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火月 神の気まぐれ よろずメモ。

<現と幻、紅つなぐ秋風。 ~西国第11番 醍醐寺>

2019-11-16 | 西国三十三所

今日は予定がキャンセルになっちゃったので、ふ、と思い立って西国第11番「醍醐寺」へ。
うちん家、ビルの合間にあるから日が当たらなくて、朝イチは室内が一番寒いという(笑)
だから朝全然起きれなくて、、、到着がお昼に。  
最初、ちゃんと上醍醐に行こうかとも思ってたけど、初めて行く下醍醐もゆっくり回りたかったので断念。
いつも回るのに必死になってご飯すっ飛ばすので先にお昼ご飯にします。

醍醐寺の中には3か所食べるところがあるんだけど、前から行こうと思っていたフレンチ・カフェ「フレンチカフェ ル・クロ スゥ ル スリジェ ~桜の樹の下で~」にしました。
 混んでるかな~って心配していたけど、意外に空いてました。
というか、醍醐寺自体が、オンシーズンに入ってきてる京都の割には空いてる穴場みたいです。
 何食べようか悩んだんだけど、せっかくだから、「フレンチ・ル・クロのスペシャリテ とろける牛ホホ肉の赤ワイン煮込み」にしました
トリコロールのお重に入って可愛い
本当にホロホロとろけるお肉。
店内からお庭が見渡せるので、桜の季節は良いだろうなぁ
お腹も心配なくなったので、出発。  


 霊宝館では、「中国展開催記念 悠久の祈り 醍醐寺の至宝」が行われてました。
薬師三尊像も有名ですが、私は重文の五大明王像が好きだった!
お不動さんがお不動さんなのに凄く優しい眼をしてたの。
5つのうち、大威徳明王像だけは作られた当初のままだそうです。
国宝の五大明王の掛け軸も、素敵だった。
曼荼羅図や、宋版一切経及び経函など珍しい物や、俵屋宗達作の扇面散図屏風がありました。

隣には、仏像棟があります。  快慶作の不動明王坐像は、整ったお顔。
私は如意輪観音坐像が好きでした。あと、こちらにも五大明王がありましたが、個人的には平成館の五大明王が好み。
空いてるので、ゆっくりと見て回れて良かったです。

次いで、三宝院に行きました。
 大玄関も重要文化財。
表書院には、葵の間、秋草の間、勅使の間、と綺麗な襖絵が楽しめます。秋草も素敵だったし、孔雀も綺麗だった~!
表に御所車、裏に鷹の絵が描かれている衝立も力強く。
国宝の唐門が、紅葉に映えてます。  ここの周りはまだ紅葉満開にもう一歩、でした。来週くらいが見頃かしら~。

お庭は、豊臣秀吉が「醍醐の花見」のときに直接縄張りしたお庭とのことで、なかなか立派なお庭です。
   亀島と鶴島。立派な松。   橋が架かって、どこを切り取っても、綺麗。  一度だけ、奥の方で大きな水しぶきが上がりました。
 お庭の真ん中には、藤戸石という歴代の武将に引き継がれた「天下の名石」と言われている石が置かれています。
秀吉が聚楽第から運んできたらしく、阿弥陀三尊を表しているんだって。  奥に見えるのが、豊国大明神の祠。

ここまでが通常拝観ですが、今はちょうど、秋の特別拝観をしているので、特別拝観券をお願いすると、奥の「純浄観」「本堂」「奥宸殿」に入ることが出来ます。
  人が一段と少なくなるので、もっとお庭をゆっくりと眺めることが出来ます。日が当たると、思ったよりポカポカ陽気の今日です。
 純浄観は、秀吉が槍山で醍醐の花見をしたときの建物を移築したもので、立派な茅葺屋根に「五七桐」の紋。
平成になってから浜田泰介が描いたという襖絵は、枝垂桜と満開の紅葉でした。
秀吉は醍醐で花見をした後、秋の紅葉狩りを楽しみにしていたそうですが、8月に亡くなったため、醍醐の紅葉を観ることは叶わなかったそう。
現代の私たちへの贈り物のような気がしました。

 廊下を渡ると、本堂があります。
本堂には、快慶作の弥勒菩薩が、宗祖弘法大師と、醍醐寺の開祖理源大師に挟まれていらっしゃいます。
醍醐寺を開いた理源大師は お大師さんの孫弟子になる方で、南都で修行されていた縁から、東大寺再建に尽力した重源と関係の深い快慶の作品があるそうです。


 蔵みたいな建物とか、   鎮守様。

  奥宸殿のお庭も静かで綺麗。   
松月亭というお茶室もあります。
やんごとなき方が来られることもあるため、通常の躙り口とは別に、立ったまま入れる入り口も作られているそうです。
奥宸殿は、お寺の執務室みたいなもの。
「醍醐棚」という違い棚があって、修学院離宮の「霞棚」、桂離宮の「桂棚」と合わせて「天下の三大名棚」と言われてるんだって。
板戸には水墨画が描かれていたり、質素ながらも装飾が素敵でした。
 ちょうどお部屋の真ん中に座主が座られると、お庭の真ん中の阿弥陀様、藤戸石が見えるように設計されている。

この特別拝観では、1日2回、お坊さんがお話をしながら案内していただくことが出来るのです。
一度先に観て回ってたんだけど、お話を伺うとまた一段と勉強になりました

 お庭に戻ると、トンボさんとか  カワセミ? 綺麗なターコイズ色。

 いつまでも観ていたいけど、本当の目的地、伽藍の観音堂に行かなければいけないので(笑)


 山のほうへ進んで行きます。
仁王門。  しばらく道なりに進むと、  紅葉が増えてきました。

 国宝の金堂。
そして、静かにまっすぐ立つ五重塔。  ただ静かに。その広場だけが、変わらず悠久の時間を纏っている。
正面から観ると、緩く八の字に広がる庇が、  ピシッと一直線に揃う角度。水煙までまっすぐに。黄金比率。
 相輪は全体の1/3の高さがあるんだって。
応仁の乱でも焼け残った、お寺が開かれた当初から変わらぬ唯一の建物です。

  不動堂。  役行者。
 祖師堂には、お大師さんと理源大師。  緑紅葉も大好き。
  赤く映えるのは、紅葉だけじゃないよ。
 日月門をくぐると、  緑から紅へのグラデーション。
 鐘楼が苔の中に立ち、年月を感じさせます。
ようやく到着~。観音堂です。   醍醐寺の御本尊は薬師如来さまですが、西国三十三所のほうは 准胝観音さまになります。
役行者霊蹟札所の一つなので、役行者の御朱印もいただきました。

お堂を出ると、思わず歓声が。
 弁天堂の周りは、真っ赤!
  池の主?が一瞬寄ってきてくれました。  
水面が鏡みたいになって、揺らぐ紅。    風が吹くと、水面が細かく波立って、それがこちらまで辿り着く様をずーっと眺めてました。

日が暮れるのが早くなってきた最近。少し肌寒いです。
三宝院では御朱印が結構並んでいたので、伽藍に行ってから戻ることにしたので、急ぎ戻ります。
 中心に緑が残る紅葉。  夕日に輝く 緑と黄色と赤。  三宝院の塀沿いの桜紅葉。   
 唐門には、五七桐と菊の御紋。
桐の御紋は古い時代の物なので、3本の花がまっすぐではなく、開いてる形になってます。
菊も16枚じゃなくて、14枚の花弁。
16枚に定まったのは大正時代らしい。

ギリギリですが三宝院に滑り込み、無事御朱印を頂きました。
最後の最後、誰も居ないお庭を独り占めさせてもらいました 
 加茂の三石。
昔は暴れ川だった賀茂川を表しています。
左のが「速い流れ」、真ん中は「淀んだ状態」、右の石は「水が砕け散る」を表してるんだって。

 建物に1カ所突き出した場所は、実は年に一度、大活躍する場所。

中秋の名月の時。  観月台となるらしい。誰も一般客が居ない夜に、お団子やススキをお供えして、中秋の月を愛でる。

 もう閉門の時間が近づいてきます。  久しぶりにゆっくりと出来た~。

  門の上にも、桐の紋。
下醍醐だけで結構な広さがあって、流石に疲れました~
夜はライトアップをしてて、絶対きれいだと思ったけど、寒いし 足疲れたし、帰ります(笑)


 大阪まで帰ってきて、元気を出したかったので、「ビンドゥ」でスペシャルセット。
クルミナンは珍しかった~。
チーズナンが意外に腹持ちが良くて、最後めちゃくちゃお腹いっぱいになって、食べ終わった後 動けなくなりました(笑)

 オリジナルのお不動さんのお線香。香りが好きで買っちゃった
あとは、絵葉書。
私の好きな五大明王の絵葉書は無かったので残念ですが、また会いに行きたいです。

来週は仕事で出れないから、綺麗な紅葉を観ることが出来て良かったです!
いつかちゃんと上醍醐に登りたいです。



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