Bankの秘密基地

個人日記兼つれづれなるままに

投資法人債償還予定表

2009年08月27日 | 国内上場REIT
            図 今後予定されている償還予定投資法人債

 いよいよ9月から投資法人の償還がはじまる。REIT投資家にとっても気が抜けない
時期にさしかかってきていると言ってよいだろう。官民ファンドは民間資本の参加
によりどうやら民主党政権になるならないの区別なく成立するようだ。そうなると
最初にくるのは日本レジデンシャルの9月11日償還の債券となるが、どうもこれは間
に合いそうもないだろう。恐らく、合併相手のアドバンスレジデンスのメインスポ
ンサーである伊藤忠が何らかの形で保証して金融機関からブリッジローンを組んで
もらうという形になるのではないだろうか。それに、官民ファンドのスプレッドは
最低でも110bpと高く、現在日本レジデンシャルが借りている金利水準よりも高くな
る。

 次にくるのは日本ビルファンドだが、これは官民ファンドから借りる必要はい。
第一、コミットメントラインあるのだから、それを利用すればよい。次のプロスペ
クトリートが問題といえば問題だ。格付けは取得しておりJCRでBBB(安定的)となっ
ている。格付けだけからすれば官民ファンドからの借り入れはできなくもないが、
JCR....だからね。少し微妙だ。それにまだ問題がある。発行している投資法人債は
ユーロ円LIBOR+100bpとなっているが、仮に借りられたとしても官民ファンドの基準
からすれば、200-400bpくらいの上乗せになるのではないか。

 官民ファンドはREIT救済の色彩が強いといってもその融資金利は基本的にペナル
ティ金利水準での融資となる。すなわち、民間での自力調達ができないREITに対し
て「貸してやる」のだから、当然、その水準はペナルティに近い意味合いを持つ。
50億円の償還で、仮に150bpスプレッドが拡大すれば年間7500万円の金利コストの上
昇。1期分では3750万円となる。なんだ大したことないじゃないかと思えるが、プロ
スペクトの今期予想経常利益は377百万円。中小REITにとっては金利コストの上昇だ
けで利益の1割が飛ぶ。クレッシェンドも200億円の償還が待っているが、このREIT
こそ官民ファンドの助けが必要だ。しかし問題なのは格付けがBBで官民ファンドの
対象になるのかかなり微妙だ。健全なREITの定義を拡大解釈すれば貸せるとは思う
が、普通に考えると対象とは思えない。クレッシェンドの動向には要注意だ。

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