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そんなに簡単ではない「当たり前品質」

2022-10-27 12:00:00 | 22期生のブログリレー

22期の藤川豊です。
復習も兼ねて、過去に受講した講演資料を整理していたところ、2018年に参加した、東京理科大学の狩野紀明教授が講師の「IOT時代における商品企画と品質保証セミナー」のレジュメに目が止まりました。狩野先生は、顧客満足度に影響する品質要素を分類し、その特徴を表す「狩野モデル」を提唱されています。「車の品質、PCの品質というように、具体的に使われたとしても、その意味は漠然としていて曖昧である。従って、具体的に品質について論じるために、品質要素に分解される必要がある」とおっしゃっています。

狩野モデルの品質要素(下図参照)としては、
①まず下半分の「当たり前品質」ですが、これは、利用者に「満たされていて当然。あって当たり前」と評価される品質要素です。これにより満足度が高まることはないのですが、なくてはならない重要な要素になります。例えば旅館の場合、清潔な部屋、布団などが該当します。
②右上に伸びる「一元的品質」は、満たされるほど満足度が上がり、逆に満たされなければ不満に思われる品質です。多くの品質は、ここに当てはまるのではないか思われます。旅館では、美味しい料理とホスピタリティあふれる接客サービスなどです。
③上半分に位置する「魅力的品質」は、なくても不満ではないが、あったら嬉しい品質です。旅館の中では、芸術家の作品が展示された館内の文化的な雰囲気、などでしょうか。

これを診断士として必要となる品質に照らし合わせてみたら、何にあたるかを考えてみました。「当たり前品質」は、基礎力の「診る、聞く、話す、書く」でしょうか。これが備わっているのは必須要件だと思いますので(とは言いつつ、そんな簡単ではないのですが(^^;)。「一元的品質」は診断士個々の専門性や対応力など、「魅力的品質」は何になるのでしょうか??  引き続き考えたいと思います。

当たり前品質は、これが足りない場合には、魅力的品質をいくら高めても顧客が不満を感じる可能性もありますので、とても大事な要素だと思います。稼プロに、診断士1年目に入塾したのは正解だったと再認識した次第です。これからも、業務の品質向上に向けて頑張りたいと思っています。

    図:狩野モデルの品質要素


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (山﨑 肇)
2022-10-27 17:29:53
4つの基礎スキルも当たり前でない品質まで磨くと魅力的品質になると思います。
4つの基礎スキルにより一層磨きをかけて稼ぐ、稼プロ!OBのお話しが企業診断11月号の特集記事『これが「稼げる診断士」だ2022』に掲載されているので、ぜひご一読ください。
合宿に参加してくれた清水さんも執筆されています。
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Unknown (杵渕竜也)
2022-10-27 22:18:18
当たり前品質を早く身につけて、自分にとっての一元的品質や魅力的品質を追求できるようになりたいです。
企業診断、昨日注文して明日には届きます!
稼プロは稼ぐ診断士の先生方を間近に見れるのが魅力です。
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Unknown (佐々木桃太郎)
2022-10-28 15:35:40
山﨑塾長が書かれている「基礎スキルを当たり前でない品質まで向上させて魅力的品質に高める」こと以外の魅力的品質構築方法が浮かんだら再度共有していただけると有難いです!楽しみにしています。
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Unknown (藤川豊)
2022-11-01 23:57:01
山崎さん、桃太郎さん、杵渕さん
コメントありがとうございます!4つの基礎スキルをベースに、それ自体を当たり前でない品質まで磨くことで魅力的品質になっていく、という考えが腑に落ちました。引き続き、スキルを積み上げていきたいと思います。
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グローバルマルテンサイト (サムライ千年)
2024-08-02 23:44:34
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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ハイブリッド哲学 (エンジンフリクション)
2024-08-02 23:46:50
私の場合「材料物理数学再武装」を読んだのが非正規分布系の確率密度関数に興味を持ったからだ。品質工学かんけいの怪しげなサイトで「ドミノ理論」なる政治的なにおいのぷんぷんする内容が大体的に語られていたころだった。破壊力学的な確率密度関数がそれにあたるが、ワイブル関数も一つの近似形態だという認識だったのは感動した。
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