ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト

NGO ひろしま市民によるカザフスタン共和国旧ソ連核実験場周辺住民(核被害者)への支援・交流

広報 2010Autumn No.21

2011-01-10 18:56:22 | Weblog
2010 Autumn   No.21
ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト
〒 733-0012 広島市西区草津東3-6-11-2(橋村宅)
TEL/FAX :082-274-1634 E-Mail: mashenka@fancy.ocn.ne.jp 
HP:http://hiroshima.cool.ne.jp/kazakhstan/
Blog: http://blog.goo.ne.jp/kazakhstan

【Zaman-aiザマナイ自主制作】
数え切れない爆発に ふるさと 奪われた ザマナイ ~時代よ!~草の根の初コラボ 
カザフ語、英語、日本語3ヶ国語版CD発売 絵 川崎裕生 画 
セミパラチンスク市(現セメイ市)郊外公園に建造された、ポリゴン閉鎖の記念碑「Сильнее смерти」きのこ雲の下、放射線から我が子を守る母と子どもの像カザフスタンの平和を誓うシンボルとして市民に愛されている。2009年、この塔の前で歌うローザと市民が同時中継により世界に発信された。

共に目指す 世界平和 二つのヒバク国 カザフスタンと日本
音楽CD「Zaman-ai ザマナイ(時代よ!)」11月11日発売
 1989年カザフスタンとアメリカのヒバクシャが連帯して核実験反対運動に立ち上がった。詩人スレイメノフ氏の告発によって、それまで原因不明の健康被害を受けてきた住民たちが、その原因を知らされ、怒りを爆発させた。その後、核実験反対のデモ行進や集会は、核実験周辺のみならず「ザマナイ」の歌とともにカザフスタン全土に広がった。1991年の核実験場閉鎖記念集会には、全世界からヒバクシャが集まった。
 ネバダ・セミパラチンスク反核運動の象徴となった「ザマナイ」を歌ったのがカザフスタンの国民的な歌手といわれるローザ・リムバエムだった。ローザさんは1995年と2005年来日し公演している。1995年には日本ユーラシア協会の招きで来日し、広島公演も行った(2005年は愛知万博のナショナルディに)。今回CDを製作したヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト(ヒロセミ)のメンバーもこの広島公演開催に参加した、その当時は「ザマナイ」の歌い手であるとの認識はなかった。一方で「ザマナイ」は、幼かったカザフサスタンの子どもたちの心に深く刻み込まれていた。2000年、日本留学の夢を抱いたアケルケ・スルタノワが、ヒロセミの橋渡しで日本への留学を果たし、広島で「ザマナイ」を歌った。初めカザフ語で、その後、目本語訳を加えながら留学生によって歌い継がれたこの歌は、歴史の潮流の中で世界に広がっていたヒバクシャの存在を人々に再認識させるものであった。2009年夏、TV番組「ノーモア ヒバクシャ」での「Zaman-ai」に衝撃を受けたTOMOKOさんは、世界の核兵器廃絶のため同曲を広めたいと日本歌詞に着手。2010年夏、「平和の灯火のつどい」(主催:広島市女牲団体連絡会議)に招かれ平和公園慰霊碑前にて「Zaman-ai」を二か国語(日英)で熱唱。CD作成に関わった、第1期から数えて今年第11期の留学生たちは2つの国、2つの町を結ぶ架け橋となっている。[「日本とユーラシア」紙掲載]  
【CD作成の経緯】目的: 旧ソ連の核実験を止めた人々によって草の根的に歌われた「ザマナイ(時代よ!)」を広めることによって、核兵器のない世界の実現を図り、核兵器投下の直接被害と核兵器製造過程における非人道性を世界に訴える。また核実験場における核被害は現在も核開発、核保有国で続いている事実を知らせる。核実験の被害に翻弄された民族のこの歌は未来に向けて核廃絶の為に立ち上がろうとする人々に勇気と希望をあたえます。広島では2000年より留学生が歌い始め、2007年より「平和の灯火のつどい」主催:WENET 広島市女性団体連絡会議の行進時、カザフ留学生が「ザマナイ」を歌う。以来、参加者の要望により毎年歌われる。2009年8月、NHKの番組「ノーモアヒバクシャ」で現地からの同時中継により、ローザ・リムバエワにより、オリジナルが放送された。多くの人がヒロシマ、ナガサキ以降も世界にヒバクシャが多く存在している事に驚いた。そして日本だけがヒバク国ではない事実に衝撃を与えた。以来多くの視聴者からCDの発売を切望されていた。 

カザフ核被害 非人間性歌う  朝日新聞より
[写真:]2010年11月11日 ザマナイを歌い上げるTOMOKOさん。歌詞の重みにいつも圧倒されるという=広島市役所]
 中央アジア・カザフスタンで1980年代末、旧ソ連核実験場閉鎖を求める市民運動とともに広まった歌「ザマナイ」のCDを、同国と交流する広島の市民団体が自主制作し、11日から販売する。歌に衝撃を受け、歌い手に名乗り出た歌手のTOMOKOさん=東京都葛飾区=は「世界に広めていけたら」と話している。(加戸靖史)
 「健やかな子らはなぜ消えた 風になびく髪はなぜ消えた……」
 10日、広島市役所で記者会見したTOMOKOさんは、思いを込めるように時折目をつぶりながら、日本語版の「ザマナイ」を歌った。 ザマナイはカザフ語で「時代よ」というような意味。同国の歌手ローザ・リムバエワさんの代表曲だ。91年に核実験場閉鎖を勝ち取った反対運動のデモや集会で盛んに歌われ、同国内で広く知られる。
 TOMOKOさんは昨年8月、ザマナイを歌うローザさんをテレビ番組で偶然見て、「こんなに人の心を揺さぶる歌があるのか」とショックを受けた。人々を放射能で苦しめ、大地を汚染した核実験の非人道性を強く訴える歌詞。「日本でももっと広く知られるべきでは」と思った。 カザフの被曝(ひ・ばく)者を支援している市民団体ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト(ヒロセミ)をインターネットで知り、副世話人代表の小畠(こばたけ)知恵子さん(58)=広島市中区=に「ザマナイを歌いたい」と申し出た。 小畠さんは昨年秋にカザフを訪問。旧知のローザさんにTOMOKOさんの思いを伝えたところ、ローザさんも日本でのCD化を快諾し、伴奏の音源を提供してくれた。 練習中、感極まって歌えなくなることが何度もあったというTOMOKOさん。しかし今年7月末に広島市であった平和を祈るイベントで初披露し、歌い続けていく決意を固めた。「核被害に苦しむ人をこれ以上増やしてほしくないという歌の思いが伝われば」と話す。
 ローザさんの原曲とTOMOKOさんの英語版も含め4曲入り1千円。郵便振替で入金後に発送するほか、同市中区幟町のギャラリー&アンティーク2010(090・5267・7388)でも販売。申し込みはヒロセミ事務局の橋村さん(082・274・1634)へ。
[写真:留学生アケルケとCD作成東京スタッフとともに]

 1989年カザフスタン共和国市民による核実験場閉鎖運動と共に旧ソ連全土に広まった歌「ザマナイ」は、カザフスタンの国民的歌手ローザ・リムバエバにより歌われた。この歌は42年間(1949年から約450回以上、旧ソ連によって秘密裏に行われたカザフスタン共和国セミパラチンスク実験場の空中、地上、地下核実験)核被害にあってきた人々に悲しみの共感と未来に対する責任を喚起させ、核実験場閉鎖を成功させたといっても過言ではない。
歌手ローザは「平和都市会議」加盟都市の一つである、セメイ市(旧セミパラチンスク市)出身である。二つのヒバク国を結んで草の根の声を世界に届ける大きな好機と考える。
20数年を経た今、世界に向けて再び核兵器廃絶を訴える手段としてこの歌の力を借りたい。
核廃絶の機運が高まっている機にこの歌によって世界の人々の心に未来に対する責任と希望を届けたい。

価格   1枚 1000円 
購入方法 
1、会員による手渡し
2、郵便振替 口座記号番号 1360-5-60273
  加入者名 ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト
  入金(1000円)確認後 メール便にて発送(送料無料)
3、広島市平和資料館 SHOP 
4.ギャラリーアンティーク2010 
広島市上幟町 090-5267-7388
写真:留学生アケルケとCD作成東京スタッフとともに

中国新聞2010年(平成22年)11月23日(火曜日)
 「日本と協カし核廃絶を訴え」カザフ下院議長広島を訪間
旧ソ連の核実験場があったカザフスタンのオラル・ムハメジャノフ下院議長が22日、広島市中区の平和記念公園を訪れ、自国の核被害とヒロシマを重ね合わせた。
ムハメジャノフ議長は衆議院の招きで来日した。原爆慰霊碑に花を手向け、前田耕一郎館長の案内で原爆資料館を見学。「あの日」の惨状を伝える遺品に触れ「どんなに悲惨な事があったのかを目の当たりにし、衝撃を受
けた」と語った。さらに、広島国際会議場での広島大主催の講演会に臨んだムハメジャノフ議長は「核兵器が世界からなくなるまで、日本とカザフスタンは協力して訴えていくべきだ」と呼び掛けた。カザフスタンでは、セメイ(旧セミパラチンスク)で1989年までに約450回の核実験が行われ、100万人以上が被曝した。
その経験から独立後に旧ソ連が配備していた核兵器を放棄。昨年発効した中央アジア非核兵器地帯条約の成立にもかかわった。(金崎由美)
原爆慰霊碑に花をささげるムハメジャノフ下院議長㊧

【平和についての学び(第21回日本語による世界平和言論大会11月7日にて第1位受賞)】
山陽女学園高等部1年 アデイルハノワ・ヌルダナ

 私の国カザフスタンは中国の北西、ロシアの南の方角にあり世界で第9位の面積を持つ国です。
 私の生まれた町セミパラチンスクでは(ロシアにより)1949年から40年間470回もの核実験が行われました。
 街は土地も空気も水も汚染され人が住めない土地になりました。その上、被爆した多くの人が病気になり今も核実験の後遺症で苦しんでいます。
 私は、平和の為に自分が出来ることが何かあるのではと思い広島に来ました。
 8月6日の平和式典で子供代表は「悲しい過去を変えることは出来ません。しかし、過去を学び、強い願いを持って一人ひとりが行動すれば未来を平和に導くことができるはずです。」と言っていました。
 平和の為には平和を導くための行動が必要だと思います。私の行動の第一歩が広島へ来ての平和の学びです。広島にいる7ヶ月間の間にいろいろなイベントに参加しました。
 印象に残った3ヵ所の平和の学びをお伝えします。
 今年の6月5日に広島平和センター主催の討論会に出席し多くの外国から来た学生達と平和について話し合いました。討論のテーマは「平和とは何ですか・平和の価値を子供たちにどう伝えることが出来ますか」という事でした。その討論の結果、私たち学生たちの共通の思いを確認しあうことが出来ました。
 私たちは、言葉や文化の違いがあっても過去の過ちを繰り返さない為に、平和を守る気持ちを強く持たなければなりません。そのためにも色々な方法で子供たちに平和の大切さを伝える行動をしなければならないと言う結論に達しました。
6月24日には広島友の会の幼児生活団の6歳の子供たちにセミパラチンスクの原爆の経験と平和の大切さについて話しました。話の途中でひとりの男の子が「戦争は嫌い、原爆は嫌い」とさけびました。
 幼い男の子が平和を理解していたのにおどろき感動しました。この感動をセミパラの子供たちにも伝えたいと思います。
 小さな呼びかけでも、行動を続けていたら世界の人達や子供たちに平和の大切さを伝える事が出来ると思います。
 毎年7月31日にある「平和のともしびの集い」にも私は参加しました。夕暮れにろくそくをともし平和に強い願いを持っている人たちと平和公園を歩きまわりました。
 私の隣にたくさんの人たちがいるのを見て、つないだ手の力が強くなっているのを感じました。私は一人じゃない私と同じように平和を願っている人たちと行動が出来ると言う思いが生まれました。
 このような平和の小さな努力の積み重ねが、いつか世界を変えるかもしれません。この広島の学びから被爆の恐ろしさ、この恐怖を世界のどの地域でも二度と起こしてはならないと思いました。広島は世界に平和の重要性を訴える大切なところです。私はこの広島で平和を学んだことを誇りに思います。
 みなさん!!心を一つにして平和を声に出してみませんか!!
 カザフスタン語で平和をビエイブットウと言います。[写真]第1位第11期留学生ヌルダナ(左から2人目、2010年11月17日広島工大中島校舎)

[経過報告]
5月22日(土)山陽女学園高等部の体育大会
5月22日(土)第1回ワークショップ 13時~16時 青少年センター(川野さん)
6月 5日(土)留学生 アメリカ学生使節団との平和討論会
6月12日(土)総会は 9:30~11:30 国際会議場3F 研修室2で開催
6月13日(日) 第2回ワークショップ13時~16時 立町キャンパス(加藤さん)
6月13日(日)ヌルダナの歓迎会 留学生会館のホール(12:00~17:00)と調理室(12:00~16:30)
6月19日(土)「フィリピンの森を創る」講演会
6月24日(木 )広島友の会幼児部会  カザフを語る
6月28日(月) ナイラさん来広
7月 3日(土)ナイラを招いてのシンポジュウム 17:00~20:00 広島市まちづくり市民交流プラザ(研修室B)
7月17日(土)4回世話人会 17:00~19:00 広島市まちづくり市民交流プラザ
7月19日(月) 第3回ワークショップ13時~16時 西区民文化センター(福島さん)
7月31日(土 )「平和の灯」に高橋さんを招聘(ヒロセミ招聘)
8月 1日「せこへい美術館」(13:00オープニング)~8日は本番で、旧日本銀行にて開催。
8月 3日(火) 留学生 全国友の会平和例会で公演
8月 5日(木)全国高校生平和集会10:00~17:00 安芸区民文化センター(船越南3-2-6)
8月 5日(木)「ひろしまピースデーコンサート 19:00~22:00 南区民文化センター ホール(554席)
8月 6日(金)祈念式典参加7:30~ 原爆資料館
8月21日(土)第5回世話人会 14:00 ~ 16:00 広島市まちづくり市民交流プラザ フリースペース
8月21日(土)「オリジナル・ミュージカル」17:00~  アステールプラザ(大ホール)
8月23日(月)平岡敬前広島市長とヨハン・カルトウングの対談18:30~20:00 アステール・プラザ
8月28日セミパラチンスクでのシンポジュームへの招待の件
9月6日(月)~1週間 セメイ日本文化デー/2010年のカザフ訪問 ヒバク証言の聞き取り(主にセメイ)
9月20日~29日のカザフスタン医療訪問団派遣
11月10日(水) ザマナイ 記者会見
11月11日(木) 「ザマナイ」発売
11月14日(日)国際交流・協力の日 10:00~15:00 国際会議場にて(展示で参加)
11月22日(月)  カザフスタン・ムハメジャノフ下院議長講演会
       写真:レセプションにて日本大学ゼミ生と共に
12月14日(火)音楽CD制作東京スタッフ慰労会
12月16日(木) カザフスタンの独立を記念レセプションが東京にて開催
12月23日(水) 友の会のクリスマス会に留学生招待。

【今後の予定】
2011年1月12日 広大国際シンポジウム 16時より武市先生発表(別紙参照)
2011年2月19日 留学生送別会 15時より17時まで 広島市留学生会館(別紙参照)
2011年3月24日 留学生帰国
2011年4月7日 次期留学生入学式