講師の亀田です。稼プロ!の7期生で、18期では執筆企画の講師を担当いたします。
これからどうぞ、よろしくお願いいたします。(自己紹介は講義の時にお話ししますね!)
さて、今回はCSRとCSVの違いについて、お話しをしたいと思います。
どちらの3文字、しかも一字違いのため、混同されがちです。
CSR=Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任
CSV=Creating Shared Value=共通価値の創造
CSR活動として、社会貢献をされている企業も多いです。
一方のCSVは、企業が、社会課題や問題に対して取り組むことで社会的な価値を創造し、その活動自体が企業にとっても売上など経済的な価値も創造されることを指します。
※2011年『競争戦略論』マイケル・ポーター教授が、ハーバード・ビジネス・レビューで提唱
どちらも同じ社会に対する貢献や責任に対するや活動ですが、CSRは、本業ではなくその周辺の活動、例えば、環境に良いことをする、フィランソロピー(社会貢献的活動)、などに対して、
CSVは、本業そのものを行いながら、いかに戦略的に社会課題を解決するかが問われます。さらには、最近では、CSVを通じて事業そのものの価値や競争力を強化するというところで、発展していいます。
ポーター教授は、企業が一時的な売上や利益の最大化を目指すため、その活動によって社会や環境問題を生んでいる点を指摘しており、これがCSVの出発点になっています。
また、持続可能な活動であることも重要です。本業ではなく、周辺事業として行った場合、業績が悪くなった際には、予算が削減されるなどして、継続的に活動ができなくなることがあるからです。
CSVの具体例としては、スターバックスでは、「ハミングバード スターバックスカード」をつかって購入すると、購入金額の1%を寄付するという仕組みがあります。
チチカカでは、売上金額の5%を生産者に還元して、生産者の生産が継続的にできるような用具を提供しています。
今後はCSVが企業間の競争の差別化要因になることも増えてきそうです。
自身の会社では、CSRやCSVなどの取組についてあまり聞きません。同業他社も含めて、どのような活動が行われているか、今度調べて見たいと思います。
倫理的に善な活動であったとしても、利益がなければ株価の上昇には繋がりません。
したがって、倫理的に善な活動を行い、それを自律的に継続していく原資である利益の獲得も同時に行える可能性のあるCSVの方が、より高次の考え方なのかもしれないと思っています。
あまり、事例の数は多くはないかと思いますが、ぜひ調べてみてください。
継続できる仕組みを作ることがカギですよね。
企業の本業との関係、利益などが企業の価値に影響を与えそうですね。