14期生の北方謙です。
早いものでプロコン育成塾も、5/30(土)の講義で、
いよいよ最後となります。
その最後の講義で発表する、「プレゼン」に向けて、
「失敗の本質」という書籍を読み直しました。
『失敗の本質 -日本軍の組織論的研究』
1984年に発刊されたものですが、今も多くのビジネスマンに
読まれているもので、大型書店では平積みになっている、
名著といわれている書籍です。
テーマは、太平洋戦争での日本軍の失敗の原因を追究と、
歴史研究と組織論を組み合わせたものなのですが、
現代社会でも多く通じることだらけで、
「歴史とは繰り返されるもの」と気づかされます。
なかでも、「型の伝承にこだわり本質を見失う」「イノベーションを封殺する」
「失敗をうやむやにする」「トップが現場に出ない」「精神論に頼る」
「集団の空気に流される」といった日本人的なメンタリティは、
現代の多くの企業とも共通することだなあと、多くの共通点があることに
驚かされます。
この失敗のエッセンスについて紹介されている
記事がありますので、転載します。
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■日本の『失敗の本質』を読み解く7つの視点
(1)「戦略性」
日本人が考えている「戦略性」と米軍が考えた「戦略性」には違いがあります。
米軍は一つの作戦、勝利が最終目標の達成につながる効果を発揮したのに対して、
日本軍は目の前の戦闘に終始して最終目標の達成に近づくことができませんでした。
(2)「思考法」
大東亜戦争にも現代ビジネスにも共通する「日本人特有の思考法」の存在。
練磨と改善には強く、大きな変化や革新が苦手で柔軟な対応ができない。
日本海軍の名戦闘機「零戦」は部品1点にも軽量化の工夫が随所に凝らされた、
改善努力の結晶でした。
しかし、防弾装備を省いてまで実現した軽さが、
米軍の進化で空戦の優位を失った時、日本軍は方向転換をする決断ができず、
撃墜され続ける状況を変えられませんでした。
(3)「イノベーション」
既存のルールの習熟を目指す日本人の気質は、
大きな変化を伴うイノベーションが苦手だと言われています。
その気質や思考法がイノベーションを阻害するだけではなく、
日本独特の組織の論理が過去の延長線上を好み、
変化の芽を潰す傾向があるのもまた事実でしょう。
(4)「型の伝承」
創造ではなく「方法」に依存する日本人。
私たちの組織文化の中にある型の伝承という思想が、
イノベーションの目を潰す悪影響を生んでいる可能性も高いのです。
日露戦争で勝利した日本軍は、
その戦闘方法を「型として伝承」し学習させたため、
大東亜戦争では時代遅れの戦術に固執することになり、
戦局の変化に対して新しい創造ができませんでした。
成功を生み出した真の因果関係を探るのではなく、
成功した時の「行動」を繰り返して追い込まれていく姿は、
ビジネスにおける国際競争で劣勢を挽回できない日本企業に重なります。
(5)「組織運営」
日本軍の上層部は、現場活用が徹底的に下手でした。
組織の中央部と現場は緊密さに欠け、権威で現場の柔軟性を押さえ付けました。
その結果、硬直的な意思決定を繰り返して敗北したのです。
上層部が頭の中でだけ組み立てた作戦は、
現地最前線の過酷な現実の前に簡単に打ち砕かれていきます。
一方で、最前線には、戦場の実情を正確に見抜いていた
優秀な日本軍人もいたにも関わらず、
活用する能力がまったく欠けているのは、
現代日本と日本軍にまさに共通の欠陥です。
(6)「リーダーシップ」
現実を直視しつつ、優れた判断が常に求められる戦場。
環境変化を乗り越えて勝つリーダーは、新しく有効な戦略を見つけることが上手く、
負けるリーダーは有効性を失った戦略に固執して敗北を重ねます。
組織内にいる、勝つ能力を持つ人物を抜擢できることも、
優れたリーダーの資質です。組織人事の優劣は、危機を突破して勝利するか、
打開策を見つけられずに敗北するかの大差を生み出す要素なのです。
(7)「日本的メンタリティ」
「空気」の存在や、厳しい現実から目を背ける危険な思考への集団感染は、
日本軍が悲惨な敗北へと突き進んだ要因の一つと言われます。
そして、被害を劇的に増幅する「リスク管理の誤解」は、
現代日本でも頻繁に起こっていることですので、皆さんもよく理解されていると思います。
【引用】ダイヤモンド社 書籍オンラインより
http://diamond.jp/articles/-/16953?page=5
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最終講義でのプレゼンでは、この「失敗の本質」で描かれていた
事例を引用しながら、「武道」と「家電ビジネス」で起きた「現代の敗戦」について、
改めて述べていきたいと思います。
北方謙
こんにちは。田村隆一郎です。
先日、従業員50名ほどの中小製造業を訪問しました。
その会社の食堂に行ってみると、「図書コーナー」というのがありました。
本棚が置かれ、ビジネスや一般教養に関する本が300冊以上並んでいます。
それらの本は、誰でも2週間まで借りられるようになっていました。
従業員の人に聞いてみると、『主に社長が読んだ本が並んでいます』とのこと。
一部は従業員の人が持ち込んでいるそうですが、社長はかなりの読書家の様子。
そして、従業員の教育や勉強のために図書コーナーで読書を勧めている。
とてもいい考えを持った社長だと思いました。
従業員の人は『あまり借りている人はいないのですが…』と言っていましたが、図書コーナーがあるということは、読書の大切さ、そして勉強することの大切さを社長が伝えようとしているのだと思います。
さらに、製造業の現場らしく、清掃が行き届き、本棚にホコリなどは溜まっていませんでした。
図書コーナーがある会社は珍しくないと思いますが、多くはホコリが積もっていたりします。
図書コーナーを設置する際は、本の冊数が多く、興味を引くようにする。
さらに、見た目もきれいで魅力的な感じにする。
そんな感じで、思わず本を手に取りたくなるような状態にすることが大切だと思いました。
14期生 佐藤 充重です。
平成27年5月4日、ユネスコ世界遺産センターが
「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼,造船,石炭産業」
を世界産業遺産に推薦した、と内閣官房から発表がありました。
このことは私にとって2つの大きなインパクトがありました。
一つ目は、私は長崎県生まれの福岡県育ちであり、
父が長崎の炭鉱で働いていたこと、私自身も北九州市
の鉄鋼会社に入社し、今回推薦された世界遺産のまさに
その建物の中で仕事をしていたことです。
そういう意味でこの世界産業遺産への推薦は、私のこれまでの
人生と深くラップしており、私自身もこの世界産業遺産にわずか
でも参画できたということであれば、ちょっと誇らしげな気持ちに
なります。
二つ目は、私の会社の同僚が約8年前に50歳で早期退職し
、鉄鋼設備のエンジニアであったにもかかわらず旅行会社を
創業して、外国人を中心に北部九州の魅力を伝える仕事を
していることです。そして、北九州の行政と一体となって世界遺産
の魅力を国内外に伝える企画を次々に打ち出しているのです。
まさにこれから日本の魅力を海外に発信し、多くの外国の方を
日本へとお迎えするインバウンドの最先端を走っているのです。
そしてその業績は九州の地元のマスコミにも取り上げられ、
これからますます広がってゆくことを期待されています。
今後この件については、私も何らかのお手伝いが出来ればと
思っております。
こんにちは。富岡です。
一昨日、アミューズメント産業のある店舗に伺い、店舗視察、
店長講話の拝聴などをさせていただきました。
その店がある地域は、東京近郊ですが人口減少、高齢化が進んで
いて、経済環境は決してよくありません。にもかかわらず、
その店は競合店の追随を許さず、増収増益を続けています。
その秘密は店長のリーダーシップにあると感じました。
といっても、店長はぐいぐい人を引っ張るというタイプでは
ありません。むしろ逆です。じっくり人の話を聴くタイプです。
月1回、改善改良会議を開き、スタッフの改善提案をじっくり
聴きます。そのやり方はいわゆるブレストで、言いたいことを
吐き出させるとおっしゃっていました。そして、その提案を
多面的に検討して一番良い方法を選択して実行していくという
ことでした。
私はこの業界に携わり始めてまだ日が浅いのですが、どうも
伝統的にタテ社会の傾向が強いなと感じていました。トップの
指示は絶対で皆が従い統制をとっていくシステムです。
話を伺った店長のやり方は、従来の業界の慣行に反していますが、
成果を確実に上げているのです。環境変化の激しいこの時代、
全員の英知を結集していくということは今後ますます重要と考えます。
私もこの業界の研修を担当していくので、一昨日のことは非常に
良い経験になりました。
富岡 淳