流石に、悲しい話ばっかり書いていると書いてるほうが死んでしまうので、今日は 前作みたいな悲しい話ではないモノを書きました。 当然の事ながら、今回もフィクションです。 ______________________________________________________________________________ 【 Promise 】 ______________________________________________________________________________ 今、君はどうしているだろう...。高いビルの窓からボクは遠くの空を眺めて 思った。 ?? : 【 どれ位行く事になるの?? 】 ボク : 【 3年かな...。 】 ?? : 【 長いね...。でも待ってるから...。 】 ボク : 【 仕事が終わったら直で行くから...。 】 彼女と空港で交わした言葉。あれから1年が経過しようとしていた。少し涙ぐんでいた きみは、けなげに笑顔を作って僕を送り出してくれた。今もその時の事が昨日の事のよ うに思えるよ。 この場所に来て変わったのは、食事の味と、話す言語と、体脂肪。そして、信じがた く高くなった電話代。忙殺される毎日よりパケ死にしそうな日々が続いてた。 ボク : 【 あのさ、このままじゃ二人ともパケ死にするから パソコン使わない?パケットフリーだし 】 ?? : 【 私、パソコンよく解んないんだけど...。 】 ボク : 【 大丈夫、今度の休みに日本に帰るから、その時教えてあげるよ。 】 ?? : 【 えっ、休み取れたの?? 】 ボク : 【 あぁ、8月に7日ほど...。 】 ?? : 【 何処行こうか?? 】 ボク : 【 それも考えておこうね。 】 パケ死によりもただ、会いたかった。照れくさくてボクは君にそんな話をしてたけど、 かなり酷いホームシックにかかっていた。ホームシックと言うよりも 【 キミと言う心の居場所 】 に戻りたかったんだと思う。長期休暇を貰い、ビザを取り帰国した。 久しぶりに浴びる日本の太陽。そう、太陽....。 【 って、暑すぎだろ!!ココは砂漠かぁ~~~ッ!!! 】 と思ってしまう程暑く、思わず 【 日本って温暖湿潤気候だから涼しいんじゃないのか?? 】 とグチをこぼしてしまった。汗だくになり、まるで夕立にあってしまったかのようなボ ロボロな風貌になりながら、キミを探した。 空港のロビーで座わっているキミはあの時と変わらなかった。そして、僕は声をかけ る。 ボク : 【 ただいま。 】 ?? : 【 おかえり!! 】 ?? : 【 ??? 】 ボク : 【 どうしたの?? 】 ?? : 【 太った?? 】 ボク : 【 うん、5キロ程...。 】 : : : 正直、安心したのは 【 誰?! 】 とか意味不明なリアクションを取られなかった ことかな...。タクシーに乗り、僕の部屋へと二人で帰った。 ?? : 【 そんな水浸しな格好じゃ風邪ひくから早く着がえなさい!! 】 ボク : 【 あっ、そうだね。じゃ、シャワー浴びてくるよ...。 】 年下なのに、なぜか上から目線のキミにはなぜか逆らえない...。ボクの唯一の弱点で もあり、人生の中で始めてであった天敵なのかも知れない...。(勝てる気がしない。) 口げんかでは、連戦連敗...。もう、勝てる気がしない程ボロボロに負け、ケンカして 出て行く前に止めるのはボク...。周囲からは、 【 もう、尻に敷かれているな...。 】 【 主従関係ができちゃってるじゃないか...。 】 と茶化される始末...。 【 終身型ピラミッド建造作業員 】 と、なんとも酷いアダ 名まで付けられている。ただ、実際は、そんな彼女もキツい性格じゃないから服従と言 うよりは大事な訳で...。ただ、気が強いだけと言うか、芯がしっかりとしていると言う か...。まぁ、単になくてはならない存在でしかなくなっていたりする。 シャワーを浴びて服を着替えた。すると彼女は ?? : 【 ねぇ、7日もあるのになんでこんなに着替え持って来てないの?? 】 ボク : 【 丁度洗濯してて乾いてるのがなかったから...。 】 ?? : 【 アンタって、何時もそうね。大事なトコでおっちょこちょいなん だから。 】 ?? : 【 お仕事でもそんな事になってるんじゃないでしょうねぇ?! 】 ボク : 【 いや、そんなんだったら、7日じゃなくて帰国させられてるよ...。 】 ?? : 【 じゃ、お仕事は順調なんだ...。 】 ボク : 【 まぁ、簡単じゃないけどね。ただ、ボロボロではないかな。 】 ?? : 【 じゃあ、それ以外は...。 】 ボク : 【 嘘みたいに寂しいかな...。だからパケ死にしそうだよ...。 】 ?? : 【 確かに...。ワタシもパケ死にするかも知れない...。 】 ボク : 【 だから、この後観に行こうねパソコン。 】 ?? : 【 じゃあ、お昼外で食べる?? 】 ボク : 【 そうだね。久しぶりに外で食べようか...。 】 : : そんなこんなで、外食をする事になる。と言うか、 【 日本...。そんなにボクのことがキライか?? 】 と思う程の暑さ...。何の為に着替えたか解らない程汗がでる...。 ?? : 【 ねぇ、大丈夫??生きてる?? 】 ボク : 【 ダメっぽいけど、もうスグだから大丈夫だよ。 】 太陽に愛されすぎているのか、それともキミが晴れ女過ぎるのかは解らないけど、なん だかバーベキューにされている気分だ...。太ったことへの当てつけかは別として、太陽 はもしかしたら 【 美味しそうな肉 】 を見て本能的に焼きたくなっているのかも知 れない...。とりあえず、太陽...。それだけはやめてくれ...。 昼食は、イタリアンレストランで済ますことに。レストランに入ると、日が落ちた砂漠 のような寒さだった...。 ?? : 【 大丈夫??今度は震えてるけど?? 】 ボク : 【 温度差が凄いね...。何時も日本ってこうなの?? 】 ?? : 【 どうも今日だけみたいだよ。 】 ?? : 【 折角帰ってくるんだから、晴れてもらわないと困ると思って...。 】 ?? : 【 ”明日は彼が帰ってくるの!!雨降ったら承知しないんだから!!” って空に文句言っておいたの。】 ?? : 【 どう??効果抜群でしょ!! 】 : : : む、無敵すぎる...。(汗)この異常なバーベキューにされそうな暑さは、キミのせい だったのか???天気もキミの前では白旗振るんだね...。 久しぶりに食べる和食(オイ、待て、パスタだから日本風の味付けだろ...。)はやっ ぱり懐かしい...。 ボク : 【 コレ、この味...。こう言うの食べたかった...。 】 ?? : 【 やっぱり、海外って味が違うの?? 】 ボク : 【 そこの国の味覚に合っているからね。塩分とか結構違うよ。 】 ?? : 【 そうなんだ...。どんな味なんだろう?? 】 ボク : 【 今度、迎えに来るから一緒に行こうか? 】 ?? : 【 えっ???/// 】 ボク : 【 あっ...。/// 】 : : : なんか、妙な空気が出来てしまいその後会話もなく、二人揃って黙々とパスタを平らげ た....。 と言うか、思いっきりプロポーズしてしまったよ...。って言うか、コレはダメだろ。 とりあえず、空気戻さないと...。 二人 : 【 あのっ....。 】 離れていても考える事は同じらしい。距離はあるけど、声で繋がっているから、寂しさは あるけど心の距離はそんなに遠くないんだなと感じた。 ?? : 【 えっ、何?? 】 ボク : 【 いや、その?? 】 : : また、変な空白が二人に出来た...。 ?? : 【 プっ、変なの...。 】 ボク : 【 ハハハ...。 】 何だか、変な空気が出来たけど、元に戻れるのはやっぱり距離がないからかな。 気を取り直して、パソコンを見に行った。家電量販店はごった返していたが、縦に長い 建物は久しぶりだった...。 ?? : 【 どうしたの?? 】 ボク : 【 縦長のお店って久しぶりだなと思って...。 】 ?? : 【 今居るトコって高さがないお店が多いの?? 】 ボク : 【 多いというより、行く場所がそんな感じかな...。 】 ?? : 【 そうなんだ...。 】 何気ない会話でも、やっぱり新鮮に感じる。そして、お目当てのモノを見る。 ?? : 【 どれがいいかなぁ...。 】 しげしげと商品を見つめる横顔は、なんだか無邪気な子供のように見えた...。 【 か、可愛い...。 】 【 あぁ...。もっと好きになっちゃうじゃないか!! 】 ?? : 【 どうしたの?? 】 ボク : 【 いや、別に...。 】 そしてノートPCなどを購入して彼女の部屋に行くことにした...。運が良かったのは、彼 女の部屋はインターネット回線が引かれていた事で、繋げば大丈夫と言う状態だったこと だろうか...。 ?? : 【 ねぇ、繋ぐのって時間かかる?? 】 ボク : 【 多分、そんなにはかかんないと思うよ。 】 ?? : 【 そ。じゃ、頑張ってね電気屋さん。w 】 ボク : 【 (って、電気屋じゃないし...。) 】 彼女なりの照れ隠しなんだが、コレ怒るよな...。フツー...。だから、ピラミッド建造な ヒトといわれえるのかも知れない...。 とりあえず、ルーター繋いで、配線完了。セットアップして接続を確認してみた。 ?? : 【 すっご~い!!こんな事出来ちゃうんだ!! 】 ボク : 【 いや、業者はフツーにやるし...。 】 ?? : 【 でも、凄いよ。ワタシできないし...。 】 あぁ、もっと褒めて...。ボクは、褒められると伸びる子なんだ...。そんな訳の解らん 事を思いつつ使い方の説明を始めた。機嫌もいいみたいだし、なんだか本当に今日出てい た太陽みたいにキミは優しくて素敵だ...。 夏の天気は変わりやすくて、夕立が降ってきた。雨音が物凄く雷鳴まで響いていた。 天気が荒れているのは屋外だけでなく、室内では、むしろ、台風が訪れてていた。 ?? : 【 ちょっと、何で動かないの?? 】 ?? : 【 アンタ、ワタシのパソコンでしょ言う事聞きなさい!! 】 : : : あぁ、始まってしまった。姫のご乱心が...。(T_T) : : : ?? : 【 ねぇ、コレ壊れてるんじゃないの?? 】 ボク : 【 いや、そうじゃなくて...。 】 ?? : 【 いいわ、私の言う事を聞かなかったらどうなるか教えてやるん だから...。 】 : : : そ、それって 【 必殺の力技...。 】 : : : や、やめてぇ~~~!!パケ死にじゃなくてパソ死にするぅ~~~!! もうなんでもいいから止めるしかない!! : : : ボク : 【 やめて、愛してるからやめてくれ!! 】 ?? : 【 ....。えっ....。?? 】 : : : 効果抜群だ...。 : : : ?? : 【 ねぇ、なぁに...。よく聞こえなかったカモ...。 】 ボク : 【 いや、それは、その...。 】 ?? : 【 もう一度聞きたいな...。 】 ボク : 【 それは...。 】 ?? : 【 もう、照れ屋サン...。 】 ?? : 【 ほら、いい子だから言ってごらん...。 】 : : : あぁ、手がつけられん....。(T_T) : : : ボク : 【 それ、はそうとさ、パケ...。 】 ?? : 【 ねぇ、何、ワタシよりパソコンのほうが大事なの?! 】 : : : 本気で困った....。(T_T)どうしよう...。 : : : ?? : 【 スキなの?キライなの?男だったらはっきりしなさい。 】 ボク : 【 大好きです!!愛してます!! 】 ?? : 【 はい、よろしい!! 】 : : : って、何時からココは軍隊になったんだ??って志願兵か?? : : : ボク : 【 ねぇ、落ち着いてもう一度最初から操作してみない。 】 ?? : 【 そうだね。 】 単にスキって言わせたかっただけなのか??と言うか、心臓に悪いぞ....。 流石に、元々賢い子なので、あっという間に操作を覚えてくれた...。と言うか、こん なに簡単に覚えれる人間が、あの大暴れは一体何だったんだ?? そうこうしていると、終電がなくなっていた...。 ボク : 【 タクシーで帰ろうかな...。 】 ?? : 【 えっ、泊まればいいじゃん...。 】 あまりに唐突な言葉に驚いた...。 ?? : 【 でも、解ってるでしょうね!変なコトしたら許さないんだから! 】 キミの許さないってこの地球上の災害と同じだろ...。そんな過ち犯す人間がドコに居 る。解ってます。解ってますとも...。そんなリスクは負いません。 ?? : 【 じゃ、先にシャワー浴びてくるね 】 ?? : 【 覗いたら...。解ってるよね...。ニヤリ 】 ボク : 【 解ってます!!絶対にしません!! 】 笑顔は可愛いんだけど...。言葉がかなり威圧的なんですが...。(・_・;) その後、キャンプ用の寝袋を出してくれて、そこで寝ることになったのだが...。この 後彼女の恐ろしい生体を知る事になる。 彼女は、道なき道も道にしてしまうような歩き方で夜動いていた。 ボク : 【 ハァッ!!!テーブルの上通ってる...。 】 ボク : 【 いや、そっちキッチンだから!! 】 ボク : 【 いや、ベランダ出てどうするの?? 】 ボク : 【 って、パジャマでどこいくの??? 】 お、オソロシスギル....。彼女が今まで生きている事自体、世界の七不思議の一つのよう な気がした...。そして、その道なき道の開拓者の足はボクの身体も踏みつけて行った事 は言うまでもない...。 ボク : 【 (なんだか、知ってはならない事を知ってしまったような...。) 】 そんな、未知のまま済ませておきたかった現実を目の当たりにして日本での1日目が 過ぎていった。 ______________________________________________________________________________ 次のページへ 目次へ |
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