里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

水墨画「怒濤の東尋坊」

2024年02月05日 | 水墨画:風景他
画仙紙 半切1/3   

険しい柱状節理の岩壁がそそり立つ福井県の名勝「東尋坊」。
一方で、事件や自殺の名所、サスペンス小説や映画、ドラマの舞台としても知られます。
この度の能登半島地震でこちらまで影響がなかったようなら幸いですが。
その昔、悪行を重ねる東尋坊に手を焼いた僧達が東尋坊を岩壁の上から海へ突き落とし、それから四十九日が過ぎるまで海は大荒れになったと伝わります。
小生が、10年ほど前に訪ねた折りは、好天で海は穏やか、遊覧船で海側からゆったりと見学しました。
東尋坊が穏やかな海ではどうにも絵にならないと感じてしまうのは小生の偏見でしょうか。
波が激しく打ち付ける東尋坊を海側から描いてみようとしました。
激しい波しぶきを表現するのに、墨で描く前にドーサ液を吹き飛ばしてみました。
過去にも同様の手法で波しぶきを表現したことは何度かあります。
ドーサ液は薄い膠(にかわ)液に明礬を混ぜた透明の液体で白抜きのために用います。
出来上がりの予測は大変難しく、思ったような綺麗な白抜きとはならなかったようです。