■ 一人綴り

イロイロやってますが、停滞中。(モノが出来たらアップする感じですから...。)更新はしますが数が減るかも。

■ Little Travelerの歌詞みて書いてみた。 (1)

2010年08月07日 | へたっぴな小説もどき




 とりあえず、ジミーサムPさんの 【 Little Traveler 】 の歌詞が悲しすぎる

ので、影響受けて一筆書いてみました。

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 【 Little Traveler 】(独自解釈)
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 週末になった。何時ものようにボクには出かける場所がある。

 広くなってしまったワンルーム。狭く感じていたあの日とは変わってしまった。

 響くのは、テレビの音と、あの日から耳にしている音楽と、電話に出た時の僕の

声だけになってしまった。

 白い部屋が好きだと言っていたキミと選んだこの場所。重ねた時間も多くあった

ね。ただ、もう積み重なる時間はないけど。

 何時も週末は同じ時間に眼が覚める。君が居なくなったあの日。そう、車を飛ば

してベッドの上で冷たくなっている君を見たアノ日。眠れない日々は続いたけど、

その曜日のその時間になると、眼が覚めてしまうのは、ボクの無力さに対する後悔

がすっとボクを縛り付けているからかも知れない。

 そして、今日も君に会いに行く。教会の墓地に眠る君の場所へ。君が大好きだっ

たダリアをあしらえた花束を持って...。


 【 昨日仕事でさ....。 】

     :
     :

 あの日までは、テーブルを挟んだ向こう側に笑顔で聞いてくれる君が居たけど、今

は、違う姿の君しか居ない。

 作り笑顔の数だけ増えて、笑顔の数は減ったけど、君の前ではまだ笑顔の僕は居

る気がする。

 忙殺される毎日に疲れていても、この日課だけは変わらない。積み重ねた時間は

そんな簡単に消せないから。

 少し遅れた夏休みになった。以前から決めていたことがある。


 【 もう一度アノ場所へ行こう 】


と言う事。寂しくなった左薬指とは裏腹に、あの日からずっと寄り添っているペア

リング。そのリングのように寄り添っていた想い出をもう一度つづってみようと思

っていた。

 向かったのは冬の南半球。オーストラリア。チャペルで鐘の音を聴いてその後向

かった場所だった。


ボク :  【 なんで、市街地じゃないんだよ。 】


と尋ねたボクにキミはこう答えた。


?? :  【 想い出の場所は、変わらないから想い出になるんだよ。 】

 
と。荷物と自分だけの一人旅。あの日と違うのは、そばに居るのがカメラになっている事

だけだった。宿泊場所だけ確保したきままな旅が始まった。

 そして、あの日のようにそこにたどり着く。黄昏時のエアーズロック。


二人 ; 【 ただ岩だね...。 】


と、二人で他の観光客に冷ややかな眼で見られそうなことを言ったのも直後

までで、夕日に染まる赤いエアーズロックと星に照らされたシルエットを見て

ふたりで 【 ただの岩なんて言ってゴメンナサイ 】 とか言ったっけ。

 その時は下手っくそな腕でレンズつきフィルムで撮影して帰ってきて二人で

ガッカリしたけど、今だったらもっと違う形で残せたのかもしれないね。

二人で眺めた赤く染まる岩盤。あの日と同じ姿がここにあった。


ボク : 【 あの日と同じで綺麗な姿だ...。 】


そう思った。ただ、寄り添う君が居ないのが今のボクの現実だけど。

 ホテルに帰り写真を確認する。エアーズロックの写真を見て感じる。


ボク : 【 本当は、コレだったんだよね。エアーズロックって。 】


 部屋にあったエアーズロックの写真を 【 岩肌 】 って言ってたっけ。


ボク : 【 かなり凹んだけど、今のボクもアレはそう思うよ。 】

ボク : 【 想い出だとこっちだよね。 】


そんな事を思いながら写真を見ていた。そう言えば、登ったんだよね。アノ山。

【 訓練か?! 】 とか思いながら...。グッタリして言ったっけ

 
ボク : 【 ねぇ、想い出ってこんなにツライの?? 】

?? : 【 コレ予想外だよね。と言うか訓練だよコレ...。 】

ボク : 【 でも、ずっとこの話ってできそうだよね。 】


って笑う気力もなく話したっけ...。でも、ずっとだけは嘘になっちゃったね。

 そして、ピナクルへ向かった。不思議な形の石があるんだと眼を輝かせていっているキ

ミの言葉の意味が当時解らなかったけど...。何か棲んでそうなその場所で夕暮れ時に砂

漠の風を感じ少しの時間だけ無風になった夜空を見上げたね。澄むんだ空に星が煌いてい

て綺麗だった。黄昏時から大地に吸い込まれ、大きく白い砂を染める太陽。そして、群青

の空に煌く自然のラインストーン。

 何か静まり帰った集落のような風景を眺めたよね。そんな想い出に浸りながらそこに向

かった。そうあの時と同じ黄昏時のピナクルの石柱群のある場所へ。

 太陽が傾きかけ、気温も少し低くなっていた。ただ、アノ日と違ったのは風があった事

だろうか。


 【 もう一度見せてあげたかったな...。 】


風の強い砂漠で、そう思った瞬間、


      :
      :
      :

 【 一緒に見てるし...。 】

      :
      :
      :


と声が聞こえた。風の音がそう聴こえたのか...。キミがそこに居るような気がした。

 キミは今どこに居るんだろう?何時も向かうあの教会だろうか?それともこの大地

になって木々になっているのだろうか?それとも風となって...。

 夕暮れ時、太陽が赤く染まる。あの時のように砂の上に座り両足を投げ出して、見

つめてた。


 ボク : 【 一人で見るのって寂しいな...。 】

 ?? : 【 一人じゃないでしょ。 】

 ボク : 【 疲れてるのかな...。幻聴が二度も聴こえるなんて 】

 ?? : 【 キミは何時から、人のことをムシするような悪いコになったんだ? 】

               :
               :


ボク : 【 ・・・・。 】


 一瞬、我目を疑った。そう、あの日のようにキミがそこに居た。


?? : 【 ただいま。 】


そこには、あの日の笑顔のキミが立っていた。一瞬、何が何だか解らなかったが、景色が

解らなくなるほど涙が出てきた。


?? : 【 アレッ?こんなに泣き虫さんだったかな?? 】

ボク : 【 砂漠の砂が眼に入ったんだ...。 】

ボク : 【 じゃない...。ッ...。うっッ...。 】

?? : 【 ヨシヨシ...。寂しかったんだよね...。 】

ボク : 【 違うよ、嬉しいんだよ...。ッ...。 】


 状況を理解したら言葉が出なくなっていた。居るんだ。ここに...。あの日で止まった

時計の針が動いているんだ。そう感じたら、何を言っていいのか解らなくなった。

現実か非現実かなんてどうでも良かった。ただ、


  【 これが魔法だったら解けないで 】


と願った。あの日のように二人で見つめる夕日。


?? : 【 綺麗だね 】

ボク : 【 そうだね。 】

二人 : 【 あの日と同じだね。 】


夢でも何でもいい、この時間が終わらないでくれと願った。


ボク : 【 あっ、そうだ...。 】

ボク : 【 コレ持って来てたんだ 】


二人の記憶を刻んだペアリングを取り出した。


?? : 【 えっ、どうしてコレを持ってきてるの? 】

ボク : 【 想い出の地はもう一度二人で見ようと思ってさ...。 】


感傷に浸って持ってきたリングだったけど、このリングが魔法をかけてくれてるのかな?


?? : 【 じゃ、付けようか。 】

ボク : 【 そうだね。 】


あの日で黒塗りにされた時間が光を得たような気がした。星空を眺めあの日と同じよう

に語った。

 夢でもいい、幻でもいい、覚めない夢ならこの場所に誘われても。

 これが幻なら、囚われてもいい、君が居て、君の声がここにあって、君のとの時間が積

み重なっていくのなら....。

 そう思った...。

 積み重ねてきた時間、そして今。話したいことが一杯で、言葉が留めていた涙のように

あふれ出してくる。幸せ時間が終わらないでと願いつつ時を過ごしているとキミはこう切

り出した...。


?? : 【 ゴメン、帰らなくちゃ...。 】

?? : 【 あっ、ワタシじゃなくてキミね。 】

ボク : 【 えっ、帰るってドコへ...。 】

?? : 【 う~ん、今かな。 】

ボク : 【 今って、何? 】

?? : 【 ココじゃなくて、アナタが居る世界かな。 】

ボク : 【 えっ?? 】

?? : 【 ココは、まだあなたが来る場所じゃないの。 】

?? : 【 でも、忘れないでね。アナタは一人じゃないし、
       ずっと一緒なんだから。 】

           :
           :

?? : 【 あと、ずっと、ずっと大好きだよ...。 】

           :
           :


意識が遠のいていく。そして、ブラックアウトした世界から誰かの声が聞こえる。

眼を開くとストレッチャーで運ばれていた。後日談で知る事になるのだが、移動中

にトレーラーとの衝突があり、実際にはそこには、行っていなかったらしい。

乗り合わせた場所が悪くて、意識不明の状態で搬送されていたらしい。

 予定とは別に海外での入院生活を2日程する事になるが、怪我もなくあの状況か

らは考えられない軌跡的な状況だと言われた。

 その事故の後に聞かれた話で身に覚えのない事を言われた。


  【 アナタは花を購入されていましたか? 】


と言うモノだった。買った覚えもないがと答えると


  【 変ですねぇ。アナタが事故に遭ったとき、あなたの席にはこの花が
    複数本あったんですよ。 】

  【 だから小さな花束でも持っていたのかと...。 】


ボク : 【 この花は? 】

ボク : 【 事故の時に野草が混ざったんじゃないですか?? 】


  【 いえ、そんな事はありません。 】

  【 この花はアツモリソウと言って、多年草なんですが、この地域では見かけま
    せん。原産は東欧ですし...。コレだけ綺麗にアツモリソウだけ揃う事はない
    でしょうから...。 】


ボク : 【 そうですか。 】


流石にその花は持ち帰るわけにも行かないので、大丈夫なのは僕の部屋の花瓶に生け

てくださいとお願いした。
 

 【 ”君を忘れない”か...。 】


 ボクの記憶から消えているだけで、僕の中にあった思いで買った花なのか、それと

もボクへのメッセージだったんだろうか?


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