KENSEI みえの会

会員間の連絡用ブログ

生き心地の良い町

2014-12-07 15:02:51 | 月例会レポート

ぐっと冷え込んだ師走の6日。

健生みえの会月例会のあと、鈴鹿の牧田コミュニテイ

センターへ移動。

午後2時から「いのちとこころを守る鈴鹿市民の会」が

主催する

 「生き心地の良い町

   --日本一”自殺率の低い町を調査して」

という講演会に各自、参加。

講師は岡檀(おかまゆみ)先生。

和歌山県立医科大学保険看護部。


参加者の一人として、講演を聴いてみて感想。

日本の自殺年間3万とか聞くと、即出てくる思いがある。

「人と人の関係が希薄になっているからなあ」とか、

「経済的に困窮したら自殺の原因になるよなあ」とか、

自分なりの意見がはっきりあることに気づいた。

岡さんの話は、そういう一般的に流布している定説というか

常識というか、そんなものに、一つひとつ、ほんとに

そうだろうか、実際はどうだろうかと調査という手法で

検討、研究した成果を語ってくれた。

 

ふつうは自殺問題を研究しようとしたら、自殺率の高い

ところの「自殺危険因子」を探ろうとするだろう。たしかに・・

岡さんは自殺率がいちばん少ない地域の「自殺予防因子」

を探ろうとした。

そこが、たまたま徳島県最南端、太平洋沿いの小さな町、

旧海部町。

 

4年にわたる調査の成果。

それが、どれも自殺を少なくするために必死でやってきた

発想について、どうだったんだろうと振り返ってみたくなる

もんだった。聴いていて、そこがおもしろかった。

 

五つの「自殺予防因子」

1、海部町にある若者を中心とした朋輩組(ほうはいぐみ)の

 実例から、入退会のルールがないとか、排他的な空気が

 漂っていない。

 いろんな人が居てもいい、というよりいろんな人が居たほうが

 いい、という気風。

2、人物本位で人を見ている。

 何か失敗しても、「一度目はこらえる」という常用句が暮らしに

 ある。

3、古参も新参もない、同格のつきあい。

 「どうせ自分なんて」と考える人が少ない。

4、助けを求めることに抵抗感がない。弱音が吐ける気風。

 「病は市(いち)に出せ」という常用句もあるという。

 欝受診率が高いのに、自殺率が日本一少ない秘密。

5、ゆるやかにつながる。

 足並みを揃えることに関心がない。お互いに縛りあわない。

 赤い羽根の募金高は近隣の地域と比べて少ないとか。

 息苦しくない。

 

自殺予防にまつわる通説を見直してみる。

「つながる」とか、「きずな」とか言われる。

強ければいいか。それは、どういうことをやろうとしているのか?

どの程度やるのか。遊びみたいなものは・・・

 

そこから岡さんからぼくらに投げかけ。

 

質疑の時間に思い切って、岡さんに聞いてみた。

「”どんな世界なら住みたいと思うか真剣に自問自答する”と

ありましたが、それは日常から離れないと出来にくいと

ぼくは思っているんですが、岡先生はどのようにお考えですか?」

岡さん「私の場合、それはちょっと大袈裟な感じがしています。

学生には、こういうことはついでに考えたらいいよと言っています」

「なるほど」とおもった。

問題だとおもっているなら、尚のこと緊張せずに自ずからの

気持ちからのスタートが急所じゃないかなと・・・・・?

 

最後に、こういう町を実現しようとするときの、岡さんが

いちばん大事だとおもっていること。

均質化が弊害を生む。集団になったとき、何度でもその

面がどうなっているか、観察する。

人と人の関係は、息苦しくなく。

一人ひとりを支えていくのは大事だけど、各自に二つ以上の

選択肢があるように・・・

 

講演会というと、やはり聞く一方の傾向になる。

岡さんとは、どこかでゆっくりはなしたいなあという気持ちが

出てきた。

自分がどうも緊張状態でものことに関わっていないか、振り返る

感じが出たきた。

楽しい時間でした。

企画してくれた杉本さんはじめ、いのちとこころを守る鈴鹿市民の

会のみなさま、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 


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