野のアザミ

日頃感じたこと、思ったこと事などを書きとめておきます。

霧島アートの森「男と女」

2017-03-02 | ギャラリー

「霧島アートの森」に最初に出かけたのはいつだったか。写真データを見返すと、2002年のものがあった。その中の一つが写真の「男と女」という作品。お気に入りの一つだ。
「霧島アートの森」は鹿児島県が芸術交流拠点として霧島の一角に設けた野外美術館だ。もちろん屋内展示もあるが・・・。

霧島は宮崎県と鹿児島県にまたがり、火山活動が生み出した雄大な景観を持つ。東日本大震災直前に噴火した新燃岳のほか、高千穂峰、韓国岳などがある。霧島の言葉には内包しないと思うが、連峰眼下に小林市やえびの市を望む。小林カルデラ、加久藤カルデラと認識しながらみれば、景色はさらに雄大だ。「霧島アートの森」は、霧島の西側に位置する湧水町にある。以前は栗野町だったが、吉松町と合併して湧水町となった。美術館の野外には、国内外の造形作家がつくった作品が自然の中にある。この地を訪れて構想したオリジナル作品だそうだ。そのためか、作品は自然に対立しそうなものは無い。小さな作品だけでなく、赤や黄が使われた大きな作品でも自然に優しい感じがする。
美術館は、鹿児島県が設けたものだが、県の枠を超えて南九州の芸術交流拠点になっていると思う。弁当を持って家族連れで行くのもいい、若いならデートでもいい、歳を重ねた二人でも、一人でもいい、おすすめの美術館だ。美術館入口では、草間彌生氏の「シャングリラの華」が迎えてくれる。

ところで、お気に入りの一つ「男と女」は、館から野外に出た所で迎えてくれる。片方から見れば男、違う方向から見れば女。見上げるほどの大きさだが、威圧感はなく、森と空の中にシルエットとしてある。太陽の光や雲の流れなどで、刻々と変化するが、それがまたいい。作品解説は下記のようにある。

ジョナサン・ボロフスキー(アメリカ生まれ)
スティール鋼
801×394×380cm

人間に求められる優しさ,力強さ,自由へのあこがれなどを,男女が交差する巨大なシルエットに込めています。男のかげが女の体に,女のかげが男の体にうつるとき,一人の男と女の姿がそれぞれ浮かび上がる工夫には驚きます。太陽の光の向きにより,男と女の関係はどのように変化して見えていくのでしょうか。

霧島アートの森