100円ショップ(ヒャクキン)が生活の隅々まで浸透している。いつごろからこのような安売り店が増えてきたのであろうか、一方ではブランドショップの人気は高く、消費者のニーズに合っているのであろう。それとも賢い生活者の選択志向なのであろうか、消耗品や、一度限りで使わないものも多い。生活の便利さは品物が豊かであったほうが便利であると思いがちで、そのせいもあってが、不用品が室内を占領する。
断捨離などという言葉もあり、不用品が片付けられずにゴミ屋敷となった例も多い。TVの放映を見たが、立派なマンションが空き缶や段ボールで埋め尽くされ、路上にはみ出ている始末、通行人の迷惑がっている取材であった。家の持ち主はしばらく家の中に入っていないといい、野宿同様の生活である。何度も地域の区役所が説得を続け、撤去するように勧告しても、ゴミではなく資源であり、所有権を言い張り、埒が明かない。その後のことは分からないが、強制撤去したかもしれない。
話をヒャッキンに戻そう。主要な駅の周辺には主としてダイソーが経営するショップが点在している。売り場面積もさまざまであるが、多くの客でにぎわっている。日用品や園芸用品、台所用品から、文房具類、種類も多く、さまざまである。こんなものが百円以下で作られ、販売されているのかと驚くばかりである。中には日本製もあるがほとんどは中国産が多く、アジア各国の製品もある。品質をいえば我が国のJIS(日本工業規格)などとは比較にならないが、用途によっては重宝するものもある。
一部食料品も売っているが、購入したことはない。必ずしも粗悪品ばかりではなく、十分実用に利用できるため、人気を博しているのであろう。流通業界は中古市場も利用されている。リサイクル店とヒャッキンとは異なり、ヒャッキンは新品である。何らかの事情があり、店舗をたたむことも話には聞くが、引っ越しなどを含め、商売となるリサイクル店も、商品の寿命を延ばすことに貢献しているようである。最近は、賞味期限が過ぎた備蓄品などを社会福祉に利用することも行われているようで、これももったいない精神が消費行動を多様化させている現れであろう。
ヒャッキンでは手芸用品もあり、ニードルタッティングを始めてから、レース糸やビーズ類はヒャッキンで購入している。賢い消費者であり、無駄を省き、利用することは、決して恥ずかしいことではないことを付け加えたい。安いからといって買いすぎないよう注意が必要である。