里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

香り豊かな山ウドを穫る

2020年05月11日 | 山菜

 山ウドを収穫しました。数日前から穫れるようになりました。
 山にある天然のウドではありません。畑に植えているものです。天然のウドはまだ採れるくらいになっていないと思います。
 2カ所にありますが、この場所は畑の外れながら日当たりが良く、出るのも早い。


 畑に植えてはいるものの、天然のウドにかなり近いと思います。店で売られている山ウドは天然物も時にありますが、ほとんどは、ハウス内のベットにわらやもみ殻を掛けて伏せ込み、茎を長くしたものです。これは、昔ながらの土盛りをし、茎を伸ばしています。ですから茎は短く天然のウドに近い。ただ土盛りをされているところは、短いけれど太く白くなっています。本当の天然のウドは、当然土盛りもされていないので茎は根元から青く細身です。


 こちらの山ウドは大分前に、前のところから株分けして植えたもの。


 最近は株分けもしていないので、しばらく植えたままの状態です。 
 これまで知人の幾人かに株分けして差し上げました。
 このウドはある方から株を分けていただいたものです。30年余り前になります。
 このことは前にも書きました。ウドを採る時期になる度、その方のことを懐かしく思い出します。


 その方は、私より10歳ほど年少の方です。当県では全く見られない軟化ウドを作っておられました。通称東京ウドと言われ、地下室(むろ)に伏せ込んで、白くて太く長いもやし状にしたものです。彼はこれを先進地で学び本格的な栽培を行っていました。
 たまたま何度かお邪魔するうちに懇意になり、地下室を見せてもらったりしたのですが、ある時、処分するウドの株があるからと、分けて頂いたのがこの山ウドなのです。
 その方の話しによると、ウドの品種は野生のものから選抜されてできたため、軟化ウドに適さない株が混じっているようです。軟化ウドには紫芽という系統を使うのですが、いわゆる山ウドの栽培に使われる坊主という系統が混じっているので、それを処分すると言うことでした。坊主という系統は太くて短く、赤すじが入るのです。ですが、我々にはむしろこちら方がいいので、有り難く分けて頂きました。
 畑の外れのほうに植えたのですが、日当たりのいいのが良かったのか、株はどんどん大きくなり殖えました。
 そこで、こちらに株分けしました。


 こちらは少し日陰になるところなので、僅かに出るのが遅れます。もう収穫していいものが出ています。

 見かけも天然の山ウドに近いだけに香りも天然もののように強い。山ウドはその香り故、個人により好き嫌いが分かれるようです。


 土をよけて、根元から鎌で切り取ります。


 私は香りが強いものほど好きなので山ウドは好物です。地上部は茎が青くなりますが、そのくらいが山ウドらしい野趣が感じられます。
 よく食べるのは一夜の味噌漬け。そのままではさすがにアクが強いので、まず茎の表面の皮を薄く剥きスライスし、水にさらしてアクを取ります。そして味噌をまぶすように漬け、一夜おきます。

もちろんそれ以上おいても美味しい。そのまま味噌を付けて酒のつまみにすることもあります。