になりました。どうもありがとうございました。
昔、gaijinsmash さんの記事で中学生の女子生徒がAzさんにニガーといって、アメリカ帰りの英語の教師がびっくりして、その女子生徒を叱っていた、というようなことを書いていたことがあります。
ニガーという言葉自体を知らない日本人も多いけど、MTVなんかのテレビで出てくるそうです。で、なんとなくふざけた感じで使われていたのか、そこらへんよくわかりませんけど、そういうように知らぬ間にはいってきてしまう。
あるいは、サッカーの応援なんかでもへんなものを見てしまうかもしれない。
あるいは、ハリウッド映画なんかでも昔のものなどは特に、黒人の方の描写法など問題があるものも多い。
そういうのが知らず知らずに入ってきてしまってなんとなく固定観念が出来てしまったり、意地悪の仕方を憶えてしまう、というのもまずい。
ですから、学校やメディアで差別一般の愚かさなどは教育していく、ということ自体は重要だとは思います。