森かずとしのワイワイ談話室

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県危機管理監に申し入れ

2012-07-27 08:02:14 | 反原発・脱原発
 7月26日16時半から、社民党県連合は、石川県知事に対し、緊急の申し入れを行った。表題は、「志賀原子力発電所の廃炉を求める申し入れ」と明快だ。

 対応したのは、県の浜田危機管理監と原子力安全対策室の担当職員等だ。原子力安全・保安院出身の室長は、2号機ストレステストに係る現地調査が昨日会ったので、そこに同行して不在だった。また、原子力環境安全管理協議会を所管する竹中副知事は、直下活断層再調査で国に申し入れに行ったことは、報道の通りだ。原発批判の申し入れには谷本知事は出てきた試しがない。私たちは強い不満を持っている。
 こちらは、盛本芳久代表、山根靖則副代表、清水文雄幹事長、山本由起子常任幹事、原水禁県民会議から、中村照夫事務局長と藤田委員の計7人が申し入れた。

 一部報道には、独自調査を求めたとあるが、私たちの求めの趣旨は、あくまで、再稼働はあり得ないことの表明と廃炉に向けた行程を歩めというものだ。そして、過去を明らかにせよというものだ。なぜならば、20数年もの間、志賀原発建設反対運動は、このSー1断層の存在を活断層だと問題提起し、司法の場でも争ってきたからだ。
 山根さんは、当時の新聞記事の抜き出しを引いて、安全調査と許可のためのチェックに同一人物が関わる、出来レースが指摘されたことを追及した。つまり、端的に言えば「活断層かくし」が行われ、それが国、県から見過ごしにされてきた経過であることは趣致の事実だった。
 「これから再調査が行われるから、それを見極めたい。」「保安院も福島の事故から厳しい対応を求められている。」「7月31日に、北電が提出した調査方法から妥当性が審査される。」「活断層と指摘した専門委員も調査に関与すると聞いている。」
 要するに、安全審査、許可権限は国にあり、国に責任を求めるというのが、昨日の浜田危機管理監の終始変わらない姿勢であった。一見客観性があるかのようだが、私には、原発推進行政からの責任逃れにしか映らなかった。

 県にも責任がある。だから、私たちはこの間の経過を明らかにせよと迫ったのである。北電、国には、申し入れがあったことを伝えると何度も繰り返したが、浜田管理監からは、県の県民の安全確保のための主体性ある発言は聴かれなかった。情勢の展開は県や北電が思い描くよりずっと重い。県の認識は甘い。

 今日午後来沢する佐藤栄佐久前福島県知事は、この動きにも関心を寄せている。15時からの記者会見、明日の講演に中で、県知事としての原発リスクとの厳しい向き合い方についても言及したいと言っておられる。

 ー以下に私が執筆した申入書を転載しておくー

                   志賀原子力発電所の廃炉を求める申し入れ

 東日本大震災を受けた活断層に関する見直し調査で、原子力安全・保安院は、志賀原子力発電所1号機直下を走るS―1断層が、活断層の可能性が高いとして、7月17日に専門家会議による再検討を行った。この専門家会議では、北陸電力が提出していた資料を再精査した複数の委員が、「S-1断層は典型的な活断層だ。北陸電力の説明は全く理解できない。あきれて物が言えない。」「国だけではなくいろいろな専門家に見せるべきだ。」「活断層調査に携わった専門家や調査会社を公表すべきだ。」とまで、この間の北陸電力の調査、国の検査体制を痛烈に批判し、不信感を露わにした。
 そもそも、このS―1断層については、1988年に提訴された差し止め訴訟の中でも、地質学の研究者によって活断層であるとの指摘がなされていた。しかしながら、1987年の1号機設置申請時はもとより、1997年の2号機設置許可申請時でも、国の安全審査で活断層には当たらないとして不問にされた。さらには、2008年に、耐震設計審査指針見直しに伴う再調査でも、活断層との指摘はなされなかった。
これらの経過を一人の専門委員は、「あらかじめ断層が動かないものというシナリオをつくっているかのようだ。」と皮肉っている。私たちとて同感である。変動地形学をはじめ、断層診断は長足の進歩を遂げており、大地震発生のメカニズムとして根拠づける最新の知見は、今や、学会の主流となっている。国会の事故調査委員会が、福島第1原子力発電所が地震そのものによって損壊した可能性を否定できないとする報告書を提出する中、原子力安全・保安院が再検討を行い、複数の専門家会議委員が典型的な活断層と断じた事実は極めて重い。S―1断層が活断層であることは、動かぬ事実であり、志賀原発二機は「立地不適格」であることを認めるべきである。
原子力安全・保安院から再調査を命じられた北陸電力は、活断層ではなく、廃炉はあり得ないと強弁している。その北陸電力が、再調査によって活断層と認めるとは到底思えない。断層隠しにこれ以上の時間を与えるべきではない。よって、石川県に対し、以下の事項の履行を強く求めるものである。

                             記

1.石川県の主体的意思として、北陸電力並びに石川県民に対し、今後の志賀原発の再稼働はあり得ないことを明確にすること。

2.そのために、変動地形学者らを交えた新たな検討委員会を設置し、最新の知見からS―1断層が活断層であることを確認すること。

3.北陸電力、石川県、国が行った過去の断層調査並びに安全審査、判断に関与した学者、コンサルタント会社、機関等の名前の公表、全ての会議録の公開を行い、県民に周知すること。

4.国に対し、原子炉等設置法の改正により、運転停止命令、廃炉命令の規定を明確化するよう求めること。併せて、使用済み核燃料プールの安全対策、ならびに廃炉作業の具体的な行程を策定するために、国、北陸電力を交えた検討を開始するよう国に求めること。


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