HIMAGINE電影房

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○○発ハリウッド着大怪獣映画 『ガルガメス』

2008年11月07日 | 中古ビデオ

 これ作品は、この間偶然DVD・ビデオショップで100円均一ワゴンセールで野ざらしにされていたのを保護したもの。

 洋泉社の『映画秘宝MOOK あなたの知らない怪獣マル秘大百科』でも紹介されていたので知っている人がいると思うが、この『ガルガメス』という、特にジャケットを見る限りでは何の変哲も無いよくレンタルビデオ店の棚を潤している海千山千のモンスター・ムービーに見えるが、実は…な作品だったのだ。


 ストーリーは中世の小国で側近の罠によって城を追われた幼き王が亡き父からもらった代々一族に伝わる聖獣・ガルガメスの人形をひょんなことで実体化させる。彼はその強大な力を使い、悪政を打倒しようと暗躍していたレジスタンスと結託し今や国の主となったかつての側近のいる城に向かって攻撃を仕掛け、見事打ち負かし彼は城を取り戻しまた元の平和な小国に戻る…といったものだ。


 劇中に大活躍するガルガメスという怪獣、こいつは所有者の涙によって土人形から実体化し鉄を喰らってどんどん大きくなるという設定だったのだが、はて、どこかでこのシチュエーション聞いた事ありませんか?

 そう。この『ガルガメス』、実は好事家の間では有名な、北朝鮮製作で“将軍様の怪獣映画”こと『プルガサリ』(85)のハリウッド版リメーク作なのだ。そして製作・原作に記されているサイモン・シーンという人物こそがオリジナル『プルガザリ』を作ったシン・サンオク(申相玉)その人だったのである。

 『ガルガメス』とオリジナル『プルガサリ』を見比べてみると、悪政に立ち向かう民衆とそれをサポートする巨大怪獣という基本形は変わらないが、作品からにじみ出る雰囲気はやはり欧米テイストというか何気にネアカだ。そして年少者をターゲットに製作されたのだろう、どことなく童話的・西洋英雄譚的な作風なのである。それを証拠に血を流すような暴力的な場面はほとんど見受けられない(チャンバラ場面はあるが)。オリジナルではどんどん鉄を食べてしまい民衆を悲観的にさせてしまうプルガサリだが、こちらでは「政府を打ち負かせるのなら…」と協力的でなかなかポジティブ・シンキングなところがアメリカらしい。

 ただ、予算やスケール感の面でいえばオリジナルにはとうてい敵わない。オリジナルの方は予算使いたい放題、エキストラも人民軍の協力で特撮もスペクタクル演出も破格なスケールなのだが、こちらの『ガルガメス』はエキストラはそこそこ出ているのだが特撮場面の予算不足はやはり否めない。そしてどことなく画面から感じられるスケール感もどことなく小さい。しかしそれでもガルガメス大暴れのシーンは少ないながらもよく工夫されており、それなりに怪獣映画の醍醐味を味わう事の出来る仕上がりにはなっている。

 と、まぁルーツは一緒でも環境が違えば違う人格になってしまうという在米外国人のようなこの『ガルガメス』。オリジナル『プルガサリ』を観たことがある人なら一度は観てみたら如何でしょうか?一度だけでいいんですが…

         

 DVDレコーダーがイカれたのでキャプチャー出来なかった。画面撮りで申し訳ない…(哀)


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