■ 一人綴り

イロイロやってますが、停滞中。(モノが出来たらアップする感じですから...。)更新はしますが数が減るかも。

■ 【 Memorys 】

2010年08月16日 | へたっぴな小説もどき


 空いちゃいましたが、また違ったお話書いてみました。

ちなみに、フィクションです。

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 【 Memorys 】
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 夏。残暑が厳しく、急遽訪れたラニーニャ現象によって高温に熱せられた空気が、

ただでさえ、気だるい日々を更に厳しいものに変えていた。

 ただ、暑い...。窓を開けても変わらない暑さ。熱風が涼しく感じるこの部屋は、他人

からすると、既に異世界のような暑さなのかもしれない。

 ペットボトルの水を含み、脱水症状にならないように過ごす日々。ある意味、夏の暑さ

と言う猛者と無意識に戦っているような状況がそこにあった...。


  ボク : 【 はぁ...。暑い...。 】


 感嘆符で終わる言葉を発するだけの気力もなく、テーブルの上で解けかけているアイス

のような状態で、部屋に居た。

 窓から見える景色。コバルトブルーに染まった空と夏らしい入道雲が狭い空に浮かんで

いた。

 まるで煮えたぎる湯の上でいい感じに蒸し焼きにされているような状況は、お昼の料理

番組を窓の外から盗み見していた太陽が、空腹感に負けて行っている訳ではないと思うが

とにかくテンションは下がる...。


  ボク : 【 この後に冷たいモノの上に乗ったら棒々鶏だな....。 】


と、既にいい感じにボイルが終了してしまった頭で考えていた。

 夕方。西日の入る部屋から赤く染まった空を眺めていると、チャイムの音がする。


  ボク : 【 夕方に来客って誰だろう?? 】


そう思い、ドアを開けようとすると、そのドアの向こうの人物は、思いっきりドアを

押し込んで来きた!!

  ?? : 【 ☆■○・?!※+☆!!! 】

  ボク : 【 痛ッツ!!!(★_☆) 】


 やっぱ、ドアは、外側に引くべきモノだと思うのだが、ウチの作りは内部に押し込む

と開くモノなので、思いっきり打撃を受けた...。


  ボク : (チャイムを押して、この打撃...。)

  ボク : (ま、まさか...。強盗??)


               :
               :


頭を打って混乱していると、困惑した顔の君が居た。


  彼女 : 【 ちょっと、何玄関先で寝てるのよ...。 】

  彼女 : 【 って、ちょっと何!!覗き?! 】

  彼女 : 【 ヘンタイ!!!アッチ行け!! 】


....。もう、デタラメだ....。(T_T)


  ボク : 【 けが人とっ捕まえて、ヘンタイって...。 】

  ボク : 【 いきなり待ち構えたかのようにドア押し込んどいて
         ソレはないだろ!! 】

  ボク : 【 もう少しで、セミと一緒に人生を終える所だったぞ...。 】


              :
              :
              :


  彼女 : 【 あっ、ゴメン...。 】

  彼女 : 【 てっきり、暑すぎて変な病気でも出たのかと...。 】


              :
              :
              :


  ボク : 【 ちょっと待て、ヒトを何だと思ってるんだ?! 】

  彼女 : 【 いや、夏場は変質者が多発するので注意しましょうって言う
         でしょ。やっぱり、女の子は、用心に越した事はないから。 】

  ボク : 【 ソレもそうだね....。 】


              :
              :


  ボク : 【 って、ソノ中に含めるんじゃない!! 】


              :
              :


 散々な目にあった上に追い討ちまでかけられたのだが(酷すぎる...。)、とりあえず

、ソノ後心配はしてくれていたみたいなので悪気はなかったのだろう...。むしろ悪気が

あったらこれからの生活は、ハザードマップの危険地域に指定されているような場所のよ

うな警戒レベルにまで引き上げなくてはならないが...。


  ボク : 【 ところで、今日は何の用事?? 】

  ボク : 【 やっぱり、ヒットマンとして倒しに来ていたとか...。 】

  彼女 : 【 え、何の用事って....。の前に、ヒットマンって何?!! 】

  ボク : 【 いやぁ、三途の川渡りかけたあの打撃...。仕留めに掛からないと
         あんなの出ないよ...。】

  彼女 : 【 だから、 ”ねぇ、居る?!” って聞いて空けたでしょ?! 】

  ボク : ( あの時聴こえたのは、死者を誘うレクイエムじゃなくてキミの声
         だったんだね...。呼ばれていたのかと思ったよ。 )

  ボク : 【 7割り方昏睡してたから解らなかった...。 】

  彼女 : 【 ご、ゴメン....。 】

  ボク : 【 いいよ。しつこく言うつもりはないから...。 】

  彼女 : (いや、十分引っ張ってるし....。根に持ってるの??)

  ボク : 【 そうそう、今日は...。 】

  ボク : 【 可愛い格好してきてるけどどうしたの??出かけてきたの?? 】

  彼女 : 【 ハァッ?!アンタ、ホントに何にも覚えてないの?! 】

  ボク : (いや、それをあの一撃必殺の超必殺技みたいの食らわして言うか?)

  ボク : 【 いや、打ったせいかな...。ちょっと...。 】

  彼女 : 【 蒸し器みたいな部屋にいるから頭煮えちゃったんじゃないの?? 】

  ボク : (いや、それは否定しないけど、そこまで怒るか?!)

  ボク : 【 ゴメン...。 】

  彼女 : 【 打って忘れちゃったんだったら、謝るけど、今日は夜景見に行こう
         って誘ったでしょ?!】

  ボク : 【 ハテ?! 】

  彼女 : 【 エッ、ごめんなさい!!そんなに強く打ってるなんて思わ
         なかったから...。大丈夫??救急車呼ぼうか? 】

  ボク : 【 いや、いや、冗談だから...。そんなに心配してくれると思わなか
         ったからゴメン...。 】

  彼女 : 【 もう!!驚いたんだから...。 】

  ボク : 【 ゴメン...。 】


 そう言えば、そんな約束もしたような...。一週間前


  彼女 : 【 夏ってやっぱり花火よね!! 】

  ボク : 【 そうだね。 】

  彼女 : 【 こんな近くでこんな数上がるのがあるなんて知らなかった!! 】

  ボク : 【 ボクもコノ間まで知らなかったんだけど....。 】

  ボク : 【 調べてみたら誤植か?と言うほどの数が書いてあって、実際に
         そうだったみたいだから行こうと思ったんだ..。 】

  彼女 : 【 じゃあ、この花火を誰かと見るのって...。/// 】

  ボク : 【 キミが最初ダョ....。/// 】

  二人 : 【 ....。/// 】

  彼女 : 【 う、嬉しぃカモ...。/// 】

  ボク : 【 喜んでくれるト、ボクも嬉しぃョ....。/// 】


              :
              :


 そう言えば、アノ後確かに、夜景見に行くと言ったんだが、ダメージのせいか煮えてし

まったのか、それとも物忘れが始まったのか場所があやふやなままだった...。


  ボク : 【 ねぇ、どこだっけ...。 】

  彼女 : 【 えっ、今日は行くのやめて横になっとく?? 】

  彼女 : 【 看病くらいはしてあげるよ....。 】

  ボク : 【 いや、度忘れだから...。 】

  彼女 : 【 ただ教えるのも面白くないから、ヒント出そうかな...。 】

  ボク : 【 えっ、何?? 】

  彼女 : 【 橋と言うと...。 】

  ボク : 【 日本橋...。 】

  彼女 : 【 やっぱり今日はワタシ傍に居てあげるから横になって
         おいたほうがいいと思うよ。 】

  ボク : (ダメだ、バカな事を言うと心配されてしまう。まじめに答えよう。)

  ボク : 【 いや、真剣に答えるから。ここから考えるとベイサイドエリア
         しかないし...。 】

  彼女 : 【 アタリ!!って、本当に大丈夫?? 】

  彼女 : 【 だって記憶になかったんでしょ。 】

  ボク : 【 大丈夫だと思うよ。じゃあ着替えてくるから待っててよ。 】

  彼女 : 【 ウン...。 】


 頭をぶつけたせいなのか、暑さのせいなのか少し頭が重たい気がしたが、暑さのせ

いだと考えていた。

 運転中、目に入ってくる光...。人工の光が群青の空を漆黒に変え、星の刻んだ命の

光を優しく黒いベールで包む。天の光は大地に木霊し、ソコに広がる人の生み出した

光の世界。

 その極彩色の人工の光の世界が徐々に近づいていた。


  彼女 : 【 ねぇ、ここからでも物凄く綺麗だね!! 】

  ボク : 【 こんなもんじゃないよ。光が降り注いでるから...。 】

  ボク : 【 そうだ、見てない方が綺麗に感じるかもしれないから目を
         閉じててごらん...。 】

  彼女 : 【 えっ...。何もしないでしょうね!! 】

  ボク : 【 いや、何を考えてるの?!///しませんッ!!/// 】

  ボク : 【 運転はするけど...。 】

  彼女 : 【 な、ならいいけど...。///着いたら教えてね。 】

  ボク : 【 いいよ。 】


 そして、車を走らせ、パーキングエリアに車を止めた。


  ボク : 【 ほら、着いたよ。目を開けてごらん...。 】

  彼女 : 【 ...うん...。 】

  彼女 : 【 ...綺麗...。 】


波間に浮かぶ船の明かりとベイエリアを照らす建物とライトアップ。日中のその場所とは

違う衣装をまとった世界がボクたちを包んでいた。


  彼女 : 【 ここってこんなに綺麗だったんだね。 】

  ボク : 【 夜だけこんなに綺麗な場所に変わるんだよ。 】

  彼女 : 【 そうなんだ...。 】

  ボク : 【 ねぇ、ここ好き? 】

  彼女 : 【 大好きかも...。 】


 彼女は喜んでくれた。


  彼女 : 【 外から見てみたいな...。 】

  ボク : 【 潮風を浴びてみる? 】

  彼女 : 【 うん...。 】


 彼女はそう言うと、車を降り、フェンス越しに出て行った。彼女の長い髪が潮風で揺れ

ていた。


  彼女 : 【 ねぇ、一緒に歩こうよ...。 】

  ボク : 【 そうだね。 】


 まるで、無邪気な子供のような笑顔で歩く君。ボクはずっと守ってあげたいと思った。


  彼女 : 【 もっと近くに行っていい?? 】

  ボク : 【 いいよ。 】


 寄り添って光のアーチのようなその場所を歩いた。きっと何時かはこの光がチャペルの

ステンドグラスを通した光になってるんだと思う。


  彼女 : 【 ねぇ、ずっと一緒だよね。 】

  ボク : 【 当然でしょ。 】


            :
            :


  彼女 : 【 綺麗だったね...。 】

  ボク : 【 でしょ。 】

  彼女 : 【 もう一度連れて来てくれる?? 】

  ボク : 【 何度でも連れてきてあげるよ。 】


            :
            :


車の中でそんな事を話しながら、彼女を家まで送った。


  彼女 : 【 今日は楽しかった!!ありがとう!! 】

  ボク : 【 喜んでくれて嬉しいよ。 】


 彼女は喜んでくれていた。すると、


  彼女 : 【 ねぇ、今度ドコ行こうか?! 】

  ボク : 【 そうだねぇ。ドコにしようか...。行きたいところとかある? 】

  彼女 : 【 えっ、ワタシが決めていいの?? 】

  ボク : 【 いいよ。前もボクが決めちゃったから...。 】

  彼女 : 【 う~ん...。いっぱいありすぎて選べないなぁ...。 】

  ボク : (いや、ちょっと待って、殺人的スケジュールになるのか??)

  彼女 : 【 じゃあ、考えとくね。 】

  ボク : 【 うん。じゃあ、またね。 】

  彼女 : 【 あっ、ちょっと待って!! 】

  ボク : 【 えっ、何?! 】

  彼女 : 【 ...。大好き...。 】

  ボク : 【 ...。ボクもだよ。 】


 と言うと、彼女は優しくボクの頬にキスをしてくれた。


  彼女 : 【 今日のお礼...。じゃあ気をつけてね。 】

  ボク : 【 また、来週会おうね。 】

  彼女 : 【 うん。 】




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