ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト

NGO ひろしま市民によるカザフスタン共和国旧ソ連核実験場周辺住民(核被害者)への支援・交流

2012 春広報誌 Spring  No.24

2012-02-15 04:39:34 | Weblog
2012 春広報誌 Spring  No.24

ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト
〒 733-0012 広島市西区草津東3-6-11-2(橋村宅)
TEL/FAX :082-274-1634 E-Mail: mashenka@fancy.ocn.ne.jp
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山陽女学園に国際交流奨励賞
 このたび、広島国際文化財団は、山陽女学園を含む、3団体と1人に国際交流奨励賞を贈ることを決定しました。昨年6月に駐日カザフスタン大使が、これまでの山陽女学園がカザフスタンからの留学生受け入れに貢献したことに感謝して、同学園を表敬訪問(右の写真参照)しています。このような実績を踏まえて、国際交流奨励賞の贈呈が決まった模様です。この件について、2012年1月28日付の中国新聞が報道しましたので、紹介します。なおヒロセミは同賞を2000年に受賞しています。
 
広島国際文化財団(山本信子理事長)は27日、第14回国際交流奨励賞の贈呈先に、広島県内の3団体と1人を選んだ。
団体の山陽女学園(廿日市市)は2000年から毎年、旧ソ連の核実験場があったセメイ(旧セミパラチンスクスク)の高校生1人か2人を1年間、授業料免除で招いている。ミクロネシア医療支援ボランティアグループ(横山光伸代表)=呉市=は02年から毎年、南太平洋のミクロネシア連邦を訪れて検診や使用指導をしている。広島市西区の太陽発電システム販売のウエストホールディングス(吉川隆会長)は00年にカンボジアの小学校を建て、その後も交流を続けている。
個人は、安佐南区のピアノ調律師矢川光則さん(59)。1996年から、修理したピアノを発展途上国に送っている。昨年は、寄贈先のルワンダを訪れてメンテナンスをした。
受賞者は、中国新聞と中国放送がこの1年間に報道、放送した記事や番組から選んだ。(赤江裕紀)

アイダナさん、スピーチコンテストで第1位優勝

2011年11月13日、広島市中区の鶴学園広島工業大学広島校舎で開催された「第22回日本語による平和弁論大会で、アイダナ・アシキウパエワさん(山陽女学園高等部2年)が第1位になりました。アイダナさんのスピーチは、セミパラチンスクの核実験被害者となった伯母さんの体験とヒロシマを結び、さらにフクシマと結んで、「今、平和を考えることが、次の世代に平和をもたらす」と核廃絶の展望を示す、すばらしいものでした。以下に、スピーチの全文を掲載します。


「今、平和を考えることが、次の世代に平和をもたらす」
 初めまして、私はアイダナです。カザフスタンのセメイから来ました。セメイの昔の名前はセミパラチンスクです。今、山陽女学園高等部の2年生です。これは私の国の国旗です。
 日本に来るのは、私の子どものころからの夢でした。私が日本に行きたがっていることを知った両親は、佐々木禎子さんの話や広島と長崎の悲劇についても話してくれました。その時私は、広島と長崎はセメイに似ていると感じました。
1949年から1989年まで40年間、セメイの人々はセミパラチンスクの核実験に苦しんでいました。
セメイには佐々木禎子さんと同じ子どもたちがたくさんいました。そんな子供の一人は私の伯母さんでした。アルフィア(Alfiya)伯母さんは、私の母のお姉さんでした。  1962年にチャロバイという田舎に生まれました。チャロバイはセメイから約150キロ離れています。そこの住民は、セミパラチンスクの核実験場で、もう10年以上核実験が行われていることを知りませんでした。
伯母さんは元気いっぱいな子どもでした。でも、10才の時、突然発作が起こりました。田舎の先生は発作の理由がわかりませんでした。両親は彼女をセミパラチンスクの病院につれて行きました。そこで診断を下されました。白血病でした。「何の病気?どうして彼女は病気になったのかしら?今まで家族のみんなは元気だったのに...」と両親は思いました。先生に核実験のせいですと言われました。伯母さんは入院させられました。病院で彼女は、自分と同じ病気になったたくさんの子どもたちと会いました。
母から伯母さんは本を読むことが好きで、学校では優等生だったと聞きました。病気になったころから、彼女に医師になりたいという夢ができました。病気で苦しむ人々を助けたかったからです。でも病気のせいで、伯母さんはほとんどの時間を病院で過ごしました。彼女は16才になりました。高校での最終学年です。また一年、医師になる夢の実現が近づいてきました。伯母さんは卒業式の準備をしました。かわいいドレスと靴を買いました。でも、6月の20日に最後の発作が起きました。私の伯母さんの心臓は、それにたえられませんでした。彼女のかわいい服は着られないままでした。彼女の大学で医学を勉強するという夢はかないませんでした。
私の母と伯母さんは、とても仲良しでした。二人はよく未来のことや平和について話をしたそうです。そんな恐ろしい病気になっても、伯母さんは平和な世界を信じ続けていました。
これは私の家族の佐々木禎子さんの話です。もし病気になったのが伯母さんではなくて私の母だったら、私は生まれていませんでした。 
今、福島の人々のことを思う時、悲しくなります。原発事故の結果として、たくさんの人々が病気になるかもしれません。一番恐ろしいことは放射線が次の世代に影響することです。今の世代は核兵器や核実験によってもたらされる悲劇を忘れていけません。ずっと覚えておいて、次の世代に伝えなければなりません。
カザフスタンでは、20年前に核実験は廃止されました。オルジャス・スメレノフ(Oljyas Suleimenov )さんの呼びかけで、核実験の廃絶を訴えるネバダ・セミパラチンスク運動がつくられました。この活動に賛同した人々の抗議活動が始まりました。セメイの近くで働く13万人以上の坑夫たちもデモ行進に参加しました。この抗議運動は各地に広がり、規模はだんだん大きくなりました。そしてついに核実験をやめさせることが出来ました。カザフスタンで出来た事が他の国で出来ない事はありません。私は将来国と国のかけ橋になる仕事をしたいと思います。そしてふつうの人々の力で核実験をやめさせる事が出来たカザフスタンの事を知らせたいと思います。
未来は私たちに掛っています。今、国を越えて平和を訴える事が、次の世代の安全を守ると思います。

【活動報告】
●7月24日(日) 16:00~18:00 スタディ・ツアーの事前学習会・壮行会
会場 : 広島国際会議場 3F研修室3 講師 : 星先生、武市先生(各30分)
●7月30日(土) 第4回「平和への祈りコンサート」 中国新聞社ホール/時間 : 13:30~
内容 : 歌、朗読:道田涼子(劇団四季出身)ザマナイ独唱その他
●7月31日(日) 第13回「ヒロシマ平和の灯火の集い」
●8月2日(火) 「友の会(平和例会)」
●8月5日(金)~8月14日(日) せこへい美術館(旧日銀)
オープニングは、8月5日(金)13:00~アイダナの民族舞踊の披露
●8月6日(土) 平和祈念式典への参列
●8月7日(日) 合唱団「パーチェ」 定期発表会 西区民文化センター スタジオ
カザフ留学生の舞踊とヒロセミの紹介説明(各10分程度)
合唱団「パーチェ」による「ザマナイ」の合唱 / ビデオ撮り
●8月23日(火)-9月3日(土) カザフスタンスタディーツアー(左下の写真は、セメイ医科大学での交流会)
参加者 : ヒロセミ   黒川富秋、桐山信一
CANVaS : 小麻野 貴之、伊達 美和子、手島 愛子、二上 真衣
日本大学:  安元教授ご夫妻、近藤 沙紀、青木 悠子、浦田 綾香、渡邊 泰幸
●8月23日(火) スタディーツアーの出発式
●8月27日(水) セメイ⇔広島のテレビ会議(右下の写真は広島会場の参加者)
●9月19日(月) ガザフスタン訪問を終えてヒロシマに集う若者たち(左上の写真は、講演する平岡名誉会長)
・ 広島平和記念資料館 東館B1(メモリアルホール)・アイダナの民族舞踊
・ 基調講演 「ヒロシマ、セミパラチンスク、フクシマから何を学ぶか」 講師 平岡 敬
・ カザフスタン・ツアー2011参加者報告
●9月24日(土)第39回全国平和教育シンポジウム 広島女学院大学人文館 第6分科会「平和に取り組む青年のつどい」でカザフスタン・スタディツアーの成果を報告
報告者 : 手島愛子(国際交流グループ “CANVaS”)
●10月29日(土) 日本大学国際関係学部 国際交流学科 安元隆子ゼミナール
大学祭で報告+平岡敬氏講演
●11月13日(日) スピーチコンテスト広島工大 広島校舎(本号記事参照)
●11 月19 日(土)CANVsのカザフスタン・ツアー2011の報告会: 広島市二葉公民館 (6 階 研修室1A・1B)
報告者 : 小麻野 貴之、伊達 美和子、手島 愛子、二上 真衣
●11月20日(日) 『国際交流・協力の日』 国際会議場 当日は、アイダナの誕生日
●11月28日(月)安芸コスモスゾンタクラブで佐々木「放射線と食の安全・安心」の卓話。
●11月30日(水)カザフスタン独立記念日の20周年のレセプション ホテルオークラ東京(アスコットホール) ヒロセミPJより小畠、川崎、川崎巳、内海、内海(妹)の5名が出席元留学生のアケルケ、アイヌーラも出席
●12月7日「世界ヒバクシャ展 緊急フォーラム」でのCD販売・進呈/TOMOKO
●12月28日(水)大阪大学に留学中(9月まで1年間)第8期留学生アイジヤ来広、歓迎会を行う。
●1月25日(水)・26日(木)
(右の写真は花束を持つ星先生と海外からの専門家)
第17回広島国際シンポジウム
「世界の放射線被ばくとその影響」
会場 広島大学霞キャンパス広仁会館大会議室
主催 広島大学原爆放射線医科学研究所 放射線影響評価研究部門
(計量生物研究分野、線量測定・評価研究分野)
●1月25日(水) アークホテル広島にて親睦会&星先生退職パーティー




【今後の予定】
●留学生送別会
2月19日(日) 14:00~16:00  広島市留学生会館2Fホール
世話人は11:00集合(世話人会)
帰国は、3月26日(月)広島空港発で飛行機のチケットを予約
●星先生の最後の講義
3月15日(木) 17:00~17:50 広大医学部 第5講義室
●『星先生を囲むつどい』の開催
3月15日(木) 18:30~ (会場はこれから確保)
ヒロセミPJとして、星先生の退官・送別パーティーを主催
●次期留学生来広(マジーナ)
4月2日(月)広島着で飛行機のチケットを予約 入学式は 4月5日(木) 
●せこへい美術館とも協力してヒロセミの写真展を今夏開催
7月18日~7月31日 旧日銀 1Fロビー
8月1日~8月7日  旧日銀 1FロビーとB1全スペース


JRP日本語サミットのパネリストにマディナさんが合格しました。 
 ジャパン・リターン・プログラム(JRP)は、毎年夏に世界各国から青年を招いて、「日本語サミット」を開催しています。JRPのホームページは「日本語から、人を育み、平和を育む。世界各国で日本語を学び、日本文化を愛する多くの青年たち。彼らを、日本に何回も『リターン』してもらいたい。すぐれた人材に育てたい。そして日本と世界各国との懸け橋となり、世界の平和に少しでも貢献できたら。私たちは、そんな思いで〈日本語教育による社会・国際貢献〉を行っているNPO法人です」と書いています。毎年15人程度の青年が招聘され、日本語サミットのパネリストとして学習します。このたび、ヒロセミの第7期留学生(2006年4月~07年3月)のマディナさんが、パネリストに選ばれました。過去13回の開催で、世界中から延べ176カ国約200名の青年が招聘されています。
 マディナさんが参加するのは、「2012年(平和―絆でつなぐ地球)日本語サミット」は、今年7月4日から8月7日まで、大分・東京で開催。サミット期間中には、長崎・宮崎への訪問を予定しています。
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