あまでうす日記

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「レナータ・テバルディ」デッカ全録音集全66枚CDを聴いて

2018-07-16 16:34:22 | Weblog


音楽千夜一夜第414回


レナータ・テバルディ(1922-2004)は、マリア・カラス(1923-1977)とともに「20世紀イタリアを代表するソプラノ歌手」ということになっている。

ふだんはカラスばかり聴いているのでたまにはその「天使の歌声」とやらに耳を傾けてみようと、なけなしの大枚はたいて66枚組を買い求め、ここ半年ほど聞きまくったが、いいのは若き日の美貌だけだったあ。

肝心要の歌唱については、素直で透明な声質こそ好ましいが、高音部の音程が必ずと言っていいほどハズれ、ハズれたまんまで無理に引きずって歌うので、聞くに堪えない。

歌いぶり自体は、(私の大嫌いな森麻季とかフレミングとかネトレプコと違って)実に正当的で、思わせぶりなところが皆無のいわゆる優等生タイプだから、多くの指揮者に好まれたのは理解できるが、同時代のカラスに比べたら、それこそ月にスッポンもいいとこで、この程度の歌手がライバルとは、ジョコビッチと錦織がそうだ、と強弁するようなものだ。

できればデッカの優れた録音チームが、このテバルディちゃんの代わりにカラス選手のをとってくれたならEMIと合わせて膨大なコレクションを後世に残せたに違いないと、ただそれだけが残念。

 「文春」と「新潮」はスキャンダルで「ポスト」「現代」はセックス特集で売るなり 蝶人
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