男澤惠一・家系と先祖のBLOG

「先祖を知れば未来が見える」著者、日本家系調査会の男澤惠一が読者様の幸福を願って書いております。

祀られる先祖、祀られない先祖

2011年10月26日 | 家系鑑定とアドバイスなど
日本人の心の中には、「幸せはこの世のことのみで達成されるのではなく、死後に子孫達に永久に祀られるところにある」という想いが根底にはあった。

日本民族学者柳田國男さんの名著「先祖の話し」(昭和21年発刊)の中には、特攻隊や戦場でお国のために死んでいく若者達が子孫も残せず無縁仏になってしまう様をしのびなく思い、必死に訴えかけている様子がうかがわれる。

戦時中、疎開もしないでこの本を書いていたのは、当時、70歳だった柳田氏にとって孫のような世代の若者達の死をいたむ鎮魂の思いからだ。

旧民法の「直系の子孫が祭らねば血食にならぬ」(先祖が子孫の供養を受けること)という考えに訂正を加えねばならないと考えていた。

一家の長男は子孫がいる限りは子々孫々に祀られるわけだが、二男、三男は分家して子孫がいなければ間違いなく無縁仏になっていた。

戦後、新しい民法に変わりましたが、同時に社会構造も家族形態も大きく変化しました。

跡継ぎがいない人、いても跡継ぎをしない人、させない人。

なかなか複雑な時代です。

最近、一塔合祀(いっとうごうし)墓が多くなりました。

一塔合祀とは各個人を単位として入る墓です。

身寄りが無いというだけで売ってくれないためにお墓を持てない人も多いようです。これはやむを得ないことです。

無縁社会には必要不可欠なお墓です。

しかし、お墓の負担を、後世に残したくないと考える人もおられます。

こういうお墓もどんどん増えていくわけだから、お寺さんの事情から永遠に祀るというわけにもいきますまい。

一応、法的には15年間という期間が定められておりますが・・・。

虎は死んで革を残すが、人は名を残さなければならない。

忘れ去られる先祖になる前に、家系譜を残して子孫に託しておく必要がある。
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