■ 一人綴り

イロイロやってますが、停滞中。(モノが出来たらアップする感じですから...。)更新はしますが数が減るかも。

■ 【 ツナグキオク 】

2010年08月19日 | へたっぴな小説もどき


 今回もオリジナルです。

ちなみに、フィクションです。

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 【 ツナグキオク 】
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 季節の記憶。きっと、その多くは感覚による情報で構成されているように思う。

多分、春と秋は同じように感じ、夏と冬は前の二つとは異なり、それぞれが確実に違う

モノだと感じるはず。触覚で感じる気温変化がその要因の一つだと考えられる。

 だから、この二つの季節は確実に違うものだと判断される。

 では、なぜ、気温変化のソレほど違わない春と秋が違うのか?それは視覚情報の差

異だと考えられる。春の新緑と秋の紅葉。初夏の前の優しい春の風は別として初春はま

だ冬の冷たい風なので冬の訪れを感じさせる秋風のようなモノなので、触覚で感じる季

節の違いは夏と冬程ある訳ではない。

 だとすれば、聴覚、嗅覚、味覚、視覚。この感覚の差異で認知されるのではないだろ

うか?となれば、確実に色彩の異なる世界があるこの二つの季節は視覚情報で区分けさ

れていると考えられる。

 行事もなく、日常がただ賢明に成長するだけの乳幼児や幼稚園にも保育園にも上がっ

ていない小さな子供は、この季節の差異はやはりこうして理解しているのだろうか??

 年を重ねるほど、コノ季節の差異ははっきりしてくる。日本と言う四季を持つ国では

確実にその4つの季節が存在する。その中に雨季である【 梅雨 】 と言う四季に含ま

ないモノを含めても、それが特定のシーケンスでループしている。

 年を重ねるほどに、四季の認識は変化する。それは、ヒトが社会に入る事で特定の行

事によってその季節を理解し始めるからだ。

 多分、四季は春が最も印象深い時期となり、夏と冬は相変わらず特別で、秋と言う季

節は、文科系にとっては 【 天敵が空から降ってきた 】 ような地獄の季節になっ

ていく。その反面、体育会系の人間は、秋は 【 スポットライトが降り注ぐ季節 】

 になるので、個人の秋の認識は大きく変化していく。

 四季のある国だからこそ、春夏秋冬それぞれの季節に記憶と思いがあり、それを思い

出す想い出も存在している。

 きっと季節の差異は感覚的な記憶でそれを判断し、記憶と言うノードでそれが繋がっ

ているのかも知れない。

 四季の中で最も気温が上がる夏。赤道付近の海水温で変化するこの季節の気温は、ラ

ニーニャ現象の影響で最高潮...。日差しも強く


  【 太陽光調理器あったらかなり電気代抑えれそうだな....。 】


と思うほどに地表を焼いている...。砂浜では暑すぎて


  【 アパッチ建走法 】 


を見かけるようになったのだが、アレはブームなのかどうかは定かではない。


  ボク : 【 海の中継見るとアパッチ建だらけなんだけど、アレってブーム? 】

  彼女 : 【 そんな訳ないでしょ!!単に砂浜が物凄く暑いだけよ。 】

  ボク : 【 だよね...。と言うか、アパッチ建推進委員会とか出来てて...。 】

  彼女 : 【 ありません!!! 】

  ボク : 【 そうだよね...。 】


 アクティブな彼女もなぜか今年は海に行こうとは言わなかった。と言うのも熱射病でダ

ウンして、数日うなされていたボクを見せてしまったからかも知れない。


  彼女 : 【 ちょっと、大丈夫...。フツーじゃないよ...。 】

  ボク : 【 ごめん...。人知超えてダメみたい...。 】

  彼女 : 【 じ、人知超えてるって...。水摂らなかったでしょ!! 】

  ボク : 【 いや、思いっきり寝てしまってたらこんな感じで...。 】

  彼女 : 【 ココってサウナって言っても良さそうな部屋なんだから
         昼間に寝るなんてありえないし...。】

  ボク : 【 いや、フラフラ~~ッと...。 】

  彼女 : 【 フツーに意識持ってかれてるじゃない!! 】

  ボク : 【 なんとなく、睡魔かなと...。 】

  彼女 : 【 睡魔じゃなくて、ソレ死神の間違いじゃないの?? 】

  ボク : 【 かもね...。 】

  彼女 : 【 って、もう!!デタラメやってサックリ死なれても困るん
         だから!!いいかげんにしてよね!! 】

  彼女 : 【 心配したんだから...。 】

  ボク : 【 ゴメン...。 】

  彼女 : 【 いいよ...。 】

  ボク : 【 ねぇ、良くなるまで一緒にいてくれる??/// 】

  彼女 : 【 もう、甘えんぼなんだから...。/// 】

  ボク : 【 ごめん...。 】

  彼女 : 【 いいよ。こんなに酷いのにほっとけないし...。 】


               :
               :
               :
               :


 あの時は、熱は下がらないし結構大変だったのと看病疲れで翌日は彼女が寝込んで、結

局2日間、ボクが看病し、結果的に病気で5日が過ぎてったと言うなんとも謎な夏の思い出

を作ってしまった。多分、あの時と同じような気温だから、海という言葉が出てこないの

かも知れない...。

 と言うか、夕暮れ時からは彼女は 【 ドコかに行こう 】 と結構ダダっ子になり、

あっちこっちに行っている。花火、夜景はもちろんの事、解らない場所でもお構いなしに


  彼女 : 【 ココ行きたい!! 】


と言う言葉で結果的にはあっちこっちに行っている。世の男性諸君は、リア充と言う言葉

が当てはまるかは謎だが、どこか 【 リアルに従者 】 である 【 リア従 】 な

状態があるようにも見える。そんなこんなで、昼過ぎになると彼女が何時もどおり何かを

見つけてしまった...。


  彼女 : 【 ねぇ、あそこにこんなの出来たんだって!! 】

  ボク : 【 何?コレ!!あそこって何もなかったんじゃ...。 】

  彼女 : 【 でしょ!!行ってみない? 】

  ボク : 【 そうだね。何時にしようか?! 】

  彼女 : 【 えっ?!今からに決まってるでしょ!! 】

  ボク : (エッ、イマカラデスカ...。ソウデスカ...。)

  ボク : 【 えっと、コレドコ?? 】

  彼女 : 【 さぁ?! 】

  ボク : (いや、さぁって...。ドコまでデタラメなんだ...。)

  ボク : 【 何時出来たの?? 】

  彼女 : 【 昨日だって!! 】

  ボク : ( ナヴィに登録されてないし...。 )

  彼女 : 【 だから...。早く出ないと見つからないでしょ...。 】

  ボク : 【 そうだね...。 】

  ボク : ( って、ドコにあるんだ?? )

 訳も解らず車を走らせると、夕暮れ時となっていた。走っていた海岸線は太陽が眠りに

就く前のグラデーションを描いていた。


  彼女 : 【 あぁ~....。綺麗....。 】

  彼女 : 【 ねぇ、少し車止めてコレ見ようよ!! 】

  ボク : 【 そうだね...。 】


彼女は、夕暮れ時にこんな感じになるのを見た事がなかったのと、海辺で海岸線がこうな

るのを知らなかったらしい。多分、日常の中で見ては居たんだと思うけど意識してなかっ

たのかも知れない。


  彼女 : 【 ねぇ、これって今日だけなの?? 】

  ボク : 【 マジックアワーだから、毎日こうなるよ。 】

  彼女 : 【 えっ??そうなの?? 】

  ボク : 【 ただ、曇ってたり雨とか降ってたりしたらダメだけど...。 】

  彼女 : 【 た、確かに...。 】

  ボク : 【 でもね。空って何時も同じじゃないから今日のマジックアワー
         は今日しかないんだよ。 】

  彼女 : 【 そうなの?? 】

  ボク : 【 そう。今日と同じ空ってまず見れないから今日見たコレも特別
         なんだよ。 】

  彼女 : 【 空って気まぐれなんだね。 】

  ボク : 【 そうだね。と言うよりも、感情豊かと言うべきかも知れないね。 】

  彼女 : 【 ??? 】

  ボク : 【 だから、怒ったり、泣いたりもするんだけど、こんなに優しい
         笑顔で見つめてくれるんだよ。 】


                 :
                 :
                 :


 結果的に数時間、日没までその場所で時間を過ごした。彼女ははじめて見るその景色

が気に入ったようで、


  彼女 : 【 今度夜景を見に行くときはお昼から出ましょ!! 】

  ボク : 【 エッ!!夜景でしょ?! 】

  彼女 : 【 何言ってるの!!明日は明日の素晴らしい笑顔があるん
         でしょ!!じゃあ、見ないとダメじゃない!! 】

  ボク : 【 エッ!!ソレはそうだけど....。 】

  ボク : (何か余計な事言ってしまったか??)

  彼女 : 【 じゃあ決まりね。次からはもっと早く出て空も見ましょッ!! 】

  ボク : (凄い事になってしまった....。)


 彼女がそれがお気に入りになったのは嬉しいんだけど...。夜景を見に昼から行くって

ドコまで遠くに出かける気なんだ??と言うのがボクの一番の心配の種だった...。密か

に、数年後には弾丸トラベラーみたいに、物凄い距離を日帰りさせられるんじゃないかと

思うと、かなり怖さを感じた。ただ、そのマジックアワーと同じような笑顔があったのを

予想外の事だけど、喜んでくれてるんだなと言うのを感じた。

 マジックアワーのような笑顔が続くといいなと思っていたのだが...。目的地が見つか

らず、徐々に夕暮れ時が来て月が出てくるように、彼女の笑顔も少しトーンダウンしてき

た。


  彼女 : 【 ねぇ、道合ってるの?? 】

  ボク : (いや、ナヴィにもないし、ドコか解らんトコなのにソレ聞くか?)

  ボク : 【 た、多分...。 】


 その後、コンビニやガソリンスタンドで聞きながら場所を探すも嘘の様に迷いまくり、

ビックリするような時間にそこに着いた....。


  彼女 : 【 ねぇ、ここだよね。 】

  ボク : 【 長かったね...。 】


クタクタになった足でそこに向かうと...。明かりが点いていない...。

 そう、見事なまでに終わっていた...。
  

  彼女 : 【 って、何なの??折角来たのに!! 】

  ボク : 【 いや、結構迷ったし...。 】

  彼女 : 【 来てるのに、こんな事するなんて!! 】

  彼女 : 【 解ったわ!!コレはきっとワタシに対する挑戦状ね!! 】

  ボク : ( いや、レジャー施設が客に挑戦状たたきつけてどうする?? )

  彼女 : 【 ねぇ、明日も来るわよ!! 】

  彼女 : 【 中見るまで何度でも来るんだから!! 】

  ボク : ( あぁ...。出てしまった...。何時ものが...。 )

  彼女 : 【 ねぇ、返事は?! 】

  ボク : 【 ハイ....。 】


 帰り道、言うか言うべきではないか迷っていた事があった...。それはマジックアワー

の事だった。確かに夕暮れ時に空を染めるグラデーションは毎日でるのだが、地球の自転

運動によるその現象は、日の出付近でも観測できる...。当然、夕暮れ時の空が同じ表情

でないように、朝焼けの空が昨日と同じ訳がない...。ただ、これを口にすると...。


  彼女 : 【 え~~ッ!!朝も見られるの!! 】


と目を輝かせながら言ったあとに


  彼女 : 【 夜明け前から出かけるわよ!! 】


とか恐ろしい事を言われそうな気がした...。と言うか、何時間動きっぱなしになるのか

解らないので、この事をあの時調子に乗って言わなかったのが不幸中の幸いだったと感じ

た。とりあえず、この事は暫く黙っておこうかと思った...。

 結果的に、明らかに太りそうな時間に結構ヘビーな食事をして帰ることになった。そう

、キミはいいんだよ...。太らないから...。そんな体質だから...。と言うか、ボクは増

殖炉かって程太るからこの時間はありえないんだけど...。(T~T)

 そう思いつつ食事を終えて、車の中で会話する。


  彼女 : 【 おなか空いてる時って結構食べちゃうのよね。 】

  ボク : 【 いや、この時間に常時食べると太るし...。 】

  彼女 : 【 えっ??ずっとそんな事なかったし、今もそうだけど...。 】

  ボク : 【 いや、ボクが...。 】

  彼女 : 【 大丈夫!!アンタが太っても気にする人居ないし!! 】

  ボク : (サラリと物凄い事言うなぁ...。)

  彼女 : 【 それに太っても人間が変わる訳じゃないし、変な気起こしたり、
         誰かが持っていこうとか思わないから別にいいんじゃない。 】

  彼女 : 【 それに、体重でヒト選んでる訳じゃないから...。 】

  ボク : 【 エッ?!//// 】

  ボク : (ねぇ、今、好きって言った??ねぇ...。どうなの??///) 

  彼女 : 【 何?どうしたの??顔が赤いよ?? 】

  ボク : 【 いや、疲れてがたまったのかな?? 】

  彼女 : 【 少し車止めて休む?? 】

  ボク : 【 そうだね。 】


                :
                :
                :


 夜空が綺麗だった...。と言うか、車の中でこんなに長く二人で居るのってはじめて

かも知れない。

  彼女 : 【 やっぱり、真っ暗だと星って綺麗だね。 】

  ボク : 【 そうだね。と言うか、あそこに星の集まりがあるの解る?? 】

  彼女 : 【 うん。 】

  ボク : 【 あれが....。 】

  彼女 : 【 天の川銀河だよね。 】

  ボク : 【 うん。これって暗いトコロほど良く見えるんだけど、ココって
         凄くハッキリ見えるよね。 】

  彼女 : 【 うん...。流れてるし星が降って来そうなほどキラキラしてるね。 】

  ボク : 【 そうだね...。 】

  彼女 : 【 そっか...。こんなに綺麗な空があるんだ...。 】

  ボク : ( あっ....。 )

  彼女 : 【 夜景見た後、星空観察しましょッ!!! 】

  ボク : ( あぁ、なんて事だ....。 )


                :
                :
                :


 そんなこんなで、知らず知らずの内に彼女のスケジュールは過密になっていき、結果的

に 【 夜景は昼から見て、消灯後は星見て帰る 】 と言うドコに出かけてきたのか解

らないようなデタラメなスケジュールへと変化していた。

彼女を家まで送り岐路に着く...。帰り際に


  彼女 : 【 明日こそは絶対勝つんだから!! 】


と言っていたんだが...。勝つって何に勝つんだろうか??それが今も謎のままだ...。

 そして翌日。疲労は少ないものの、少し気だるい朝に、いきなり電話が鳴る....。


  彼女 : 【 ねぇ、起きてる!!迎えに来てくれない?? 】


そう。ここ数日の日課...。彼女が家に来て、外に行く前にに彼女の家にもう一度寄り、

彼女と少し時間を費やして出かけるというルーティーンが存在していた。
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