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あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

犬猫ツインタワー

2025-04-20 09:03:22 | Weblog

 

これでも詩かよ 第342回

 

昔々、大風が吹けばたちまち吹き飛んでしまうような、とんとバラック仕立ての犬猫ツインタワーがあったげな。

 

犬ビルの社長は、犬博士。猫ビルの社長は猫博士。世間では2人の博士を犬猫の、いや犬猿の仲だと噂しておりましたが、それは表向きだけのこと。ほんとは2人の博士は大の仲良しで、時々社長室の窓を開け放って、資生堂の「ナナチュラル・グロウ」をアカペラで唄っていたのでした。

 

犬猫ツインタワーの中には、それぞれ大きな事務所があって、それぞれ全世界の優良会社から派遣された100名の社員がデスクに陣取り、朝から晩まで、仕事のような、遊びのような仕事に従事しておりましたが、中には「あたし、墨田区のタバコ屋さんで働いてたのよ」と告白する中年のオバサンもおったげな。

 

そんなある日のこと、犬猫2人の博士がそれぞれ発表したラテン語の年頭所信表明の文書が、ふたつながらに意味不明なので、ミラノのスカラ座宛にファックスを入れたら、たまたま居合わせた指揮者のトスカニーニJr.が、たちどころに解読してくれました。

 

それによると、犬博士は「能登地震の被害から立ち直るには、世界最大の地震国イタリアに学ぶに如かず」と説き、これを受けて猫博士は「紀元62年のポンペイ地震とその17年後のベスビオ火山の大爆発を、テッテ的に研究せよ」と論じておったげな。

 

ようやく懸案の謎が解明されたので、犬猫ツインタワーの200名の全社員は、ビルヂングの窓を開け放って、例の資生堂の懐かしいCⅯソング「ナナチュラル・グロウ」をアカペラで大合唱したんだとさ。

 

するとどうでしょう。

その時早く、その時遅く、どこからともなく大風が吹き付け、と同時に犬猫ツインタワーを揺るがす震度10の大地震が天地を揺るがしたので、2人の博士と200名の社員たちは、ガタンガタンと大揺れに揺れる地上100メートルのツインタワーの窓から、全員大空に向かって投げ出されたのでした。

 

とっぴんぱらりのぷぅ。

 

 

ポイントにはならへんけど優勝には絶対に必要やった荒川選手のイナバウアー 蝶人

 



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