森かずとしのワイワイ談話室

平和・人権・地球・子育て・教育・くらし・そしてまちを語る

今夜は定例ホームレス自立支援夜回り

2012-07-13 23:27:22 | ホームレス支援
 空間全体が蒸し風呂状態だ。九州地方の豪雨被害が大きい。お見舞い申し上げたい。4年前の浅野川氾濫は、7月の28日だった。災害はゲリラ豪雨の責任にされたが、今日のような間隔を空けた断続的強雨の振り方は、20年前にフィリッピンで体験した熱帯雨期に似ている。この現象が温室効果ガスによる温暖化現象とされ、原発推進の口実にもされた。温暖化は原発温排水原因説や太陽の活性化周期説も有力だ。温暖化を問題にしている内に、地球寒冷化が始まっているとの説も浮上しているらしい。
 ともあれ、この雨の中、今夜も首相官邸や各地で原発再稼働反対の行動が展開されたことが伝わっている。私の隔週金曜日夜は、金沢夜回りの会の定例ホームレス自立支援夜回りだ。

 このじめじめした空気にまといつかれながら、いつもの場所で、行き交う人々を我関せず身を横たえる常連さんたちの安否確認の対話をして回る。長い野宿生活から生活保護による居室生活に移ったAさんは、何とかして人づてに仕事にありついて、自分の稼ぎで生活したいといつも考えている。生活保護受給がいやでいやで仕方がないのだ。それはスティグマ(負の烙印)による苦悩の裏返しかも知れない。彼に注がれる視線や浴びせられる言葉に傷ついてきたことを私は知っている。しかし、年齢と経済状態が就労のネックになっている。しかもその仕事は建設現場の日雇い労働だ。
 私は、彼と会うたびに、若い頃働いて世の中のために汗をかいていたことや命を大切にして欲しいことを繰り返し語りかけてきた。こう言う私には、彼のような人生経験はない。どれほどの説得力がるかはなはだ心許ないが・・。

 民主党と談合して消費増税を果たそうとする自民党は、社会保障改革に対する基本的な考えに、自助、家族責任を挙げ、それが十分でない場合に社会保障で支えることを提案している。明らかに社会保障理念の後退であり、給付の切り下げだ。その一番の矢面が生活保護だ。有期保障、給付水準引き下げ、就労支援の名による訓練強要、しかもそれでも一般就労は極めて困難。本人により大きな問題があるのか、社会に問題が大きいのか、見誤ってはならないと思う。

 滋賀県大津市でのいじめ自殺問題が過熱している。私の教師としての目では、報道内容が事実であるとして、加害に回った少年達の心の中が、どのようにして形成されたのかたいへんに気になる。私は、大人社会にもっと大きな広範ないじめの構造があると考えているから。その影響を意識化する必要がある。集団の中で起こるいじめは、集団でしか解決できない。これこそ最大の教育課題だ。傍観者も許さない学級・学校すべての者が深く省察する中で意識と感性のゆがみを修復していくしかない。センセーショナルな捉え方、責任追及一辺倒の対応は、本質を誤る。

 夜回りに出ると、なぜかしら気持ちが落ち着く。人生の困難との出会いだが、屈折しているはずの当事者の言葉が意外なほど素直だったりする。他者を恨んでいるわけでもない。立身出世にあくせくするぎらぎら感ももちろんない。そのフラットな距離感と柔らかな空気が心地よいのだ。支えるなんて偉そうなことを言っているが、むしろ癒されるのはこちらだ。

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