Bankの秘密基地

個人日記兼つれづれなるままに

アドバンス・レジデンス投資法人(8978)

2009年03月28日 | 銘柄研究
配当利回り 7.94%
LTV    57.9%

 スポンサーが大手総合商社の伊藤忠。当法人は住宅専業REITの一つで資産規模
854億円、50物件、賃貸可能戸数4924戸の知友規模のREIT。資産運用会社には
伊藤忠グループが68%出資しており、残りは日本土地建物(20%)、あおぞら銀行、
オリエントコーポレーション、住友信託銀行、みずほ信託銀行が各3%ずつと
なっている。伊藤忠グループとの関係は伊藤忠が物件ウェアハウジング機能を担
いREITとの相乗効果を高めるために設立された。伊藤忠はグループで不動産
開発を行っていることはそれほど知られていないが、グループの中にセンチュ
リー21などPM事業、リーシング事業を行う会社がある。

 ポートフォリオの特徴は首都圏で86%を閉めており、内71%が東京23区内。ポート
フォリオの79%が築5年以下となっている。用途別ではシングル・コンパクトが76%と
なっており、ファミリータイプが少ない。物件の93%が駅から10分以内。70%は5分
以内の立地になっており、物件の競争力は比較的高い。また、学生向けが34%と
高いのも特徴の一つである。REITのポートフォリオ更正としては無難というか。
それほどの特徴は見られないが、リスクを抑えた形になっている。期中の平均
稼働率も直近の第6期で97%と高くなっており、特段のリスク要因は見られない。

 バランスシートをみると他のREITと比較してLTVが高いのがきになる。また
投資法人債の残高が100億円あり、リファイナンスリスクは皆無であるとはいえ
ない。但し、スポンサーが伊藤忠であることを考慮すればなんとかなりそうである。
産業ファンドのように劣後投資法人債の発行という手もあるし、第一に発行
残高がそれほど多くない。第一回の投資法人債の償還が平成23年11月(50億円)、
第2回が平成24年11月(50億円)と極端に大きな償還があるわけでもなく、加え
て2年後であることからリスクは小さい。また負債に関していえばすでに100%
の借入れ分は長期化しており、リファイナンスコストの上昇はなく、社長も配当
に関してコストの上昇による下方修正リスクは目先はないと言明して
いる。
これもさすが大手スポンサーがバックについていることだけはある。他のREIT
と同じように増資による外部成長ができないのが現状であるが、伊藤忠の方
ですでにブリッジ用ファンドを組成しており、外部成長が可能であればすぐに
でも物件購入ができる体制にしてあるとのことだ。

 投資判断としてはとりあえず「買い」で構わないが、あまりにも平均的で
面白みがないのも事実。

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アビーのキャッシュカードのアクティベーション

2009年03月25日 | グローバル投資
 アビーのオフショア口座を開設してからはやくも2年がたった。有効期間が切れたので新しいカードが送られてきた。というか、2年で切れるのは早すぎる気もするが規則なので仕方がない。ゴールドカードはまあ、そこそこの使い道があり、特に海外でのインターネット通販なんかで利用できるしそれなり重宝している。それにしても新しいカードが送られてきたのはいいが、日本のカードと異なりまたアクティベーションが必要だ。ロンドンまで電話しなくてはいけないのが億劫だが、黙っていてもカードは利用できない。そういえばアクティベーションってどうやるんだっけと記憶を探るが思いだせん。いやいや、このブログに書いてあるではないか。そうかあれ、コードワードってなんだっけ。んーーー。まあ、なんとかなるか。というわけで以下に電話の会話。(当然すべて英語です)

電話すると自動音声。

自動音声「既存のアビーのお客様は1を押してください」
「1」を押す
オペレータ「カスタマーサービスです。」
私    「新しいカードを受け取ったのでアクティベーションしたいのですが」
オペレータ「わかりました。....(早くて聞き取れなかった)をどうぞ」
私    「口座番号ですか」
オペレータ「いえ、カードの番号です」
私    「ああっ、****-****-****-****です」
オペレータ「はい。結構です。Mr.Sakai(仮名)ですね。それではほんん確認の為のセキュリティコードをおきかせいだいておりますので。テレホンバンキングのパスコードの1と6番をどうぞ」
私    「はい。パスコードの1番は*、6番は*です」
オペレータ「????」
私    「.....」
オペレータ「えっと、1番と6番ですが...」
私    「ええ、ですから*と*です」
オペレータ「......」
私    「......」
オペレータ「もしかしたら、インターネットバンキングのセキュリティコードでは...登録されているテレホンバンキングパスと一致しません。」

 突然、意味が理解できた。どうせテレホンバンキングなんぞするつもりがないのですっかり忘れていた。あせる。

私    「ええっと、テレホンバンキングパスはインターネットとは違うんですよね...」
オペレータ「はい、パスコードはどこかに書いてないのでしょうか」
私    「多分、みつかるかと思いますが、今はわかりません」
オペレータ「テレホンバンキングパスがないと本人確認できないのですが....」
私    「いまはないです。探しますのでまた改めて電話します。
オペレータ「そうですか、それでその時に」

うっかりしていた。なんでテレホンバンキングパスが必要なのか、口座開設には必ずテレホンバンキングサービスを申し込まないと口座自体開設できない仕組みはこの理由からであった。そうなんだ。そうなんだ。とにかく探すとすぐに見つかった。早速、電話。

オペレータ「カスタマーサービスです」
私    「カードのアクティベーションをしたいのですが」
オペレータ「あぁ、Mr.Sakai(仮名)。私です。カールです。」
  (名前なんかいってたかな。何故か親しげ)
私    「ああ。ども。カード番号からいいましょうか。」
オペレータ「いえ、いいです。すぐに確認できましたから。テレホンバンキングパスは見つかりましたか」
私    「はい大丈夫です。」
オペレータ「ではパスの1番と6番をお願いします」
私    「1番は*、6番は*です」
オペレータ「結構です。それでは生年月日をどうぞ」
私    「****.**.**です」
オペレータ「はい確認できました。いまからアクティベートします。」
....このあいだ10秒程度....
オペレータ「いまアクティベートできました。他に何か御用はありますか」
私    「いえ、結構です。どうもありがとう」
オペレータ「ありがとうございました。」

以上でアクティベーションは完了。因みに本人確認の為にテレホンバンキングパスの一部を聞くがそれはランダム。今回は1番と6番の文字を聞かれたが、オペレータによって変る。また、パスはすべてを聞くわけでなく、パスの一部だけを聞く形となる。また、今回は生年月日を聞かれたが、これもランダムで変る。memorable nameとかmemorable year、母親の旧姓とか登録した質問が聞かれる。まあ、なんにせよ、海外での口座の運用は便利であると同時に不便。

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日本レジデンシャル投資法人(8962)

2009年03月25日 | 国内上場REIT
LTV 54.7%
配当利回り 30%

 破綻したパシフィックホールディングス(PH)がスポンサーを務めていたREITは2社あり、そのうちの一つ。REIT投資家は当法人と日本コマーシャル投資法人の2社がいったいどうなるか固唾を呑んで見守っている。資産内容の分析をしても仕方がないので今回はJREITフォーラムで開かれた会社説明会で社長の説明を中心に書く。社長もまどろっこしいポートフォリオの内容は一切せず、事前に受けた質問への回答という形で説明を行った。

 簡単にポートフォリオの内容を記すと、総資産3239億円、139物件、9382戸を運用する。名前のとおり住宅専門REITで、8割弱が東京23区内、48%が港区、渋谷区、新宿区、目黒区、千代田区など都心5区で構成されている。保有ポートフォリオの平均築年数は4.9年、LTVは52.6%、借入金加重平均金利は1.37%とこれだけみれば破綻しそうにないポートフォリオで、現在の株価形成はひとえにスポンサーリスクをあらわしたものとなっている。本来であればREITの特性を鑑みればスポンサーのクレジットリスクは関係ないはずだか、日本のREIT市場自体、まだ投資家のREITに対する理解が不足していることが要因だろう。

 質問の第一はやはりスポンサーに関してだが、社長によるとパシフィックの保全管理人就任と同時に構成計画が策定される予定であるが、パシフィックが保有している運用会社(日本レジの運用会社であるパシフィックレジデンシャル)の株式は更正計画から除外する予定であるという。これはどういう意味かといえば、会社更生法対象外であることから、REIT自身になんらかの制約条件が課されないことを意味しており、JREITの社会性を考慮したとのことだ。現在、パシフィックとのスポンサー契約は解消しており、株式以外は全くの第三者という関係になった。

 第二の質問は新スポンサーの選定状況だが、さすがに答えられる範疇ではないものの、複数社とコンタクトをしており、早期に決めたいとしている。スポンサー選定に関してはLender5社(三菱UFJ、三井住友、中央三井など)の了解が必要とのことで、かってに決められないが、半年、1年先としいうわけでなく、なるべく早期に決めたいとのこと。

 リファイナンスに関しては銀行団のロールオーバーはは可能だとかんがえており、問題となる投資法人債の償還がどのようになるかがポイントとなろう。今年の9月に60億、10月に120億円の償還があり、第三者割当増資、株主割当増資、Debt Debt Swapなど選択肢はいつくかあり、投資法人存続を最優先させたいとしている。すなわち、資産売却による返済。その際に売却損がでて減配もしくは無配という形になっても法人存続が可能ならば行うとのこと。但し、前述のような状況となる場合、一時的なもので2期、3期連続という形は考えていない。

 結論としていえば、ハイリスク、ハイリターンで、新スポンサーが有名所であれば株価は吹っ飛ぶだろう。もしくは大幅な売却損で無配とシナリオはありすぎで投資判断は不能。


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ジャパン・ホテル・アンド・リゾート(JHR 8981)

2009年03月24日 | 国内上場REIT
配当利回り 18.68%
LTV    45%

 日本のREIT市場ではホテル専業REITが2銘柄上場しており、そのうちの一つ。ジャパン・ホテル・アンド・リゾート(以下JHR)は米国大手投資銀行ゴールドマンサックスが実質100%運営しているホテルファンドで総資産929億円と中規模なREITである。当法人のポートフォリオは大きく分けて3つあり、GSが直接運営するHMJ(ホテルマネジメントジャパン)とワシントンホテル、ダイワロイヤルなど第三者のオペレータへの賃貸し収入である。HMJが運営するのは神戸メリケンパークオリエンタルホテル(神戸ではかなり有名らしい)、オリエンタルホテル東京ベイ(ディズニーランドの隣)、なんばオリエンタルホテル、ホテル日航リビラ(沖縄)、オリエンタルホテル広島などである。ワシントンホテルは奈良、博多などが主要物件でダイワロイヤルは秋田の物件である。

 ビジネスモデルでの特徴はHMJの賃料は固定賃料であるのに対して第三者オペレータへはパフォーマンス賃料となっている。株価の下落からあまり回復していない大きな原因は投資家が景気の大幅な悪化でパフォーマンス賃料が大きく目減りすることを想定している推定される。これについては景気変動要因は無視できないものの、パフォーマンス賃料がいきなり半分になったりすることはほとんどなく、賃料減収のインパクトは全体からならすと2桁は行かないのではないかとの見方を示した。

 財務内容は悪くない。米国金融危機でシティグループが実質国有化されてもGSは恐らく腐っても鯛というか、まあ大丈夫でしょう。日本の投資家はシティとGSの区別もつかないので心配している人がかなりいると思うが、シティとGSは全然違います。バランスシートはGSからの第三者割当増資を実施したことでLTVは低下しており、リファイナンスリスクはそれほど大きくないと考えられる。一番の問題点は分配金支払い頻度で他のREITと異なりここだけ年一回配当になっている。それを嫌う投資家が結構いるのも事実。今期予想配当18862円を考えると利回り18%、スポンサーがGSといったことを考えればなんでこんな値段なのとも思えなくもない。投資判断は「買い」だ。私募のラブホテルファンドの利回りが確か8.4%、しかもスポンサーは無名企業。それと比較しても安い。他のREITとの比較でも財務安定性、リファイナンスリスク、分配金のボラティリティーリスクを含めても安い。


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スターツプロシード投資法人(8979)

2009年03月24日 | 国内上場REIT
配当利回り 14.9%


 スターツグループがスポンサーとなっている小型住宅専門REIT。 73棟、2755室、資産規模364億円と小型。また他のREITが東証上場しているのに対して唯一JASDAQ上場のREIT。したがって機関投資家の知名度も低く、株主構成も73%が個人というのも特徴。ニューシティレジデンス破綻以降、売り込まれたREITは多いが、当法人も大きく売られピーク株価24万円から大きく下げ、現在は5万円台となっている。

 ポートフォリオは首都主要都市が87%、政令指定都市12%。また、67%がシングルタイプ、10%がDINKS向け、ファミリータイプは20%となつている。また当法人の約定賃料は90%が12万円以下、うち、6万円以下が48%となっている。社長の説明によれば、賃料下落圧力の高い物件は高額物件に偏っており、もともと低い賃料が大幅に下落することはほとんどない。年収700万円以下の一般的な層を対象とすると月額家賃は10万円以下であれば、賃料下落のリスクはほとんどないと言ってよい。期中平均稼働率も97%と事情から大きく変化しておらずポートフォリオの安定性を強調していた。

 リファイナンスコストの上昇圧力に関して質問したが、社長はリファイナンスコストの上昇は認めたものの、主力のりそな銀行、あおぞら銀行とは親密先であることから融資が受けられないという可能性は低い。スターツグループの創業者はもともとりそな銀行の全身である大和銀行をスピンアウトしたことから、母体行であるとの認識を持っているらしい。日本政策投資銀行からの融資に関しては話はしたことがあるらしいが、政策投資銀行の融資金利が高く、わざわざ高い金利で借り入れなくてもよいとの考えらしい。

 現在の単独スポンサーから複数スポンサーになる考えについても問いただしたが、あまりその気はなく、スターツグループで支えることは十分可能であるとの認識だ。当法人は投資法人債の発行はないものの、万が一、リファイナンスコストが大きく上昇するようであれば、産業ファンドが三菱商事から劣後債の引き受けをしてもらったようにスターツグループが劣後債を引き受けるという選択肢は考えられるといった。REIT同士のMAに関しても買収される方でなく、買収する方であるとの考えで結構大きく出たなと内心思ったが、グループの力を社長は信じているようだ。

 話はとても面白かったが、リファイナンスリスクが低いとはいえず、今後の展開を考えると少し慎重になる必要はあるだろう。但し、過度の警戒も不必要で現在の株価水準では投資も可。

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日本プライムリアルティ投資法人(8955)

2009年03月19日 | 国内上場REIT
 日本プライムリアルティ投資法人(8955)が決算を発表、同時に今期の分配金予想の下方修正を行った。下方修正の理由は大阪北浜地区再開発物件のKM複合ビル事業において物件取得を計画していたが、それをキャンセルし、解約違約金19億円の支払いを行うのまが主たる理由である。当投資法人はスポンサーに東京建物、明治安田生命、安田不動産、損保ジャパン、大成建設を擁するREITでオフィス、商業施設に投資する複合REITである。ポートフォリオはオフィス64%、商業施設35%で、東京23区内立地が49%と地方への分散投資が特徴となっている。

 今回の違約金発生に伴い分配金はほぼ半減し、3300円となった。年率換算での配当利回りは3%台とREITトップの日本ビルファンドやジャパンリアルエステートよりも低下。当然のことながら投資口価格は急落。今日現在でストップ安売り気配で推移している。REIT投資家にとてニューシティレジデンス投資法人の民事再生法申請は記憶に新しい。ニューシティでも違約金発生によりREITの導管性用件を満たすことが困難となり、民事再生法申請に至った。しかしながら、このような事態はどうして起こったのであろうか。スポンサーの顔ぶれをみればファイナンスの問題は少なく、また価格交渉により物件価格の改定(値下げ)要請をぶつけることも可能ではなかったのか。

 今回の売却側には三洋ホームズ、アートプランニング、NTT都市開発、神鋼不動産、平和不動産、名鉄不動産などだが、交渉の余地はなかったのであろうか。決算短信には市況下落による鑑定機関による鑑定価格と取得価格の差が大きく乖離すると書いてあったが、それがどの程度なのかのディスクロもなく、価格再交渉の余地があったのかなかったのかも定かではない。短信にさりげなく書かれていたように金融機関からの融資が困難になったのではないかとも思える。当投資法人のスポンサーの顔ぶれでも融資環境はますます厳しくなっていることを示唆しており、しばらくJREIT市場の不安定さは拡大するこそすれ、沈静化はしないだろう。

 このニュースでJREITは全面安となっているが、次のカタリストとしては2月下旬のパシフィックホールディングスのファイナンスの成否だろう。傘下の日本コマーシャル投資法人、日本レジデンシャル投資法人のスポンサーであり、パシフィック倒産などという事態になればさらに下落に拍車がかかるかもしれない。一方で、日本コマーシャル、日本レジデンシャルともに予想配当利回りが30%を超えており、ある程度のリスクは株価にはおりこんでいるようにも見える。2月、3月のJREIT市場には目が放せない。


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福岡REIT(8968)

2009年03月19日 | 国内上場REIT
Price : 357000
P/NAV : 0.45x   配当利回  9.5%


 九州を中心とした地域特化REITで、地域特化型は当法人のみが上場している。スポンサーは福岡地所で非上場ながら九州有数の不動産会社。また資産運用会社の株主構成を見ると福岡地所が50%と最大だが、九州電力(10%)、福岡銀行、西日本シティ銀行、西日本鉄道、西部ガス、九電工、JR九州、ロイヤルホールディングなどが各5%とさながらオール九州といった形となっており、九州財界が当法人を設立したといっても過言ではない。

 設立の経緯はREITが解禁されて数多くの投資法人が上場したが、東京設立のREITに対抗して九州地盤のREITをといった思い入れで設立されたこともあり、九州財界が鳴り物入りで設立した形である。福岡地所が形の上でのスポンサーであるものの、「オール九州によるREIT」という性格が強い。従って、資産運用会社へは福岡地所だけでなく、JR九州、西日本鉄道、西日本シティ銀行、福岡銀行などの各社が人材を派遣している点が他のREITと異なってている。

 LTVは41%、格付けはSPからAマイナス、R&IからAプラスを取得しており、いずれもアウトルックは安定的となっている。さらに直近では日本政策投資銀行が当法人に5%出資を決めており、財務の安定性は抜きん出ている。従って資金繰り懸念から配当が調達金利が上昇して配当が減少するといったリスクが少ない銘柄だろう。

 ポートフォリオは福岡のキャナルシティの半分、パークプレイス大分などの大規模モールが主体。期中稼働率は99.3%と高水準を維持しており、加えて契約形態が定期借地契約となっており、途中解約リスクが極めて少ないのが他のリートと異なる点である。築浅物件がほとんどであることから物件売却をほとんど行っておらず、他のリートのように物件売却で配当利回りが上昇し、翌期に大幅減配になるようなリスクがなく、利回りの安定性も抜群だ。リスクとしてあるとすれば福岡地所のスポンサーリスクであるが、設立の経緯を加味して考えると仮に福岡地所に問題が発生しても他の九州地盤の出資企業が肩代わりする可能性が強いことから破綻リスクも低いと判断されるだろう。また出資企業に福岡銀行、西日本シティ銀行がいることからリファイナンスリスクも少ない。

 現在の株価はNAVに対してほぼ半分となっており、配当利回りも10%近い水準である。リスクの低さを考えれば投資判断は「買い」だ。但し、キャピタルゲイン狙いでなく、中長期でのインカムゲイン狙いが妥当。


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産業ファンド(3249)

2009年03月19日 | 国内上場REIT
Price : 205000
FFO倍率 5.7x  配当利回り 9.07%
LTV 49.7%

 産業ファンドは三菱商事、UBSをメインスポンサーとするロジスティクス(物流)センターなどの産業用施設運営に特化したREIT。10施設を保有し、ロジスティクスでは三菱商事、三菱電機、佐川急便。神戸のコジェネレーションでは大阪ガス、羽田空港のJAL向けメンテナンスセンタなどを運営している。

 発表された08年12月期の決算は無難な内容で会社予想と比較しても若干の上方修正となった。今期6月期の決算予想は金融費用の増加などで減益見込みであるが、たいていのREITは保守的な予想をすることからこれも無難な予想であると考えられる。12月決算時の配当予想は12132円に対して6月期配当が9303円となるが、キャピタルゲインなどを除いた純粋な運用収益での数字であることから無理のない数字ともいえよう。しかしながら、今後の景気下降局面で、ロジスティクスセンターの稼働率の低下が見込まれないのか
といった点には注意を要する。

 決算での注目点は配当ではなく、当ファンドが発行を決めた80億円の劣後投資法人債だろう。スポンサーリスクがないとはいえ、当ファンドのLTV(Loan To Value、資産に対する負債の比率)が60%と突出して高いことからリファイナンスリスクが懸念されていたが、劣後債の発行により、LTVが50%を下回ることになった。同じ負債であるにも関わらず、LTVが低下するマジックはこうである。通常、銀行からの借り入れには財務制限条項などが設定されているが、REITの場合、LTVがそれに該当する可能性がある。したがって、LTVが上昇しすぎると保有不動産を売却するリスクが高まるが、劣後債は他の債務より劣後していることから、銀行シンジケート団は有利子負債にカウントしない。LTVが低下すれば調達余力が高まり、最悪の環境下での保有不動産の売却は避けられる。また、優良な不動産しか市場では売却できない状況で無理に優良資産を売却すとキャッシュフローが劣化することにもなる。劣後債発行はそれらを防止し、将来の借り入れ余力も高めることができる魔法の杖と言ってもよい。因みにこの劣後債はスポンサーである三菱商事が全額引き受けるプロ私募の形を取っており、他のREITが簡単に真似できる芸当ではない。

 問題は投資判断だが、株価の低下によりNAV倍率(PBRに相当)は0.43倍と大きく低下している。これは他のREITも同様であるが、スポンサーリスクがないことと、ファイナンスリスクが大きく低下したことは評価できる。しかしながら、最大の問題点は保有不動産がロジスティクスセンターなど景気に敏感な不動産で稼働率の低下が予測される。JALのメンテナンスセンターなどは大きく低下すると考えるのが妥当であり、景気悪化を業績面で織り込んだとは考えにくい。今しばらく投資は控えたい。

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日本セラミック(6929)

2009年03月19日 | 銘柄研究
Price : 889 PE
PBR 自己資本比率 95.7%

 赤外線センサー、超音波センサー大手。赤外線センサーでは国内90%、グローバルシェア60%を誇る。赤外線センサーはエアコン、電子レンジなどの電機業界がユーザーで超音波センサーは自動車用バックセンサなどが主要ユーザー。セグメントは上記の赤外線、超音波センサ、モジュール部品、フェライト、その他の5つに分かれる。

① 赤外線センサー
  今期売上げ実績38.86億円、営業利益8.27億円。前年と比較すると16%の売上げの減少で今期も減少する見込みである。ユーザーである電機業界の需要が第4四半期に急減。需要回復の見込みがたたない。

② 超音波センサ
  今期売上げ42.5億円、営業利益12.05億円。前年比較では売上げで34%もの増収となったが、これも第3四半期までで最後の四半期には売上げが急減した。自動車用のバックセンサは普及し始めたばかりで現在もレクサスの上位機種のみに搭載されている。今後は普及にともなって数量の成長が見込まれるものの、今来期の話ではない。今期も会社側は減収を見ている。

③ モジュール・フェライト
  センサを組み込んだ複合部品で人感センサなどの住宅用途が主体。住宅着工の減少はマイナスだが、リフォーム需要を吸収して底堅い。売上げ32億円、営業利益5億円。フェライトはモーターやACDCコンバーターなどが主たる用途で売上げ19億円、営業損失1.8億円。この部門だけ2年連続赤字。

 今期は売上げ、利益とも減益を予想し、利益では70%以上の減益を見ている。但し、会社は全くユーザーの需要動向が見えないことから売上げで30%減少するという「鉛筆を舐めた数字」をとりあえずいれたとしている。前期末にフェライト事業で10億円弱の減損をおこなっていることから、少なくとも赤字事業の黒転は見込める。保守的な数字を入れたつもりとのことで、景気の反転があれば上方修正もありうるが、現時点では全くの不透明。バランスシートは極めて良好で現預金等で170億円あり、時価総額220億円と比較しても割安ではある。当社の技術力を考慮すればキャッシュを除く価値が50億円しかないとは思えない。しかしながら、フローの利益では大幅に減少することから、景気回復の可能性が出てくるまでは見送るのが妥当だろう。

 新製品の紹介もあった。パラメトリックスピーカといって超指向性のスピーカで横にずれると音が聞こえなくなるスピーカ、券売機や銀行ATMなどユーザー同士が隣り合っている場所での利用などが考えられている。またフェライト事業は太陽光発電や風力発電で使用するDC/ACコンバーターなどが将来期待できると言っていた。

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ソフトフロント(2321)

2009年03月19日 | 銘柄研究
株価 20500 PE 32
配当利回 0.00% PBR 1.71

IP電話やビデオ会議を実現する技術『SIP』のソフトウエア開発・技術支援で国内首位級。これも当初から全く期待していなかった。何でこんな会社の説明を聞きに着たのかもよくわからずにとりあえず社長の話を聞くと結構面白い。NGN関連技術に強みを持ち、取引先もNTTドコモ(20%)、ケイオプティコム(関電子会社、18%)、などの大手が多い。NGNは現時点では電話網からIPネットワークへのシフトが中心で、アプリケーションらしいアプリがないのが現状で市場としても立ち上がっていない。NTTはこの状況を打破すべく、キーとなるテクノロジーを保有する当社に出資することを決定。説明会当日にこの話があり、翌日に株価は吹っ飛んだ。当社はNGN関連アプリケーションを開発するSDKすなわち開発キットをユーザー、ソフト開発業者に提供する。今年5月までにはSDKの無償ダウンロードサービスを開始し、来年には有料化する予定。

従来のSIP開発支援ツールは通信機メーカ、家電メーカ、事務機、組込み系SIerなど限定的であったが、今回無償ダウンロードサービスを開始するにあたり、中小ソフトハウス、ソフトウェアベンダー、SIerなど顧客層が大きくなることが予想される。注目されるアプリケーションとしてはコールセンタ、オンラインショッピング、介護、金融機関ATM、旅行予約、ホームセキュリティなど用途の拡大が想定される。NTTとしてはNGNアプリケーションの拡大で回線使用料の増加を期待して当社に出資するにいたった。

 競争条件に関して質問したが、NTTは今回のNGN拡大策で有望なソフトウェア開発会社への出資を積極化する予定で当社が第一号とのこと。NGN開発SDKに間は複数の企業を支援するということは恐らくないとのこと。問題のビジネスのサイズだが、開発支援ソフトという位置づけから巨額なロイヤリティがでることは期待できないが、年間数億円の安定したロイヤリティが期待できる。

 株価面では面白い話だが、資本提携発表により株価が吹っ飛んでおり、追いかけるのは危険。事業のマネタイズも来年以降になることから今はAvoid。


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リンク&モチベーション(2170)

2009年03月19日 | 銘柄研究
株価 48650 RoE 22.3% PBR 1.8x PER 8.1x
Div Yield 4.17% 自己資本比率 76%

人材採用、研修、コンサルティングがビジネスのコア。2000年からの創業で急成長。現在、顧客企業1207社、平均顧客単価 2635千円。

事業は①人事制度、教育研修などのモチベーションマネジメント事業(MM)、②採用テスト、選考官トレーニング、採用戦略コンサルなどのエントリーマネジメント(EM)、③マーケティング支援、IR支援などのブランドマネジメント(BM)、④事業所移転などのコンサルテーションなどのプレースメント(PM)事業の四つからなり、MM、EMの二つの事業で売上げ、粗利の大半を占める。

 前期は中小企業顧客からの予算カットなどがあり、売上げ計画を下回ったのに加え、SGAの増加により予算未達となった。今期の予算は微増益を計画しているが、主力のMM、EM事業の減収を見込みながら、BM事業の大幅な増収を見込んでいる点で硬い予算であるかはやや疑問。無借金のバランスシートなどもともと保守的な会社ではあるが、下方修正リスクは依然として内包していると考えたほうが良いだろう。第一に企業の新規採用計画自体、今後大幅に下方修正もしくは凍結といった事態も見込まれる。少なくとも第一四半期、第二四半期の状況をモニターする必要があるだろう。BM事業の増益は37%増加をみており、子会社のイーニュース(決算説明会動画配信)、日本インベスターズサービス(個人投資家向けIR説明会)などの子会社買収によりIR事業が寄与すると見ている。またグループ会社の再編などによりコストカット効果を見込む。

 説明会では「アウトプレースメント事業をやらない理由」を聞いたが、社長にアウトプレースメント事業は人材斡旋業にあたり、当社もライセンスを保有しているものの、すでに先行している企業が多く、競争が厳しいこと。さらにこの事業自体、利用者(解雇者)、受注企業ともにstressfulな仕事で当社の企業風土に合わない点を上げていた。しかしながら、企業の人事プロセスとは「hire & fire」が基本であることを考え合わせると当社がアウトプレースメント事業を手がけることによるワンストップショッピングを実現する方が現実的なアプローチであるような気がしてならない。また今後、新規採用より雇用削減がメインテーマになることを考えると当社の戦略はいささか的外れのような気がする。

 なお、配当は日本では数少ない四半期配当を実施している。配当政策もしっかりしており、普通配当性向30%を適用し、四半期毎に500円、年間2000円の配当を実施する予定である。昨年は上場記念配当20%が上乗せされて50%の配当性向であったが、今期は減配となる。

 株価はピーク時から見て大幅に下落しており、一年前に20万円以上であった株価が現在48650となっているのは確かに割安感あるかもしれない。但し、PBRが一倍を上回っていること、配当がカットされること、今期の下方修正リスクが高いことを考え合わせれば、avoid but monitorといったレーティングが妥当だろう。


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インフォメーションディベロップメント(4709)

2009年03月19日 | 銘柄研究
インフォメーションディベロップメント(4709)
株価 485 RoE 13.2%
PBR 0.66x PER 5.39x
Div Yield 3.91% 自己資本比率 59.5%

 システム運用業務主体のソフトウェア会社。コア事業がシステム管理、保守などの事業であり、成長余力という点では限界があるものの、優良顧客を囲い込んでいる。顧客ブレークダウンをすると情報通信で43.8%、金融で56.2%の内訳となっている。情報サービスではNTTデータ、ANA、東京ガス、東京電力、金融業では農林中央金庫、みずほ、明治安田生命、第一生命、日本IBMなどである。日本IBMはIBMの顧客企業の二次受けという形になっている。また当社は直接契約企業の比率が83%と高く、プライム比率が高いのも特徴。運営管理が売上げの53.6%、ソフトウェア保守・開発が35.2%、BPOが8.4%という内訳となっているが、ソフトウェアの三分の二はシステム運用管理に関わるリピートオーダーが多く、売上げのボラティリティはそれほど高くないと考えられる。

 極めて硬い会社であるとの印象。但し、配当利回りはそれほど高くない。配当は中間配当がなく、期末配当のみ。当社の事業の大半がストックビジネス中心であることから事業の安定性は抜群であると考えられるが、一方で金融機関からの受注は厳しさを増すと考えられる。社長も下方修正リスクを否定しなかったが、同業他社と比較するとその比率はマイルドではあろう。過去のITバブル崩壊を例にとれば、ソフト業界はピークから2年連続して下降トレンドが続いた後に底打ちしたことを考え合わせれば、今回のピークは昨年。それから考えると底打ちは来年ということになる。ただ、これはあくまで一般的なシクリカリティを前提としており、今回のような金融危機に伴う恐慌状態の底打ちに果たして2年程度で済むかは全く自信がない。幸い当社が顧客としている日本の金融機関は海外金融機関と比較すれば傷が浅いものの、事業会社の業績が悪化すれば当然迂回的に打撃が継続し、事業会社の多くが海外収益に依存している点を考慮すれば慎重な判断が求められよう。

 社長は今後の中期的な目標として基盤系ソリューション事業の展開を考えているようだ。基盤系とはシステム運用管理とソフト開発の中間に位置するもので、言ってみれば開発キット(SDK)の提供業務である。この分野は大手も中小ソフトハウスもあまりカバーしておらずビジネスの機会は多いが、どの程度かは不明。加えてCATという会社を買収したが、同社は文書電子化を手がけており、アプリケーション範囲は大きい。例として挙げられたのは顧客の東電の保有する設計図の電子文書化によるデータベースの構築など企業に眠る膨大なハード文書の電子化はビジネスチャンスが大きい。

 株価は冴えないが、15%は外人が保有している。半分がカルパース、残りの半分がCLEFでかなりの大物が当社を長期ホールドしている。事業の質は高い。どこかでは買いだと思うが、現時点であるかは自信がない。下方修正を待った方が良いかも。


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ぐるなび(2440)

2009年03月19日 | 銘柄研究
Price : 200100 PER : 24.7x
PBR : 6.1x ROA : 19.3%
自己資本比率 79.3%

 飲食店などへネット検索サービス、販促サービスをコアビジネスとしており、ユーザーに対して飲食店情報検索サービスを、飲食店には販促サービス支援を行う。売上げの主体は飲食店からの加盟店手数料、年間販促サービス収入が主体。ぐるなびへの加盟店は全国で47650店と飲食店検索としては日本最大のネットサービス業者である。また、ぐるなびサイトの月間PVは8億5千万、ユニークユーザー数1800万人を誇る。過去5年間で売上げ、利益ともに4倍に成長しており、今期も営業利益で43%増益。

 ぐるなびのビジネスモデルは極めてシンプルだが、それがユーザーの支持を得ており、ユーザ数の拡大に伴い加盟店数の増加という好循環が続いてる。社長によれば、対象となる飲食店は日本では50万店あり、ぐるなびのシェアという観点では10%未満であることからまだ成長ポテンシャルは大きいと考えているようだ。会社側は15万店程度の加盟点数を今後数年間かけて増やしていきたいとのこと。さらに現在のARPU(加盟店当たりの売上げ)が36千円程度となっており、これの増加を狙っている。

 ARPUの内訳でみると月間会費8万円のフルサービスを受けている販促正会員は1.4万店に対して残りの3.2万店は1万円のビギナー加盟店といわれる店で最低限のサービスしか受けていない。会社はフルサービスとビギナーサービスの中間のサービスを新設してビギナー会員を誘導し、ARPUを引き上げたいと考えている。

 今後の事業戦略に関しては前述のARPUの引き上げ策に加え、加盟店に対する付加サービス、例えば店舗情報、顧客管理、受発注管理システムの提供、人材マッチングサービスなどを展開して売上げ向上を狙いたいとしている。ユーザーに対してはぐるなびのHPから誘導してトラベル、デリバリー、ウェディングなどの別のポータルを開設して横の展開を狙う考えだ。

 気になるのは現在の景気減速による売上げ面での影響であるが、社長はまだぐるなびの市場シェアが高くないことからほとんど影響が見られていないとのことだ。競合状況にかんしても気になり質問してみた。パソコン・家電などの価格比較サイトであるカカクコムが口コミ飲食店検索サイト「食べログ」を展開しているが、同社によると影響はほとんどなく、食べログで検索した後にぐるなびにくるケースもあるとのこと。

 投資判断は難しいところだ。長期投資家にとっては現在のバリエーションは特に割高ではなく、買っても良いレベルだと思われるが、過去数年間にわたり高い成長を維持してきた当社が今後も同じレベルで推移するのかは予断を許さない。巣ごもり現象といわれる経済状況はまだ始まったばかりであり、事態の推移を見守りたいところだ。短期の投資家にとってはまだ早いだろう。高い成長プレミアムがついており、急落するとすれば成長力の限界を迎えたとの判断がされたときだが、その場合には短期トレードと割り切って参戦すべき。バランスシートには特に問題はない。極めて健全。


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ウッドフレンズ(8886)

2009年03月19日 | 銘柄研究
株価 89500 PE 2.5
配当利回り 6.70% PBR 0.38



名古屋市地盤。意匠性と住空間提案の戸建て分譲、注文住宅を展開。オフィスビル等で東京進出。当初、会社に対する期待は全くなく、不動産市況に関する話が聞ければという程度の気持ちで出席した。話を聞いてみるとかなりしっかりした会社。というよりかなり地味な会社だ。やっている内容は名古屋地域での戸建分乗、マンション分譲が売上げの7割を占め、3割が都市事業、いわゆる不動産投資事業、流動化で利益的にも都市事業の利益率が高く割合も高い。今期の減益に関しても都市事業の大幅減が影響している。

 利益構成でみると売上げとは逆に都市事業が6割、分譲事業が4割と逆転する。問題の都市事業は社長の話によると昨年の5月に新規投資をストップしており、他社と比較しても傷はかなり浅いとのことだ。問題の今期及び来期の都市事業の動向であるが、今期はさすがに大幅な減益(但し、上期に利益を前倒して計上したので下ぶれリスクは少ない)だが、来期には増益になる見込み。これはすでに売買契約が成立したREIT向け、オフィスビルの売却益が見込めるからである。キャンセルリスクなどの下ぶれリスクはないのかという問いに社長は「リスクはゼロではないがREIT向けは確実性が高い」としており、向け先のREITの具体名はなかったが、下位のREIT向けではなさそうな印象。従って、都市事業の増益が見込まれる来期には全体の利益も増益に転換する可能性が高い。都市事業では通常の流動化だけでなく、PFI事業などを手がけておりこれらの事業の利益も高い。名古屋地盤であることから、愛知県からのPFI受託がメインだが、これは結構面白かった。

 話を聞いて初めて知ったが、愛知県はゴルフ場運営を自治体で運営していたらしい。しかも毎年3億円の赤字を垂れ流す事業で先が見込めないことからPFI化したらしい。現在当社が受託しているゴルフ場は県内でもトップクラスの来場者数を記録し、受託初年度から黒字化、現在では営業利益ベースで3億円ほどの利益がでており当社の都市事業は他社と異なり赤字化のリスクは少ない。会社は設備投資を積極的に行っており、償却負担が増加している。社長は償却費を増加させて利益の先送りを行っており、今後は償却費が減少して利益の下支えをする予定であるといっている。

 自己資本比率が低いので心配であったが、金融機関との関係は良好で借入金が減少していないのは新規の分乗プロジェクト(60戸2棟分)の新規借り入れによるもので貸しはがしはないとのこと。配当利回り6%、PBR0.38倍と割安。流動性がないので来期増益サプライズが出たところでの一発勝負。来期不安はないが、さ来期の見通しは立たないことからトレーディングバイがせいぜい。

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