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ブログ「かわやん」

森羅万象気の向くままに。

2010年 第41回釜ヶ崎越冬闘争 ドキュメンタリー上映会

2010年12月22日 11時30分16秒 | Weblog

2010年 第41回釜ヶ崎越冬闘争 ドキュメンタリー上映会「釜ヶ崎から―沖縄・朝鮮・在日―を考える!」が開けれます。以下は案内文です。

■「差別され抑圧された沖縄人、被差別民、在日韓国・朝鮮人、障がい者。抑圧と差別を受けてきた歴史を引き継いできた、我々子孫というのは先人から受け継いだ抵抗の遺伝子が進化する。だから沖縄を苛めて苛めて、なお苛めるというのだったら、私が死んだ後も子や孫たちが抵抗してゆく魂を進化させるのだ...」
※沖縄在住の彫刻家、金城実(映画「恨ハンを解いて、浄土を生きる」より)
■釜ヶ崎の労働者のみなさん。そして、釜ヶ崎越冬闘争を支援するすべてのみなさん。今年も残りわずかになり、越冬闘争の季節がやって来ました。今年は、沖縄米軍基地をめぐる与党民主党の迷走に始まり、尖閣諸島(釣魚島)などをめぐる領土問題、延坪島での軍事的衝突による北朝鮮脅威論の広まり、それらは誤った歴史修正主義と排外主義とをまねき、ついに朝鮮学校の生徒たちだけを高校無償化から排除するという深刻な差別にいたりました。また沖縄では、ヤマトによる差別と米軍基地の押しつけに対する怒りの声が、踏みにじられ続けています。テレビや新聞、インターネットなどで大量に流される情報は、それを見る者の批判的精神を完全に麻痺させ、憎悪と敵意を煽りながら、アジアを忘却した日
本中心主義の溢れ出る「日本人」の物語づくりに終始しています。そのような状況に抗するために、私たちNDS=中崎町ドキュメンタリースペースは、夏祭りでの「彷徨する魂を追う!」に続いて、「沖縄、朝鮮、そして在日」をテーマにしたドキュメンタリー映画上映会を釜ヶ崎越冬闘争の現場で行うことにしました。

■日本の学校教育やマスメディアは、沖縄戦の記憶をアジア諸民族の苦難の歴史につながるものとしてではなく、日本本土を守るための壮絶な闘い、崇高な犠牲という「神話」に仕立て上げました。ウチナンチュの記憶は、戦乱や緊張にうずまくアジアの人々の歴史体験に連なるものではなく、忘却と隠蔽を余儀なくされてきました。また、済州島において、沖縄戦の渦中、「第二の沖縄」として本土防衛に備え、全島要塞化を行うために、約7万人の日本軍とそれに加え済州島の住民が動員されたという事実、さらに解放後の米軍制下で4・3事件が引き起こされたという悲劇の歴史はほとんど知られることがありません。(4・3事件とは1948年4月3日、米軍制下において南北分断につながる単独選挙に反対して済州島で
起こった民衆蜂起。約3万人の人々が犠牲になった。)

■日本の米軍基地の75%が、本土のわずか0.6%の沖縄に集中している事実や、本土の二倍ともいわれる失業率はどうして生み出されるのでしょうか。沖縄の米軍基地は韓国の米軍基地、平沢(ピョンテク)、群山(クンサン)、そして済州島に建設されようとしている韓国海軍基地にも直結し、北朝鮮、中国、中近東やその他の紛争地域と分かち難く結びついています。米軍基地は、中国や北朝鮮を威嚇して東アジアの無用な緊張を招き、米軍用機が、韓国の群山(クンサン)直島(チョクド)の爆撃場などで訓練し、イラクやアフガニスタンへと民衆を虐殺するために出撃していくのです。(イラク戦争の死者は10万9千人を数え、うち6万6千人は民間人=ウィキリークスが大量の資料を公表)

■朝鮮学校の無償化問題においても、朝鮮と日本の関係史、在日朝鮮人の歴史を忘却し、阪神教育事件の再来のように在日朝鮮人の民族的アイデンティティーを育む民族教育を弾圧しようとしています。ふたつの祖国に分断され引き裂かれた在日の一方の立ち位置を断ち切れと強要することは、引き裂かれた在日の実存そのものが断ち切られることを意味するのです。日本軍「慰安婦」問題に象徴されるように、韓国強制併合から100年が経過した現在もかつての日本帝国主義が残した植民地被害の傷跡は癒されることなく、歴史の闇へと忘却、隠蔽されていくのでしょうか。

■今、戦前、戦後を貫く東アジアにおける国家権力による過酷な暴力に晒された民衆の記憶をひとつひとつ紡ぎ、そして現在的な問題意識へと切り結んでいく歴史的な視点が必要とされているのではないでしょうか。今回、多くのみなさんのご協力により、そのためにふさわしい8本のドキュメンタリー作品が無償で提供され、ここ釜ヶ崎の「ふるさとの家」で上映できることになりました。沖縄、朝鮮、在日そして釜ヶ崎のことを、ドキュメンタリーを観ながら、断絶されたそれぞれの歴史を現在につながる記憶を継承する民衆の歴史として、世代を超えて、ここ釜ヶ崎から、語り合いたいと思います。

2010年暮 41回目の釜ヶ崎越冬闘争にて   
NDS=中崎町ドキュメンタリースペース
<作品紹介>
・『風ッ喰らい時逆しま』(監督布川徹郎/1979年/88分/カラー)
伝説の芝居集団『曲馬館』が山谷、釜ヶ崎、コザ、網走を駆け抜け国家の方位磁針を乱すかのように日本の均質化した風景をよじれさせる。

・『朝鮮の子』(製作:朝鮮の子制作委員会、在日朝鮮映画人集団、提供:総聯映画製作所/1955年/32分/モノクロ)
「僕たちはお父さんやお母さんのおかげで、僕たちの国の言葉や地理、歴史を習っています。立派な朝鮮人になるためです。」この映画は当時の生徒の作文をもとに作られた。

・『イルム 朴秋子さんの本名宣言』(監督滝沢林三/1983年/50分/カラー)
在日朝鮮人二世の朴秋子さんは本名宣言を行ったが就職差別にあう。民族意識の自覚を内面から描く。

・『熱い長い青春 ある沖縄の証言から』(ディレクター森口豁/1972年テレビ作品/30分)
日本「復帰」三ヶ月後の沖縄。復帰して変わったのは物価高と観光客の増加、変わらなかったのは膨大なアメリカ軍の基地。復帰を切に願っていた主人公内間安男の心の変化を追う。

・『一幕一場・沖縄人類館』(ディレクター森口豁/1978年テレビ作品/25分/カラー)
 沖縄の劇団「創造」が演じる「人類館」1903年大阪内国勧業博覧会で二人の「沖縄人」が見世物として陳列された。

・『送還日記』(監督金東元/2003年/カラー)
 南北分断を経て1992年刑務所から出てきた老人―彼らは北のスパイだった。監督は彼らを北に送還させる運動に参加しつつ、最長で45年にわたり服役した彼らを人間味ある日常生活から描きだす。
・『1985年・花であること 聞き取り華僑2世徐(ジョ)翠(スイ)珍(チン)的在日』(監督金成日/2010年/75分/カラー)
徐翠珍さんは在日華僑2世。この日本社会を多民族共生の架け橋にしたいと願う徐さんの半生を記す。
・『恨を解いて、浄土を生きる』(監督西山正啓/2010年/85分/カラー)
「ゆんたんざ未来世」シリーズ第三弾は辺野古現地から始まり、チビチリガマ、恨(ハン)之碑、アメリカ本国でホームレスだったというメキシコ系米海兵隊員と彫刻家・金城実との交流、総理官邸前の抗議行動、県民総決起大会、6月23日沖縄慰霊の日に来沖した菅直人首相に抗議する人々、ラストは沖縄戦で亡くなった民間人の骨塚でもある「魂魄の塔」。

<上映スケジュール> ※全作品無料上映!
■12月28日(火) 三角公園にて
19:00 風ッ喰らい時逆しま ※野外上映!

■12月29日(水) ふるさとの家にて
10:00 朝鮮の子 
10:50 イルム 朴秋子さんの本名宣言 
―休憩―
15:00 熱い長い青春 ある沖縄の証言から 
15:40 一幕一場・沖縄人類館
18:20 送還日記 

■12月30日(木) ふるさとの家にて
10:00 イルム 朴秋子さんの本名宣言
11:00 花であること
―休憩―
14:30 朝鮮の子
15:30 送還日記

■12月31日(金) ふるさとの家にて
11:00 花であること 
13:00 恨を解いて、浄土を生きる
 
■1月3日(月) ふるさとの家にて
13:30 恨を解いて、浄土を生きる
15:30 熱い長い青春 ある沖縄の証言から
16:05 一幕一場・沖縄人類館 
<※上映終了後関西沖縄文庫・金城馨さんにお話を聞きます>
なお、三角公園では18:40よりがじまるの会による空手、島唄、エイサーが行われます。

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