> 対米従属とアジアでの孤立意図した米国
> 本書では、この対米従属構造が、90年代以降のグローバリズムの下で異様なる国益の売り飛ばしになっていったことを追っている。
>1989年に日米構造協議が始まり、それは後に日米包括経済協議と名を変え、年次改革要望書となり、日米経済調和対話となり、TPPとなった。
>これらすべては、アメリカのグローバル企業が日本市場に参入する道筋をつくるもので、日本の国民生活の安定や安全に寄与するための規制や制度すべてが、たとえば国民皆保険制度や食料自給までが、「非関税障壁」として攻撃の対象になる。
グローバル企業の自由が、民族国家の究極の目的と一致するものでしょうかね。
> そして、「戦後の国体」の末期である現在、戦後日本の平和主義は「積極的平和主義」に転化し、それはアメリカの軍事戦略との一体化を意味し、実質的には自衛隊が米軍の完全な補助戦力となり、さらには日本全土がアメリカの弾除けと化している。
わが国に、積極的平和主義は可能でしょうかね。日本人には意思がない。だから、常に消極的にならざるをえないのではないでしょうか。無哲学・能天気では、心もとない。
>著者はそこに、かつての敗戦と同じ破滅の道を見ている。 >また、著者によれば、この対米従属構造の下でつくられるイデオロギーは、欧米に対する劣等感や崇拝意識と、アジア諸民族に対するレイシズム(人種差別意識)である。
日本人の上下判断は、何処まで行っても離れることはないでしょうね。孤高のメンタリティでしょうね。
>サンフランシスコ講和条約と日米安保条約をとりまとめたジョン・フォスター・ダレス(元米国務長官)は、日本人のこの2つのイデオロギーをうまく利用すれば、「日本人はアメリカに従属する一方、アジアで孤立し続けるだろう」と見通していたという。
日本はアメリカの一番子分でいたい。日本人は、水平の社会では生きられない。ダレスの慧眼ですね。
> 戦後、アメリカが日本に持ち込んだイデオロギーは、自由でも民主主義でもなかった。
恣意の日本人は、’不自由を常と思えば不足なし’ ですからね。無哲学・能天気の民の民主主義は、衆愚政治となる。
>さらにいうなら、日本を出撃基地にした朝鮮戦争やベトナム戦争をはじめとして、アメリカが「アジア人同士を戦わせる」という戦略の下で戦後、何をやってきたかということである。
アメリカ人は、お人よしにはなれないですね。日本人だったら、アジアのために国運を懸けるか。
>また、無謀な戦争を引き起こし日本を破滅に導いた日本の戦争犯罪者たちも、国内外の人民にはかりしれない犠牲を強いたその責任に頬被りして、戦後は中国・朝鮮やアジア人民への反感を煽り立ててきた。
意思の無い日本人には、戦争に対する責任感は無い。無哲学・能天気な民には、批判精神もない。兎角、この世は無責任。これは、歌にもなっている。
>戦争が生み出す悲劇を二度とくり返さないために、戦争犯罪者を処罰し、現在その方向に進む者を許さず、アジア諸国との平和と友好、平等互恵の経済関係を発展させてこそ、誇り高い民族の伝統を子どもたちに受け継がせることができるというものだ。
美辞麗句は、いくらでもある。しかし、日本人には、その意思がない。
> 今や資本主義の総本山アメリカの衰退はあらわとなり、パクス・アメリカーナ(アメリカの下での平和)は終焉を迎えている。
>朝鮮半島は平和へと向かい、中国が「一帯一路」構想の下で創設したAIIB(アジアインフラ投資銀行)にアメリカの同盟国が次次に参加を決めている。
中国のあくどいやり方が、どこまで通用するものやら。民は、自分の幸福がどこにあるかを知っている。政治家に教えられなくても知っている。アメリカや西欧には、移民・難民が押し掛ける。中国に押し掛ける民はいない。
>世界情勢が大きく変化するなかで、アジア諸国との平和、友好を進めることが日本の国益にかなう道である。>そのためにも戦後の対米従属構造を根本的に改め、民族の主権をとり戻すという課題が、われわれに突きつけられている。(浩)
意思の無い民に独立・自立の道は無理でしょうね。空念仏に終わるでしょうね。対米従属構造を改めることは、おいそれとはできないでしょうね。序列判断で行けばわが国は、アメリカ名親分の下の一番弟子で、それなりに存在感を意識できる状態にあります。この状態が、日本人のメンタリティに適合しているのであります。’あっしは、〇〇組の者でござんす’ と見栄をきるのが序列メンタリティのある人間にかなっているのでしょうね。これは、浪花節の世界か。
日本人は、日本語と英語の両言語を良く学び、英文法における時制 (tense) の大切さを十分に理解しなくてはならないでしょうね。発言に時制を使うことができれば、自己の意思も持てるし、積極策も採れる。世界観 (world view) を持つことにより、批判精神も持てる。’あるべき姿’ を公言して、国際社会で信頼を得ることも可能になる。我々日本人の道は開ける。
> (集英社新書)
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