あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

泉昌之著「豪快さんだっ!」を読んで

2018-07-14 13:05:01 | Weblog


照る日曇る日 第1099回



白泉社コミコミと青林堂ガロに連載された、鬼才による、1987年初版による、2000年新装版の初版ずら。

原案が久住、作画が泉の2人組なので、どんな短編でも漫画の推力に勢いがあり、アイデアの質量を感じ取ることができる。

「スーパーウルトラヂャイアントキンググレイト最終回2」の末尾では、なぜか「スーパーウルトラヂャイアントキンググレイト」が途方もなく巨大化し、地球よりも、宇宙よりも、果てしなく巨大な存在と化し、恋人のルミ子さんと、地球と、宇宙!にサヨナラ、サヨナラ、サヨナラ!と別れを告げながら去っていく、その巨大なスケール感が素晴らしい。

本格危機もの「日本が危ない」は、1987年8月にガロに掲載された作品だが、げんざいの安倍蚤糞と同様、当時の中曽根政権に頭にきている主人公が、「中曽根やレーガンの顔も見たくない!」と罵ったり、大恐慌におびえたり、子どもを連れてラッシュで超満員の電車に乗り込み、子どもから「どうして大恐慌がやって来るの?」「どうすれば大恐慌を防ぐことができるの?」等々と沈黙の車内で質問攻めにされて、とうとう「アキオ、サラリーマンの皆さんは疲れてるんだから、少し静かにしてなさい!」と怒鳴るところで終わるのだが、おらっちはこーゆー漫画がすきなのよ。

   冤罪の刑事裁判ばかりでは食べていけない今村弁護士 蝶人
コメント
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