KENSEI みえの会

会員間の連絡用ブログ

思いやりに満ちた社会

2017-10-06 09:06:04 | わたしの活動レポート

介護の日公開講座in鈴鹿
 テーマ 私の暮らしとこれからの社会

講師 堀田聡子さん
(介護や福祉の現場から研究を重ねている慶応大学健康マネジメント研究科教授)

堀田さん、今回のテーマを「地域共生社会 思いやりに満ちた社会」

という切り口で話してくれました。

高齢者の目指すものとして”ピンピンコロリ”といううたい文句が、今は

”誰でも抱える病気や障害や生きづらさと共に生きる時代”という認識に

かわりつつある背景を紹介してくれました。

イギリスロンドンのホスピスや、家庭医療(日本ではあまり知られて

いないかな)をもとにした家庭診療所で展開しているいくつかの取り

組みが面白かったです。

「認知症とか病気などで生きづらさが地域にあるとき、その問題を

解決するのに現状の対策から発する方向と、

それとは別に、その人たちが暮す地域が自分もその一員としてどんな

社会になってほしいか、から発する方向があります」と堀田さん。

”どんな社会になってほしい””こんな社会に暮らしたい”となったら、

自分はどんな生き方がしたいか、人生をどんなふうに描くかがテーマに

なりますよね、

ホスピスが、近寄りにくいところなのか。

どうも、できれば近寄りたくない感じだったようです。

ここからが肝心。

街で暮す人が誰でも関心があることは、何だろうと問いかけて

みました。

ホスピスでは、アートとかファッションを取り入れてました。

そこから、地域の人たちとへだての無い社会気風が広がって

行ったということです。

うきうきした気持ちになりました。

「楽しい、おいしい、美しい」など地域の人自身の願いが実現する

ために、地域のなかにその活力を見出し、そこにいろいろな生きずらさ

をもつ人と知恵を出し合うというのです。

介護でも、ただ支えるというだけでなく、いずれ自分もそうなる先輩

として、その体験から学んでいくというのです。

傷病などで生きずらさを感じている人たちの様子はご近所の隣人が

よく知ているもんなんですね。

今は、傷病が起こると専門の医療、介護などに任せるまかせるという

ことになります。

相当悪くなってから、かかるということが多いといいます。

暮らしのことを熟知しているのは近隣の人たちです。

普段から、そういうお互いを見合っていく仕組みと活動が、住民

としての役割を楽しみながら、すすんでいる実際を話してくれました。


日本の事例も紹介してくれました。

大田区の例。

病院が地域の人たちの健康相談を受け持つことになりました。

ところが、来られる方がどんどん増えるということでした。

そういう人たちは、前もって近隣の人たちが気づきやすい。

住民は気づきの側のネットワークをはじめ、行政も専門の壁を

こえて、連携して受け入れることになって、街が元気になって

いったそうです。

駅前商店街のシャッターが開きはじめたというのです。

地域の居場所や見守り食堂とか、企業もアイデアをだして

くれたり、やりたい気持ちが人と人との縁を結んでいるようです。

最後に「生老病死」を自分たちの手に取り戻すとことです、と

締めくくってくれました。

 

高齢者問題、2025年問題など、滲みこんでくる情報は問題

だらけです。それはそのこととして受けとめるとしても、

自分がどんなとこに立って、どんな生き方をしたいか、

どんな社会で暮らしたいか、もっと人の内なる願いから

発する出発をしたいなと、あらためて自分を見つめました。


                 (宮地)


堀田聡子さん、講演の記録

https://youtu.be/NgdnYw74Bk8


最新の画像もっと見る

コメントを投稿