里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

水墨画「蜂屋柿」

2023年11月19日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙   


干し柿に用いられる代表的な品種「蜂屋柿」。
当地で干し柿にされるのも殆どが「蜂屋柿」です。
昔から当地の通称は「とやま(富山?)」。謂われは定かでありません。
しかし、少し調べてみると富山から伝わってきたのではないかと言う推論が成り立ちそうです。
柿は長い年月の間にその土地にあった品種が定着し在来化しました。
我が家にも幼少の頃は甘柿、渋柿とも色んな品種が植えられていました。
富山の干し柿用品種は「三社柿」と呼ばれているらしいのですが、よく似ています。
そして、その干し柿の製法は岐阜県から伝わったと言います。
岐阜県と言えば「蜂屋柿」発祥の地、美濃加茂市蜂屋町。
柿の姿形を見ても伝搬の可能性が何となく見えて来ないでもありません。
もっとも美濃加茂市蜂屋町の蜂屋柿は「堂上蜂屋」として別格の扱い。
その保存木を接木したものからだけ生産、栽培から干し柿の製法までを厳密に管理し、ブランド化されています。
「蜂屋柿」はボリュームのある円錐形の姿が特徴です。
少々、厳密に言うと完全な円形ではなく僅かに四角に肩の張った円錐形です。
特に大きなものになるとその特徴がよく現れます。ただ水墨での表現は難しい。